A 疫学・診断
1.疫学
2.病理
3.臨床症状
4.診断・ステージング
B 治療
1.Stage 0 に対する治療
2.Stage I に対する治療
3.Stage II、III(T4 を除く)に対する治療
4.Stage III(T4)、IV(M1Lym)に対する治療
5.Stage IV に対する治療
文献

1.疫学

1)罹患数・死亡数

わが国における食道がん罹患数(2005年)は男性1万4818人、女性2678人である。死亡数(2009年)は男性9908人、女性1805人であり、全がん死亡の3.4%を占める。男性が圧倒的に多く、全がん死亡に占める割合は55-69歳でピークに達する。年齢階級別罹患率・死亡率は40歳代後半から高齢になるにつれて増加する。近年、罹患率は男性では50-84歳で増加、女性では70-79歳で減少している。死亡率は近年大きな変化はない。

世界全体では2008年度の食道がん死亡数は約40万6800人とされる。発症率には大きな地域差があり、発症率が最も高い北アフリカ、東アフリカ、東アジアと、発症率が最も低い西アフリカ、中部アフリカ、中部アメリカを比べると16倍の差があるとされる[1]。

2)リスク因子

主なリスク因子として、扁平上皮癌では喫煙と飲酒、腺癌ではバレット食道、肥満、喫煙、胃食道逆流症があげられる。

2.病理

わが国で集計された第3回食道がん全国登録では、全食道がん中の92%を扁平上皮癌が占めていた。一方、欧米でも1960年代までは扁平上皮癌が食道がんの90%以上を占めており、腺癌はまれで食道がんにおける存在を疑問視する見方もあった。しかしながらこの20年の間に欧米における食道腺癌の発生は劇的に増え、扁平上皮癌と肩を並べるほどになった。これは肥満と食道炎の増加が原因ともされている。扁平上皮癌は腺癌に比して、予後不良とされる[2, 3, 4, 5, 6]。

扁平上皮癌、腺癌以外にも、まれな組織型として癌肉腫や内分泌細胞癌などがある。

3.臨床症状

組織型にかかわらず、筋層以深に及ぶ食道がんの臨床症状は、体重減少を伴う通過・嚥下障害が多い。嚥下障害は食道の内腔が直径13 mm以下になった場合に自覚するとされる。嚥下障害に伴う咳嗽や肺炎を呈することもある。体重減少は嚥下困難、食事習慣の変化、原病による食欲低下による。早期の場合には無症状の場合も多い。Comprehensive Registry of Esophageal Cancer in Japan 2002によると、粘膜下層(T1b)までの病変は59%が症状はなく、検診や他疾患のための検査などで発見されている。進行すれば食道気管支瘻など、多臓器浸潤による症状を呈することもある。

4.診断・ステージング

わが国では内視鏡による早期診断技術が進歩しており、食道がんの早期発見・早期治療が進んでいる。一方欧米では、組織型によらず、食道がんの半数以上は局所進行もしくは転移を有する状態で発見されることが多い。食道がんの生存率は発見時のステージと適切な治療に相関するため、適切なステージングとそれに基づく治療選択が重要である。ステージにより、緩和的治療、化学放射線療法、手術療法、内視鏡的治療などが選択される。

1)存在診断

上部消化管造影検査:存在診断、病変の広がりを判定するのに適している。しかし、早期診断、特に粘膜がんの拾い上げは困難であり、内視鏡による検診にとって代わられつつあるのが現状である。

上部消化管内視鏡検査:近年の内視鏡機器の開発には著しい進歩があり、早期食道がんの発見に大きく寄与している。ただし、注意深い観察を怠ると見逃してしまう危険性がある。わずかな異常を疑った場合、アルコール多飲・喫煙などのハイリスク患者の場合などでは、積極的なヨード染色が重要である。特殊内視鏡として、NBI(Narrow Band Imaging)やFICE(Fuji Intelligent Color EnhancementもしくはFlexible Spectral Imaging Color Enhancement)[7]が開発され、ヨード染色に代わるスクリーニング検査として普及しつつある。NBIは、通常光観察との前向き比較試験で良好な成績が得られたことがわが国より報告されている[8]。ヨード染色との比較を行った大規模な比較試験の報告はないが、少数例の検討ではNBIの有用性が示唆されている[9]。一方FICEは、大腸腺腫のスクリーニングにおける有用性は前向き試験で否定されている[10]。

