非保護左主冠動脈(ULMCA)内の分岐冠動脈病変BCL)に薬剤溶出ステントDES)を留置する前に、方向性冠動脈粥腫切除術DCA)を導入する方法で、有用性と安全性が確認された。多施設で行われた臨床試験PERFECT Registry(PrE Rapamycin eluting stent FlExi-CuT Registry)のサブ解析によるもので、豊橋ハートセンターの木村祐之氏らが3月29日、第57回米国心臓学会で発表した。

 DESは再狭窄と血行再建術の再施行を明らかに減らせることが分かっているが、分岐冠動脈病変にDESを留置する経皮インターベンションは難しいとされてきた。そこで木村氏らは、非保護左主冠動脈内の分岐冠動脈病変へのDES留置の前に、DCAを行ってプラークを減少させる治療法に取り組み、その安全性と有効性を評価した。DCAは、削る方法を決めてかんなを往復させるように狭窄部をそぎとるもの。

 PERFECTは豊橋ハートセンター、心臓血管研究所が参加し、非保護左主冠動脈内の分岐冠動脈病変を持つ患者62人を登録。DCAを取り入れたDES留置を実施した。全患者に対して、9カ月後に冠動脈血管造影を行った。1次エンドポイントは、9カ月での血管造影でみた再狭窄率。2次エンドポイントでは、1年後の施術関連事象および主要有害心事象を評価した。

 DCAは全例において何の合併症もなく行われた。全例で単純なステント留置が行われた。院内での主要有害心事象はなく、9カ月での再狭窄率は主枝、側枝でいずれも0%だった。標的病変の血行再建術、冠動脈バイパス移植、心筋梗塞、死亡の報告は最初の1年以内に1例もなかった。

 演者らはこの結果をもとに、DES留置前のDCAは、複雑なステント留置を必要とせず、非保護左主冠動脈の治療に安全で有効であると結論した。この手法は非保護左主冠動脈内に分岐冠動脈病変を持つ患者に非常にすぐれた長期の結果を与えると思われる。

【訂正】
3/31に以下を訂正しました。
・木村祐之氏の所属は「豊橋ハートセンター」でした。お詫びして訂正いたします。