A 化学療法による嘔気・嘔吐
1.化学療法による嘔気・嘔吐とは
2.化学療法による嘔気・嘔吐の分類と発生機序
3.生理活性物質と制吐療法の歴史
4.制吐剤の種類
5.治療の実際
B 放射線治療による嘔気・嘔吐
1.放射線治療による嘔気・嘔吐とは
2.治療薬
3.リスク分類に応じた治療
4.化学放射線療法について
文献

がん診療において化学療法や放射線治療は重要な位置を占め、術前・術後や根治的治療、緩和的治療に至るまで、あらゆる場面で治療手段として利用されている。しかし、治療を進めていくなかで、治療に伴う有害事象により治療の遂行が妨げられ、患者の生活の質(quality of life: QOL)が落ちるという事態にしばしば遭遇する。なかでも治療に伴う嘔気・嘔吐は患者が最も恐れる有害事象のひとつであり、このマネジメントを適切に行うことは、治療を適切に続けていくうえで重要である。本稿においては主に「化学療法による嘔気・嘔吐」および「放射線治療による嘔気・嘔吐」を取り上げ、概説する。緩和ケアにおける消化器症状のマネジメントについては第VIII章 「7.症状マネジメント(疼痛以外)」を参照されたい。

1.化学療法による嘔気・嘔吐とは

化学療法による嘔気・嘔吐(chemotherapy-induced nausea and vomiting: CINV)は、抗がん剤投与に伴う非血液学的毒性で、患者が最も恐れる有害事象のひとつである。がん患者においては、手術やオピオイド、放射線治療なども嘔気・嘔吐の原因になるが、CINVはなかでも重篤でQOLを損なうことが多い。1983年に発表されたCoatesらの調査[1]では、がん化学療法に伴う有害事象の苦痛で嘔吐は第1位、嘔気は第2位であった。その当時から比べれば薬剤や治療法も進歩したとはいえ、CINVはいまだにマネジメントに注意すべき有害事象のひとつとして重要である。

2.化学療法による嘔気・嘔吐の分類と発生機序

1)分類

CINVは大きく(1)急性嘔吐、(2)遅発性嘔吐、(3)予期性嘔吐に分類される[2]。

(1)急性嘔吐:化学療法後24時間未満で出現する嘔気・嘔吐。多くは、化学療法の1-2時間後に始まり、4-6時間後にピークになる。

(2)遅発性嘔吐:化学療法後24時間以上経過してから出現する嘔気・嘔吐。

(3)予期性嘔吐:前サイクルで強い嘔気や嘔吐があった場合に、治療開始前に出現する嘔気・嘔吐。

2)発生機序

CINVに関与する臓器は中枢および末梢神経、消化管など様々であるが、なかでも延髄に存在する嘔吐中枢(vomiting center: VC)と第四脳室底の最後野(area postrema: AP)が重要な役割を果たしている[2]。VCは、延髄に存在する嘔吐反射を司る受容体や運動核の集合体であるが、解剖学的にははっきりしない。一方、APには嘔吐中枢と関連する化学受容体トリガーゾーン(chemoreceptor trigger zone: CTZ)があり、CTZは血液脳関門の外側で体循環にさらされた状態にある。CTZは、ムスカリン、セロトニン(5-hydroxytryptamine: 5HT)、ドパミン、ニューロキニン-1(neurokinin-1: NK1)、ヒスタミンなどの受容体を有し、抗がん剤の代謝物や腸管由来のペプチドに反応することで、嘔吐中枢へ信号を送り、嘔吐を誘発すると考えられている[2, 3, 4]。

また、抗がん剤が消化管へ作用することで、腸内分泌細胞からセロトニン、サブスタンスP、コレシストキニンなど様々なメディエーターが放出される。これら消化管からの催吐信号は迷走神経求心路と求心性内臓神経を介して、最後野深層の孤束核へ伝えられる。メディエーターのうち最も重要な役割を果たすのがセロトニンと考えられており、この迷走神経を介した経路が急性嘔吐を引き起こす一番の原因と考えられている[2]。

3.生理活性物質と制吐療法の歴史

30以上の生理活性物質がCINVに関与しているが、そのうちドパミン、セロトニン、サブスタンスPの3つが、臨床上最も重要であり、制吐剤もこれらの働きをいかに抑えるかということを中心に開発されてきた[5]。

1980年代まではドパミンD2受容体に焦点が合わせられ、フェノチアジン(メトクロプラミドなど)やブチノフェロン(ハロペリドール、ドロペリドールなど)が主として用いられ、高用量メトクロプラミド療法などが主に行われていた[6, 7]。