2)染色

上記のNBIやFICEが普及しその効果が検証されつつあるが、依然として食道がんの診断におけるルゴール染色の有用性は揺るぐことがない。正常の食道扁平上皮に存在するグリコーゲン顆粒がヨードと反応することで茶色に染まり、グリコーゲン顆粒が消失したがんの部位では不染帯を呈する。

3)生検

内視鏡により食道がんを疑った場合、最終的には生検による組織診で診断を確定する。古い海外の報告では、7か所まではできる限り多くの部位を生検すれば診断能が上がるとする報告がある(診断確定率:生検部位1か所の場合 93%、4か所の場合 95%、7か所の場合 98%)[11]。さらに擦過細胞診を加えることで、診断率は100%に達するとされる。

4)画像診断

食道がんの診断が確定したら、一般的にはCTを撮影し原発巣の進展の程度や遠隔転移の有無を検索することになる。しかしながら、CTは原発巣の深達度を正確に評価することには不向きである。原発巣の深達度をより正確に評価する目的でEUSを行う。EUSは浸潤性食道がんの局所進展を最も正確に評価できる。EUSのTステージ、Nステージの正診率は80-90%とされている[12, 13]。遠隔転移の検出精度はPETが最も高いとされる[14, 15]。PETにより根治を目指した過剰な手術を避けることができるとする報告もある。

5)病期分類(ステージング)(UICC第7版、2009)

[ポイント]
・Stage 0は粘膜癌(m2まで)であり、原則的には内視鏡的切除の適応。
・Stage I、IIAはリンパ節転移のない症例で、固有筋層まで達するか否かで分ける。
・Stage IIBはリンパ節転移がある場合。
・Stage IIIは外膜浸潤とリンパ節転移が両方ある場合、もしくは他臓器浸潤がある場合。根治的切除の適応は、Stage III(T4除く)まで。
・Stage IVは遠隔転移を伴う場合。

(1)TNM分類

(2)解剖学的病期分類

(3)予後グループ分類

(*クリックすると拡大表示します)

6)組織型(扁平上皮癌と腺癌)

これまでの臨床試験では、扁平上皮癌と腺癌を厳密に区別したものはほとんどない。しかしながらいくつかのエビデンスにより、両者の病因や疫学、バイオロジー、予後の差異が示されている。扁平上皮癌はたばこやアルコールが危険因子とされている。腺癌は胃食道逆流症との関連が示唆されており、背景にバレット上皮がかかわっているとされる。欧米では最近20年で、食道がんに占める腺癌の割合が増えており、肥満人口の増加に伴う胃食道逆流症増加との関連が示唆されている[2, 3, 16]。

最近の報告の多くでは、扁平上皮癌よりも腺癌のほうが予後がよいとされている。その理由として、扁平上皮癌に比して、バレット上皮由来のがんはリンパ節転移の頻度が低いことなどが示唆されている[2, 4]。

いずれにせよ、食道の扁平上皮癌と腺癌は病因や疫学、バイオロジー、転帰の異なる疾患群であると考えるのが自然である。将来の臨床試験においては、これらは別個に解析・報告されるべきであろう。日本では食道がんに占める扁平上皮癌の比率が高いため、これまでの臨床試験を解釈する際、また海外の臨床試験を解釈する際には、その点を考慮すべきである。

