高リスクの患者への血管内皮前駆細胞捕捉ステントの留置で、1年以上の安全性と有効性が確認された。前向きの臨床試験の結果で、イタリアCampus Bio-Medico UniversityのGiuseppe Patti氏らが3月29日、米国心臓学会で発表した。

 Patti氏らが使用したのは、Genous R-ステントTM。ステンレス製の冠状動脈用ステントで循環内皮前駆細胞(EPCs)表面抗原に特異的な抗体で覆われており、デバイス上に融合性の機能的内皮層を形成し促進するよう設計されている。ステント血栓症と再狭窄の両方を妨げると期待されていた。

 Campus Bio-Medico Universityで、2005年11月から2007年3月までに80人の患者に93のEPC捕捉ステントを留置した。患者は、それぞれ2つ以上の高リスク症状を呈していた。高リスクとは、糖尿病(33%)、不安定冠症候群(73%)、左室機能障害(8%)、多枝インターベンション(9%)、B2/C病変(56%)だった。

 ステント留置は、80人中79人の患者で成功した(98%)。術後のQ-波心筋梗塞(MI)、院内死亡、緊急バイパス手術は1例もなかった。急性または亜急性ステント血栓症がみられた患者もいなかった。

 78人の患者で、平均14±4カ月のフォローアップが行われた。その結果、非心臓死と急性心筋梗塞がそれぞれ1人あったほか、バイパス手術が必要な患者はいなかった。また、10人(13%)が経皮標的病変血行再建術(TLR)を受け、3人(4%)が非標的血管インターベンションを受けた。Kaplan-Meyer life-table分析によると、イベントフリー生存率は86%、TLRフリー生存率は90%となった。

 この結果から、EPC捕捉ステント留置は、直後および中期ともステント血栓症もなく満足できる結果が得られ、安全で有効であることが確認された。ただしPatti氏らは、従来の薬剤溶出ステントや金属ステントにとって替わる有望な方法であるかについては、より大規模な無作為化試験が必要であると指摘した。