1980年代になるとコルチコステロイド、特にデキサメタゾンの効果が報告され[8]、また、メトクロプラミド単独で治療するよりもデキサメタゾン+メトクロプラミド併用療法のほうが、嘔気・嘔吐を抑制する作用をもつことが示唆された[9]。

また、1980年代後半には、基礎研究にてCINVにセロトニンが関与することが明らかとなり、セロトニン受容体のなかでも特に5HT3受容体はAPや孤束核、求心性迷走神経に分布し、化学療法による急性嘔吐に重要な役割を果たすことが明らかとなった[10, 11, 12]。これらの研究により、1990年代に5HT3受容体拮抗薬が開発され[13]、CINVの治療薬として重要な位置を占めることとなった(詳細は後述)。

サブスタンスPはCINVに関与する物質として1990年代から注目され始めた。サブスタンスPはneurokinin-1(NK1)受容体に結合する物質であるが、NK1受容体はAPや孤束核、消化管に分布しており、嘔吐に関与している[14, 15]。NK1受容体拮抗薬は動物実験においても様々な催吐刺激に対する制吐作用が明らかとなり[16, 17, 18]、製品として開発されたアプレピタントはヒトに対する第III相試験においても、遅発性嘔吐を抑制できることが示された[19, 20]。2009年には日本においてもアプレピタントが、2011年にはアプレピタントのプロドラッグで注射剤であるホスアプレピタントが保険承認され、使用可能となっている。

4.制吐剤の種類

1)5HT3受容体拮抗薬

5HT3受容体拮抗薬は、現在においてCINVの予防に最も重要な役割を果たす薬剤のひとつである。

(1)メトクロプラミド+デキサメタゾンに対する比較試験

いくつかのランダム化比較試験において、5HT3受容体拮抗薬とデキサメタゾンの併用により、急性の嘔気・嘔吐に対してそれまで標準的に用いられていたメトクロプラミド+デキサメタゾンと比較して優れた制吐作用を有することが明らかとなった[21, 22, 23]。シスプラチン投与下において、嘔吐完全抑制割合はメトクロプラミド+デキサメタゾン群では35-44%であったのに対し、5HT3受容体拮抗薬+デキサメタゾン群では46-55%と有意に高い効果を示した。また、シスプラチン以外の化学療法剤を使用した試験のメタアナリシスにおいても、その高い効果が証明されている[24]。

(2)5HT3受容体拮抗薬の種類(第一世代薬)

日本では第一世代の5HT3受容体拮抗薬としてラモセトロン、グラニセトロン、オンダンセトロン、トロピセトロン、アザセトロンがあり、第二世代としてパロノセトロンが2010年に保険承認された。

第一世代の薬剤は、いくつかのメタアナリシスにおいて制吐作用としてはどの薬剤もほぼ同等と示されており、どの薬剤を用いても問題はないと考えられる[25, 26, 27, 28]。また、経口および注射剤においても、その制吐効果は同等と考えられており、またグラニセトロンにおいては経皮吸収剤が開発され、安全性および経口剤との非劣性が示されている[2, 28, 29]。

日本においてはグラニセトロンを用いる際に3 mgの注射剤での投与が一般的であったが、海外においては1 mgを上限とすることが推奨されており[28]、日本と海外にて差がある部分であった。しかし2009年に、グラニセトロン3 mgと1 mgとのランダム化比較試験において1 mgの非劣性が証明され[30, 31]、以後は静注では海外と同様1 mgの投与が広まりつつある。

(3)5HT3受容体拮抗薬の種類(第二世代薬:パロノセトロン)

上記の第一世代薬は、急性嘔吐と比較して遅発性嘔吐の抑制効果が乏しいことが指摘されていた[32]。そのような第一世代薬に対し、第二世代のパロノセトロンは受容体との親和性が第一世代と比較して高く、半減期が40時間前後と長い特徴をもっている[33]。パロノセトロンについてはいくつかの大規模第III相試験が報告されているが、日本においては、シスプラチンやアントラサイクリン系+シクロホスファミドなど高度催吐性の化学療法を受けた1114例を対象とした、デキサメタゾン併用下におけるパロノセトロンのグラニセトロンとの比較試験が報告されている(PROTECT試験)[34]。この試験ではパロノセトロンのグラニセトロンに対する全期間(0-120時間)および遅発期(24-120時間)における嘔吐完全制御率での優越性が示されている(急性期については非劣性)。海外の報告においても、同様に急性期の嘔吐制御においては第一世代薬とパロノセトロンの同等性が示され、また遅発期ではパロノセトロンにおいて有意に制御率が高いことが示されている[35]。また、パロノセトロンの承認量は海外では0.25 mg、日本においては0.75 mgとなっている。海外におけるランダム化比較試験では、パロノセトロン0.25 mgと0.75 mgの比較において用量における大きな差がみられなかったため0.25 mgが採用されたが[35]、日本においてはPROTECT試験の前に行われた用量設定試験にて、嘔吐完全制御率において0.25 mgと0.75 mgで統計学的な有意差はないものの、遅発期における効果は高い傾向がみられたため、日本では0.75 mgが採用され、保険承認されている[36, 37]。その後、報告されたメタアナリシスにおいては、0.25 mgと0.75 mgにおいて効果では大きな差は認められないが、0.75 mgでは便秘の有害事象が増えることが指摘されている[38]。