1.Stage 0に対する治療

Stage 0の症例は、日本の食道がん取扱い規約におけるT1a-EP(粘膜層)までの症例であり、内視鏡的治療の絶対的適応である。

内視鏡的治療には、内視鏡的粘膜切除術(endoscopic mucosal resection: EMR)と内視鏡的粘膜下層剥離術(endoscopic submucosal dissection: ESD)の方法がある。EMRは病変粘膜を把持もしくは吸引し、スネアにより切除を行う方法である。ESDはITナイフやHookナイフといった器具を用いて広範囲の病変の一括切除が可能な方法である。ESDは大きな病変でも一括切除できるため、完全切除には有用であるとされる。

内視鏡的治療は、当然のことながら原発巣のみを最小限に切除する[2]超局所的な治療法である。具体的には、周囲リンパ節への転移の有無がその適応を左右する。リンパ節転移の頻度は原発巣の深達度に相関することが知られている。壁深達度がT1aまでの病変のうち、粘膜層(EP)もしくは粘膜固有層(LPM)までの病変では、リンパ節転移はきわめてまれ(5%以下)と報告されており、これにより十分な根治性が得られる[17]。

食道がん内視鏡治療の合併症としては、穿孔1.3%、出血2.2%、狭窄4.0%の報告がある。また、粘膜切除が3/4以上に及ぶ場合、切除後の瘢痕狭窄の発生率が70%に及ぶとされており、十分な説明と予防が必要である。

2.Stage Iに対する治療

1)浅いT1b病変(SM1まで)の場合

外科的切除例を検討した報告によると、pMM(粘膜固有層)、pSM1(粘膜下層上部1/3)、pSM2(粘膜下層中部1/3)、pSM3(粘膜下層下部1/3)症例ではそれぞれ12%、8-27%、22-36%、30%以上、のリンパ節転移を認めていた[18]。

このステージの症例に対して標準治療は外科的切除であるが、内視鏡的切除も相対的な適応とも考えられる。これらの2つの治療をランダム化比較した試験は存在しないが、いくつかの後向き研究では、内視鏡的切除は外科的切除に匹敵する生存率を達成可能であること、合併症や治療関連死の発生率が有意に低いことが示されている[19, 20, 21]。このレベルの病変に対し、現段階では症例を選択して内視鏡的切除を行うことは許容されるが、正確な評価のためにはランダム化比較試験が必要である。

2)深いT1b病変(SM2以深)の場合

粘膜下層に深く入ったもの(T1b)では50%以上にリンパ節転移があり、内視鏡治療を行った場合には、外科治療、化学放射線治療、放射線治療または化学療法などの追加治療を考慮する。

食道がんの治療開発は食道切除術を中心に展開してきた歴史的背景がある。粘膜下層への浸潤を伴うStage I食道がんに対する現時点での標準治療はリンパ節郭清を伴う手術である。しかし食道切除術は侵襲が比較的大きい。Stage Iと診断された場合のリンパ節転移陽性率は3割程度とされ[18]、それがリンパ節郭清を伴う手術を行う根拠であるが、裏を返すとリンパ節転移のない約7割の患者を手術による合併症の危険性にさらしていることになる。

ただし、化学放射線療法においては、放射線による遅発性の有害事象が問題となることが報告されている。Stage I-IVAの症例に対して化学放射線療法を行い完全奏効(CR)となった78人について検討した報告では、16人(20%)にGrade 3以上の遅発性有害事象を認め、8人が死亡に至っている[22]。一方、化学放射線療法を行った115例の長期経過観察を行った別の報告では、領域リンパ節への予防照射を行った群で有意に遅発性有害事象が多く、予防照射の有無で有効性に差を認めなかった。Stage I食道がんに限れば、腫瘍量が少なく照射範囲も比較的狭いため、より進行期の食道がんに対する化学放射線療法と比較して、遅発性有害事象の頻度が低いと考えられ、根治を目指した治療としての有害事象も許容できる可能性がある。

以上より、Stage I食道がんに対する化学放射線療法は、標準治療に匹敵する治療成績を保ちつつ侵襲が少ない治療法としてその地位が確立されつつある。ただし、真の意味で手術療法と化学放射線療法が同等であることを検証するためには、ランダム化比較試験が必要である。

