組織ドップラーイメージング(TDI)は、心エコーによる従来法よりも心疾患による死亡の予見において優れた威力を発揮することが確認された。第4回Copenhagen City Heart Study(2002)の解析によるもので、コペンハーゲン大Gentofte HospitalのRasmus Mogelvang氏(写真)らが3月31日、第57回米国心臓学会で発表した。

 40歳以上の成人の20%が、罹病や死亡にいたる心不全リスクをかかえている。検診、発病歴とともに心エコーが心不全の疑いのある患者の診断に重要な役割を果たしてきたが、この方法では疾患をもつ患者の半数しか発見できないという。

 第4回Copenhagen City Heart Study(2002)では、従来の心エコーとカラーコード化したTDIを用い、1036人の非入院被験者を対象に心機能を観察した。その中で特に、予見観察の威力について両者を比較検討した。被験者を2002年から2007年にわたり5年以上追跡し、総死亡を調査した。また、ピーク心筋収縮、早期および後期拡張を僧帽弁輪の6カ所で記録した。

 その結果、臨床知見(年齢、性別、体格指数、心拍数、糖尿病、高血圧、虚血性心疾患)および異常な心エコー結果を補正した後でも、TDIの方が死亡予見に優れていることが明らかになった。また、心筋収縮、拡張期の特定値が死亡予見に重要であること、それらの値を組み合わせることにより、TDIによる死亡予見をさらに優れたものにできることも分かった。

 これらの結果を元にMogelvang氏は、「従来法の心エコーでの異常(17%の被験者で観察)は、コックス比例ハザードモデルでは予見価値はないとされた。TDIはフォローアップ期間中、死亡リスクのある患者を同定できた。今回の結果は、TDIを標準的な検査とするようになる一歩である。TDIで得られる情報は、心疾患から患者を救うものになだろう」との見解を示した。