4月16日、17日と熊本市の被災地に入り、状況把握を行った日本薬剤師会相談役の漆畑稔氏は、現場の印象について本誌に次のように語った。


写真提供:伊藤裕子氏(大分県薬剤師会)

 九州の薬局グループからの相談を受けて、今後の対応や支援の方法を検討するため、4月16日、17日と熊本市の被災地を回った。16日、新幹線で東京から博多に行き、車で熊本に向かった。博多から熊本まで陸路で5、6時間かかった。

 私は、阪神・淡路大震災の時には震災の3日後に現地入りした。東日本大震災の時には震災の翌日に宮城県に入った。それぞれの印象はまったく違うが、直下型で津波がない分、熊本地震の状況は阪神・淡路大震災の時に似ていると感じた。

 5年前の東日本大震災の時と決定的に違うのは、医薬品卸の機能が生きていて、薬は現地に十分あるということだ。余震の状況にもよるが、医師、薬剤師などの医療支援が適切に入れば、薬の供給不足で苦しんだ東日本大震災の時のようにはならないだろう。陸路がなんとか使える点も、流通の面で大きい。

 ただ、深刻だと思ったのは水だ。飲料水はもちろん、消毒薬などの希釈にも水は必要になる。水の供給は被災地支援のポイントとなろう。

 日本薬剤師会も14日の地震直後から災害対策本部を立ち上げ、役員を現地に派遣して状況確認するなど、積極的な対応・支援に動き出している。大分県薬剤師会からは、同会所有のモバイルファーマシー(災害時対応医薬品供給車両)が益城町の医療救護所へ出動した。また、広島県薬剤師会、和歌山県薬剤師会が所有するモバイルファーマシーも現地に向かったと聞いている。

 阪神・淡路大震災、東日本大震災で、日本の各団体の医療支援のノウハウはある程度蓄積されてきた。これからは避難所での医療支援に軸足が移っていくが、それらが生かされればと思う。(談)