化学放射線療法✚✚[23]

fluorouracil 700 mg/m2 持続静注 day1-4, 29-32

cisplatin 70 mg/m2 点滴静注 day1, 29

放射線療法 2.0 Gy/fr×30回 計 60 Gy day1-5, 8-12, 15-19, 29-33, 36-40, 42-46

3.Stage II、III(T4を除く)に対する治療

この対象に対する標準治療はリンパ節郭清を伴う外科的切除である。しかしながら開胸開腹による手術手技は、生体に与える侵襲としては耐用限界に近く、手術手技による生存期間のこれ以上の延長は困難である。ゆえに、進行食道がんに対する様々な補助療法の開発が行われてきた。

食道がんに対して行われる補助療法には化学療法と放射線療法がある。化学療法は主に微小転移を制御することで全身的な治療効果を達成することを期待したものである。一方、化学放射線療法は放射線照射による局所のコントロールを増大させて治療効果の増強を狙っている。

Stage II、III(T4を除く)に対する治療として、1)術前もしくは術後化学療法、2)術前化学放射線療法、3)根治的化学放射線療法に分けて述べる。

1)術前化学療法

術前化学療法については、手術単独との比較試験がいくつか報告されている。US intergroup 0113試験では、術前化学療法としてフルオロウラシル+シスプラチン(FP)療法を3サイクル施行する群に213人、手術単独群に227人が割り付けされた。その結果、生存期間中央値は14.9か月 vs. 16.1か月(p=0.53)、2年生存率は35% vs. 37%と有意差を認めなかった[24]。一方、802人の切除可能食道がん患者を術前FP療法群と手術単独群に割り付けたMRC-OE2試験の長期追跡結果では、全生存期間のハザード比が0.84(p=0.03)と有意に術前FP療法群で良好な結果であった[25, 26]。わが国おいては手術単独と術前化学療法を直接比較した試験はないが、JCOG9907試験において術後化学療法と比較して術前化学療法が有意に良好な結果を示した[27]。さらに、術前化学療法と手術単独もしくは術前化学放射線療法の比較試験を集めたメタアナリシスにおいて、術前化学療法群全体の手術単独群に対する全生存期間のハザード比は0.87(p=0.005)と報告されており、術前化学療法の有効性が示唆されている[28]。組織型による解析もされており、扁平上皮癌におけるハザード比は0.92(p=0.18)、腺癌におけるハザード比は0.83(p=0.01)であった。術前化学放射線療法群の術前化学療法群に対するハザード比は0.88(p=0.07)と有意差を認めなかった。

以上の結果より、手術単独に比して術前化学療法は有意な生存期間延長効果を示すと考えられるが、その効果はわずかであること、組織型による結果の違い(扁平上皮癌に対する効果は不明瞭)、術前化学放射線療法との優劣は定かではないこと、などが問題点として残っている。日本では食道がんの多くが扁平上皮癌であるため、このメタアナリシスの結果からは術前化学療法の効果は乏しいということになるが、JCOG9907試験の結果を根拠に術前化学療法が行われることが多い。

FP療法 ✚✚[27]

