頭蓋内動脈狭窄に対するインターベンション(バルーンカテーテルによる血管形成術ステント留置、percutaneous transluminal angioplasty and stenting:PTAS)は、強化薬物療法のみに比べ、PTAS後30日以内の脳卒中発症リスクを高めることが分かった。一方、薬物療法群のイベント発生は、予想よりも少なかった。医師主導で行われたSAMMPRIS(Stenting and Aggressive Medical Management for Preventing Recurrent stroke in Intracranial Stenosis)試験の結果で、N Engl J Med誌オンライン版に9月7日、発表された。

 本試験ではPTAS群における周術期の脳卒中と死亡リスク増加に対する懸念から、試験のデータ安全性モニタリング委員会は2011年4月、登録の早期中止を勧告した。ただし登録済みの患者の経過観察は継続することとした。

 SAMMPRISは米国の50施設が参加。米国国立神経疾患・脳卒中研究所(NINDS)が資金を提供し、米国Stryker社(前Boston Scientific Neurovascular社)がデバイスを提供した。

 対象は、登録前の30日以内に一過性脳虚血発作(TIA)または後遺症のない脳卒中(nondisabling stroke)を経験し、血管造影で主要な頭蓋内動脈に70〜99%の狭窄を認める患者とした。これをPTAS群と薬物療法群にランダムに割り付けたが、いずれの群にも強化薬物療法として、アスピリン325mg/日、クロピドグレル75mg/日(登録後90日間)を投与し、高血圧や糖尿病などの危険因子に対する治療、および生活習慣改善プログラムを実施した。

 PTAS群には薬物療法に加え、GatewayバルーンカテーテルとWingspanステントシステムを用いてPTASを行った。PTASは経験豊富な脳神経インターベンション医が、ランダム化から3診療日以内に実施することとした。クロピドグレル75mg/日を最低5日前から投与していなかった場合は、6〜24時間前に600mgを投与した。

 1次エンドポイントは、登録から30日以内に発生した評価対象部位の脳卒中、死亡、PTAS群における症候性再狭窄による血管形成術、薬物療法群におけるステント留置、および30日超の追跡期間中に発生した対象部位の虚血性脳卒中とした。

 追跡期間は2年の予定で、薬物療法群での1次エンドポイントの発生は24.7%と推定。また統計学的検出力80%でPTAS群が35%の相対リスク低下を示すためには、各群382例の症例数が必要であると算出されていた。

 しかし、451例(PTAS群224例 vs. 薬物療法群227例)のランダム化を行った時点で、試験のデータ安全性モニタリング委員会から勧告を受け、登録を中止した。