学会開催の幕は「変化の風」に揺れるか

 3月29日、第57回米国心臓学会・学術集会(ACC2008)が快晴のシカゴで開幕した。初日に発行された「Scientific Session News」のタイトルは、「Winds of change blow in to conference」。心臓病学における「変化の風」を巻き起こそうとする主催者の意気込みが伝わってくる。最低気温が0℃と冷え込んだ朝。ミシガン湖に吹き降ろす凍てつくような風の中で、会場となったマコーミックプレイスでは熱い議論が始まった。

 ACCは、米国の心臓病関連の学会では最も大きい会議の1つで、4月1日までの4日間に米国をはじめ欧州、アジアなどから約3万人が参加する。

初日に発行された「Scientific Session News」

 今年は、心血管造影・インターベンション協会(SCAI;the Society for Cardiovascular Angiography and Interventions)の学術集会との初めての同時開催となり、例年3.5日だった開催期間は4日間に拡大した。ACCはすでに2006年から、SCAIとの共催で「i2(innovation in intervention)summit」を開催してきた。今回は、SCAIの年次集会とi2summitを新たに「SCAI-ACCi2」として展開し、薬剤溶出ステントなどインターベンション治療に関する演題を集約することで議論の充実を目指す。このため、1日目は「インターベンション」がプログラムの柱となった。

 ACC2008の会長を務めるJames T. Dove氏は、挨拶の中でまっさきにSCAI-ACCi2を取り上げ、インターベンション治療に関わる専門家にとって意義深いプログラムになると強調した。

学会会場のマコーミックプレイス

 SCAI-ACCi2以外にも特筆すべき点は多い。学会の目玉であるLate-Breaking Clinical Trialの充実振りもその1つ。大会の3日目と4日目には、ONTARGETACCOMPLISHHYVETやASTEROID、PERISCOPE、STRADIVARIUSなどといった大規模臨床試験の発表が予定されている。いわゆる「head-to-head」の比較試験もあり、その成果が注目される。

 このほか性差に着目した演題、学童や若年者の心臓病に関する発表も目立ち、心臓病患者とインフルエンザワクチンの関係についての研究など注目すべきプログラムは目白押しだ。

シカゴのオヘア国際空港 うっすらと積もった雪が迎えてくれた(3月28日朝撮影)

 1つ残念な点を挙げるなら、日本循環器学会の学術集会と重なった点であろうか。日本からの「変化の風」を発信するため、最高気温15℃の福岡から5℃のシカゴへと学会掛け持ちの専門家も多いに違いない。シカゴは、30日からは冷たい雨となる予報が出ている。防雨・防寒対策を忘れないでいただきたい。