cisplatin 80 mg/m2 点滴静注 day1, 22

fluorouracil 800 mg/m2 持続静注 day1-5, 22-26

2)術前化学放射線療法

術前化学放射線療法についても、その有用性を検証したランダム化比較試験が多数報告されている。そのなかで、手術単独に対して術前化学放射線療法による明らかな予後延長効果を示した研究は2つのみである。Walshらは、術前化学放射線療法群(フルオロウラシル+シスプラチン+40 Gy)55例と手術単独群58例を前向きに比較検討した結果を報告しており、生存期間中央値は術前化学放射線療法群 vs. 手術単独群で16か月 vs. 11か月(p=0.01)と、術前化学放射線療法群で有意に良好であった[29]。しかしながら、この試験の対象はすべて腺癌であった。CALGB9781 studyの結果では、症例集積が進まずに少数例での比較試験となったが、術前化学放射線療法群(フルオロウラシル+シスプラチン+50.4 Gy)26例と手術単独群30例で比較検証された。5年全生存率は術前化学放射線療法群 vs. 手術単独群で39% vs. 16%(p=0.02)と、術前化学放射線療法群で有意に良好であった[30]。この試験においても、対象の75%(42/56例)が腺癌であった。一方、扁平上皮癌を対象にしたBossetらのランダム化比較試験では、術前化学放射線療法群は生存期間の延長はもたらさなかったが、無再発生存期間を有意に改善させた[31]。2007年に報告されたGebskiらのメタアナリシスでは、10のランダム化比較試験をもとにした解析で術前化学放射線療法は手術療法単独に対して有意に生存への寄与が認められた(HR=0.81; 95%CI 0.70-0.93、p=0.002)。また、組織型による解析でも扁平上皮癌、腺癌いずれにおいても有用と考えられた[32]。

以上のように、術前化学放射線療法は手術単独に比して生存に対する上乗せ効果がある程度実証されているが、その問題点として、
・レジメンが一定でないこと
・合併症が多く、完遂率が少ないこと
・術前化学療法と比べてどちらが効果的かについてのデータが乏しく、これについてはいまだに議論の余地があること
などがあげられる。

日本では1988年に切除可能な進行食道がんに対する術前放射線療法の意義は少ないことが報告され[33]、それ以降は術前化学放射線療法の意義を検証したランダム化比較試験は施行されていない。前述のJCOG9907試験の結果に基づき術前化学療法が行われることが多いが、最新の海外のメタアナリシスの結果を考慮すると、術前化学放射線療法についても再度検討すべきかもしれない。

術前化学放射線療法vs. 術前化学療法
補助療法として術前化学療法と術前化学放射線療法を比較したランダム化比較試験が2009年にドイツより報告された。これは食道胃接合部腺癌を対象とした、術前化学療法群59例と術前化学放射線療法群60例の比較試験である。その結果、術前化学放射線療法群において病理学的完全奏効(pCR)率が術前化学療法群に比して有意に高かった(15.6% vs. 2%、p=0.03)。また、観察期間が短く統計学的な有意差は認めなかったものの、3年生存率でも術前化学放射線療法群で良好な傾向が認められた(47.4% vs. 27.7%、p=0.07)[34]。術前化学放射線療法と術前化学療法の直接比較は今後の検討課題である。

3)根治的化学放射線療法

現時点では切除可能なStage II、III食道がんに対する標準治療は、術前化学療法または化学放射線療法+手術とされている。しかし化学放射線療法は臓器温存・機能温存が可能な非外科的治療であるため、外科手術を希望しない症例、何らかの理由で外科手術ができない症例では十分適応となりうる。

(1)RTOG8501

米国Radiation Therapy Oncology Group(RTOG)でのT1-4 N0-1 M0食道がんに対する放射線単独療法(64 Gy)と同時併用化学放射線療法(フルオロウラシル+シスプラチン+50 Gy)のランダム化比較試験(RTOG8501)では、5年生存率が0% vs. 26%(p<0.0001)と化学放射線療法の成績が有意に良好であった[35]。したがって、非外科的治療を行う場合には、化学放射線療法を行うことが強く推奨される。化学療法と放射線療法のタイミングについては、メタアナリシスにより同時併用が順次併用より有意(p<0.0001)に死亡率を下げることが示されている[36]。さらに放射線照射の線量については、標準線量(50.4 Gy)と高線量(64.8 Gy)を比較したランダム化比較試験(RTOG9405/INT0123)で検証された。その結果、高線量群の優越性は認められず、50.4 Gy(1.8 Gy×28回)がフルオロウラシル+シスプラチンと併用する場合の標準線量であると結論している[37]。

