レセプトコンピュータ(レセコン)は、今や薬局になくてはならない重要なツールとなっています。藥袋の発行、薬剤情報提供文書の印刷などは当たり前にこなし、それらにとどまらず、多くの周辺機器と連動し、我々の業務を支援してくれます。

 ただ、本質的な部分に立ち返ると、レセコンは調剤報酬を計算するためのものです。日常の業務の中で、我々はそういった意識をどの程度持っているでしょうか。受け付けた処方せんの内容の入力から領収書を出すまで、ほぼルーチンワークとなっていないでしょうか。大きな薬局になれば、薬剤師は保険請求業務にまったく関わらないところもあるでしょう。

 確かに日々の業務は、レセコンによって支えられている部分は小さくありません。ただ大きな問題は、レセコンへの入力で調剤報酬の計算がすべて完結してしまうため、調剤報酬の中身がブラックボックス化してしまっている恐れがあるということです。

 例えば、調剤基本料は何点なのか、後発医薬品調剤体制加算の有無で点数はどう変わるか、7日分の調剤料は何点なのか、4週間の一包化を行った際の算定根拠は何か──など、調剤報酬を理解していなくても業務をこなせるようになっているのです。

 そういったことを知らなくても、レセコンの所定の欄に処方日数を入れれば調剤料が計算されますし、一包化を算定する際にはどこをクリックするかを覚えておけば用は済んでしまうのが現状です。レセコンの操作方法さえ習得していれば、差し障りなく調剤報酬が計算できてしまうと言っても過言ではないでしょう。

 しかしレセコンの操作方法を理解することは、調剤報酬を理解することとは違います。サッカーのテレビゲームをいくらやり込んでも、実際にサッカー選手の動きを理解できるわけではありません。調剤報酬を理解せずに業務に当たるのは、それと似ています(テレビゲームが悪いと言っているのでは、もちろんありません!)。

 では実際に手計算で報酬を計算すればいいのか、と言えばそれも非現実的ですよね。レセコン抜きで業務を行えば、すぐにパンクしてしまうのは目に見えています。

 ならば、我々は少なくとも、調剤報酬の仕組みについて理解することが必要ではないでしょうか。調剤報酬について、実際の業務と結びつけ、その根拠となる部分をしっかりと確認することが肝要です。そして一部負担金について患者さんに聞かれた際に、その中身を説明できるだけの知識を持つべきでしょう。

 また、仕組みを理解しておけば、調剤報酬と業務内容とのズレを感じた場合に、国に対して声を上げることもできます。調剤報酬の中身を知らないようでは、自分の仕事が割に合っているのかすらわからないのです。

 「保険請求業務に関わらないことが美徳」との考え方もあるようですが、我々は保険調剤をやっているわけですし、きちんと調剤報酬について理解しておくべきだと思います。