5HT3拮抗薬の大きな有害事象は少ないが、軽微なものとしては頭痛、肝酵素上昇、便秘などが認められることがある[2]。

2)NK1受容体拮抗薬

NK1受容体拮抗薬は最も新しいCINV予防に対する薬剤であり、経口薬であるアプレピタントが米国Food and Drug Administration(FDA)では2003年に、日本では2009年に承認され使用可能となった。アプレピタントを用いた比較試験においては、5HT3受容体拮抗薬+デキサメタゾン群では47-52%の嘔吐完全制御割合であったのに対し、アプレピタント+5HT3受
容体拮抗薬+デキサメタゾン群では68-73%と有意に高い効果が示され
た[19, 20]。これらの試験ではアプレピタントは遅発性嘔吐を高率に抑制できることが示されている。また、アプレピタントのプロドラッグであり注射剤であるホスアプレピタントは、アプレピタントに対する非劣性が証明されており[39]、2011年に日本でも承認されている。

3)その他

(1)オランザピン

オランザピンは、非定型抗精神病薬のひとつで、日本においては統合失調症治療薬として承認されている。オランザピンは、マルチレセプターブロッカーとしての働きをもち、セロトニン受容体(5HT2a、5HT2c、5HT3、5HT6)、ドパミン受容体(D1、D2、D3、D4)に加え、交感神経α1受容体、ムスカリン受容体、ヒスタミンH1受容体に拮抗する[40]。そのうち、特にD2受容体および5HT3受容体への作用が嘔気・嘔吐の抑制に関与していると考えられる。シスプラチンやドキソルビシン+シクロホスファミドなど高度催吐性薬剤の投与を受ける患者241人に対するオランザピンとアプレピタントの制吐効果を比較したランダム化比較試験において、急性および遅発性の嘔吐完全制御割合は両群で大きな差は認められず、むしろ遅発性嘔吐ではアプレピタントと比較してよい傾向にあった(オランザピン+パロノセトロン+デキサメタゾンで急性87%、遅発性69%、全体69%に対し、アプレピタント+パロノセトロン+デキサメタゾンで急性87%、遅発性38%、全体38%)[41]。この結果は非常に興味深いものだが、より大規模な試験での検証が必要である。

(2)ベンゾジアゼピン

ベンゾジアゼピンは、もともと弱い制吐作用をもつことが示されていたが[42]、むしろその抗不安効果が一定の状況で非常に有用である。最も一般的に用いられる薬剤はロラゼパムである。これは予期性嘔吐を抑制する効果や、標準的な制吐治療がうまくいかなかった場合に補助的に用いるものとして有用である[2]。

5.治療の実際

1)催吐リスク:抗がん剤のリスク分類と患者側のリスク因子

1997年に、注射剤の抗がん剤について制吐剤の使用がなかった場合にどの程度の頻度で嘔吐が起こるか、という点を基準にして、レベル1-5までの5段階での分類が行われた[43]。この分類は2004年に修正され、現在はこの修正された分類が広く用いられている[44]。このなかで、抗がん剤は4つのカテゴリー、すなわち、

・高度催吐リスク:催吐リスク>90%

・中等度催吐リスク:催吐リスク31-90%

・軽度催吐リスク:催吐リスク10-30%

・最小度催吐リスク:催吐リスク<10%

に、分類されている(表1)。この際、アントラサイクリン系薬剤およびシクロホスファミドは、単剤での使用は中等度催吐リスクに分類されるものの、両者の併用レジメンで使用する場合には高度催吐リスクとして扱うことに注意が必要である[28]。

また、CINVのリスク因子のうち、患者側の要因として、女性、若年者、以前に化学療法後嘔吐の既往があることなどがあげられている[45, 46, 47, 48, 49]。逆に、過去のアルコール消費量が多い患者ではCINVのリスクは低下する[47, 48]。