(2)JCOG9906

日本における切除可能なStage II、III食道がんに対する根治的化学放射線療法の有効性を検証するため、JCOG食道がんグループにより「Stage II、III進行食道がんに対する放射線化学療法同時併用療法の第II相臨床試験」が計画・実施された。本試験では、フルオロウラシル400 mg/m2 day1-5, 8-12+シスプラチン40 mg/m2 day1,8+放射線療法2 Gy/日 day1-5, 8-12, 15-19 5週毎2サイクルの後、フルオロウラシル800 mg/m2 day1-5+シスプラチン80 mg/m2 day1 4週毎 2サイクルが行われた。

2000年4月-2002年3月までに12施設より76例が登録された。主要評価項目は完全奏効割合とされた。2例が不適格症例であったため74例で解析が行われた。完全奏効割合は62%、3年生存割合は45%、5年生存割合は37%であった。この成績は同時期に同じ対象に対して行われたJCOG9907の術前化学療法+手術群の3年生存割合である63%に比して低く、さらなる治療開発の必要性が示唆された[38]。

JCOG9906の結果からは、化学放射線療法でも長期生存を得る可能性が示唆されたが、遅発性有害事象やサルベージ手術の必要性などの問題点が浮き彫りとなった。そこで、米国のRTOG方式に則り、JCOG9906より少ない線量(50.4 Gy)、多門照射を用いることで縮小した照射野、を用いる化学放射線療法が検証されつつある[39]。

JCOG9906レジメン ✚✚[38]

fluorouracil 800 mg/m2 持続静注 day1-5, 8-12

cisplatin 40 mg/m2 点滴静注 day 1, 8

放射線療法 2.0 Gy/fr×30回 計 60 Gy day1-5, 8-12, 15-19

5週毎 2サイクル

奏効例にはFP療法(800/80)追加

cisplatin 80 mg/m2 day1, 22

fluorouracil 800 mg/m2 day1-5, 22-26

RTOGレジメン✚✚[35]

fluorouracil 1000 mg/m2 持続静注 day 1-4, 29-32, 50-53, 71-74

cisplatin 75 mg/m2 点滴静注 day1, 29, 50, 71

放射線療法 2.0 Gy/fr×25回 計 50 Gy day1-5, 8-12, 15-19, 22-26,
29-33

mRTOG、JCOG0909レジメン ✚✚[37]

fluorouracil 1000 mg/m2 持続静注 day1-4, 29-32

cisplatin 75 mg/m2 点滴静注 day1, 29

放射線療法 1.8 Gy/fr×28回 計 50.4 Gy day1-5, 8-12, 15-19, 22-26, 29-33, 36-38

奏効例にはFP療法(1000/75)追加

cisplatin 75 mg/m2 day1, 29

fluorouracil 1000 mg/m2 day1-4, 29-32

4.Stage III(T4)、IV(M1Lym)に対する治療

この対象に対する手術単独治療の成績は不良である。よってそれを上回る結果を示した、T4症例まで対象に含めた前述のRTOG8501の結果や、T4ないしM1Lym(所属リンパ節以外の遠隔リンパ節移転を有するが、他臓器への遠隔転移を有さない状態)食道がんを対象に行われたJCOG9516の結果により、この対象に対する標準的療法は化学放射線療法である。ただし治療に対する反応など、個々の状況によっては切除を目指した治療や緩和治療が主体となりうる。

5.Stage IVに対する治療

この対象は現時点では根治が目指せないため、原則として延命を期待した緩和的な化学療法が適応となる。化学療法の効果とリスクのバランスと患者の希望や考え方を十分に検討し、実施に値すると判断した場合に化学療法を行うこととなる。その判断には、背景まで含めた個々の患者の状況も加味する必要がある。根治が目指せない以上は残された時間には限りがあるため、化学療法を行うことによりその時間の大半を副作用対策に費やしてしまうようなことがあってはならない。

