分岐病変へのシロリムス溶出ステント留置後の血行再建術予測因子は、血液透析、総ステント長、2本ステント法、留置後の主枝基準径が最も重要であることが明らかになった。多施設共同のj-CYPHERレジストリの解析結果で、京都大学医学部附属病院循環器内科の田村俊寛氏らが3月29日、第57回米国心臓学会で報告した。

 J-CYPHERレジストリには、日本国内の41施設からシロリムス溶出ステント(SES)留置を受けた患者が登録された。2007年7月31日時点で長期のフォローアップデータが得られた症例は1万521例だった。そのうち、1736人(1854病変)は、左主冠動脈、左冠動脈前下行枝口、および冠動脈回旋枝口をのぞく分岐病変へのSES留置を受けていた。1395人の患者(1500病変)をグループS(最終的に主枝のみにステント留置)、341人の患者(354病変)をグループC(最終的に主枝と側枝にステント留置)に分けた。この2つの手技のどちらにするかは術者の裁量とした。この2群を対象に、臨床的および血管造影法により、再狭窄、血行再建術の予測因子を、長期(フォローアップ期間;462.6±222.7日)にわたって解析した。

 その結果、783病変(43.4%)が真の分岐だった。フォローアップの血管造影は、59.4%の病変で行われた。再狭窄率は20.1%(主枝8.6%、側枝14.1%)、血行再建術(TLR)は6.5%。グループCとSの間では再狭窄率に有意な差はなかった(18%と20.6%、p=0.39)。しかしながら、TLRの実施はグループSよりグループCにおいて有意に高かった(11.6%対5.3%、p<0.0001)。血管造影でみた再狭窄に関しては、術後の側枝径の狭窄がより高いリスクと関連していた。

 TLRの多変数解析では、血管透析、総ステント長、2本ステント法、留置後の主枝基準径が最も強力な予測因子だった。分岐病変へのSES留置ではグループCとSの間で再狭窄率に有意な差はなかった。

 これらの結果から演者らは、血液透析、総ステント長、2本ステント法、留置後の主枝基準径がTLR予測因子として最も重要であると結論した。