治療という観点からは化学療法だけではなく、よりよい時間を過ごしていただくための「症状緩和」の治療も非常に重要である。緩和治療は決して末期の治療ではなく、がんと診断されてからは早期から並行して行っていくべき治療であり、その点を患者にも説明しておくべきである。早期の緩和治療導入が予後を延長するという報告も出ており[40]、適切な緩和治療は非常に重要である。

以下、転移性食道がんに対する化学療法に関して述べる。

1)単剤の効果

1970-90年代までにフルオロウラシルやマイトマイシンC、ビンデシン、ブレオマイシン、メトトレキサート、エトポシド、シスプラチン、ドキソルビシンなどの単剤の効果が検証されている。いずれも奏効率10-30%、効果持続期間は6か月以下という結果であった。さらに、生存期間の延長効果は認められていない[41]。

1990年から2000年にかけてパクリタキセル、ドセタキセル、イリノテカン、ビノレルビンなどの効果が検証された。当時としては新たに登場した新しい世代の抗がん剤であった。それ以前の化学療法と比べるとわずかに高い奏効であったが、やはり生存期間延長に寄与するデータは得られなかった。ドセタキセル、パクリタキセルについては第II相試験で検証されている。ドセタキセルの検証では49人の患者(主に扁平上皮癌)に対してドセタキセル70 mg/m2が3週毎に投与され、奏効率は20%、生存期間中央値は8.1か月、発熱性好中球減少症発生率は18%であった[42]。パクリタキセルについてはプラチナ耐性患者52人で効果が検証されており、奏効率44.2%(完全奏効7%)、生存期間中央値は10.4か月であった[43]。

docetaxel療法 ✚✚[42]

docetaxel 70 mg/m2 静注 day1 3週毎

weekly paclitaxel療法 ✚✚[43]

paclitaxel 100 mg/m2 静注 day1, 8, 15, 22, 29, 36 7週毎

2)併用療法での効果

単剤での効果が不良であることから、基礎レベルでの相乗効果[44]などのデータを基に、シスプラチンを中心に開発が進められてきた。

欧米では1980年代後半より、シスプラチンと併用する薬剤として、ブレオマイシン、ビノレルビン、エトポシドなどが検証され、奏効率は15-53%、生存期間中央値は3.2-9.8か月であった。そのなかで、フルオロウラシル+シスプラチン療法が比較的安全、かつ奏効割合35-72%と抗腫瘍効果の高い治療法として標準治療とみなされている[45, 46, 47, 48, 49]。転移性食道がんに対してベルギーで行われたランダム化比較第II相試験では、シスプラチン単剤療法とフルオロウラシル+シスプラチン療法が比較された。88人の転移性食道扁平上皮癌患者が対象とされ、奏効率はシスプラチン群19%、フルオロウラシル+シスプラチン群35%と併用群で良好であった。生存期間中央値や1年生存率には差を認めなかった[49]。日本で行われたFP療法の第II相試験では、39人の扁平上皮癌の患者を対象にシスプラチン70 mg/m2 day1フルオロウラシル700 mg/m2 day1-5の3週毎投与が行われ、奏効率は35.9%、平均奏効期間は3.5か月であった[47]。

FP療法 ✚✚[47]

cisplatin 80 mg/m2 点滴静注 day1

fluorouracil 800 mg/m2 持続静注 day1-5

4週毎

3)3剤併用療法

胃がんや頭頸部がんの初回導入化学療法において、シスプラチン+フルオロウラシル療法にドセタキセルを加えた3剤併用療法を行うことで生存期間の延長効果を示したとする報告がされている[50, 51, 52]。3剤併用による毒性の増強などの問題はあるが、FP療法が標準治療とされる食道がんにおいても効果増強の可能性が期待されている。

現在、JCOG食道がんグループでは、切除不能進行・再発食道がん症例に対するシスプラチン+フルオロウラシル+ドセタキセル(DCF)療法の安全性と有効性を検証する臨床第I/II相試験(JCOG0807)を実施中である。

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