2)各リスク別の治療

以下、American Society of Clinical Oncology(ASCO)のガイドライン[28]の内容に準拠して述べる。各治療レジメンの根拠となる臨床試験については前項「4.制吐剤の種類」を参照されたい。また、各制吐剤の用量について表2に示す。

(1)高度催吐リスク

NK1受容体拮抗薬(aprepitant day1-3またはfosaprepitant day1)

+ 5HT3受容体拮抗薬 day1

+ dexamethasone day1-3またはday1-4 ✚✚✚[28]

この際、5HT3受容体拮抗薬については、第一世代薬、第二世代薬どちらを使用してもよい。高度催吐リスクの薬剤を投与する場合、NK1受容体拮抗薬を併用した場合にパロノセトロンが第一世代薬と比較して優れた制吐作用をもつかどうかはこれまで検証されていなかったが、日本においてアプレピタント併用下でのパロノセトロンとグラニセトロンとのランダム化比較試験(TRIPLE trial)が行われ、主要評価項目である嘔吐完全抑制率こそ有意差を示すことができなかったものの、副次評価項目である遅発性嘔吐の抑制においてパロノセトロン群が有意に優れているとの結果が報告された[50]。この結果をもって、全例にパロノセトロンを優先すべき、とは言い切れないが、選択肢として考慮すべきである。

(2)中等度催吐リスク

palonosetron day1 + dexamethasone day1-3✚✚✚[28]

パロノセトロンを何らかの理由で使用できない場合は第一世代の5HT3受容体拮抗薬が推奨される[28]。上記の組み合わせにアプレピタントを加えることの有効性を示すデータは現在のところ乏しいが、5HT3受容体拮抗薬(第一世代)にアプレピタントを加えることで、中等度催吐リスクの抗がん剤投与時でも、アプレピタントを加えない群と比較して嘔気・嘔吐を抑制できたとするランダム化比較試験が報告されている[51]。

(3)軽度催吐リスク

dexamethasone day1✚[28]

軽度催吐リスクの化学療法による急性嘔吐に対しては、ランダム化比較試験は行われていない。高度・中等度催吐リスクに対する効果から予測した結果、デキサメタゾンを使用することがガイドラインおいてすすめられている[28]。

(4)最小度催吐リスク

化学療法前後の予防的制吐剤投与は必要ない✚[28]

最小度催吐リスクの化学療法による急性嘔吐に対しても、ランダム化比較試験は行われていない。

3)その他の状況における制吐療法

(1)経口抗がん剤の嘔気・嘔吐

経口抗がん剤の嘔気・嘔吐については制吐剤についての比較試験がなく、どのように制吐剤を使用するかという明確なコンセンサスはない。National Comprehensive Cancer Network(NCCN)ガイドラインにおいて、中等度〜高度催吐リスクをもつ抗がん剤投与時には予防投薬として、下記の薬剤の使用が推奨されている[52]。

・5HT3受容体拮抗薬(granisetron 2 mg連日もしくは1 mg/回 1日2回で連日、ondansetron 16-24 mg連日[日本の保険適用量は4 mg]) ✚

・必要に応じてlorazepam、H2ブロッカー、プロトンポンプ阻害薬など✚

軽度、最小度の催吐リスク薬剤については、下記の薬剤の使用が推奨される[52]。

必要に応じてmetoclopramide、prochlorperazine、haloperidol✚

(2)多剤併用レジメンにおける制吐療法

多剤併用レジメンにおける制吐療法については、組み合わせのなかで最も催吐リスクの高い薬剤に対する予防投与を行うことが推奨されている[28]。ただし、アントラサイクリン系薬剤およびシクロホスファミドは、単剤での使用は中等度催吐リスクに分類されるものの、両者の併用レジメンで使用する場合には高度催吐リスクとして扱うことに注意が必要である[28]。

(3)小児が抗がん剤治療を受ける際の制吐療法

小児へ高度催吐性および中等度催吐性レベルの抗がん剤治療を行う際は、下記の予防投薬を行うことが推奨される[28]。

5HT3受容体拮抗薬+コルチコステロイド✚✚✚

薬物動態に個人差があるため、5HT3受容体拮抗薬について、成人に使用する体重あたりの使用量よりも高用量で用いるべきである。

(4)幹細胞や骨髄移植を受ける患者

幹細胞や骨髄移植を受ける患者において大量化学療法を行う場合、下記のの予防投薬を行うことが推奨される[28]。

5HT3受容体拮抗薬+dexamethasone✚✚✚

アプレピタントを加えることも考慮されるが、それを支持するエビデンスには乏しい。

(5)連日化学療法を行う場合

連日、化学療法を受ける場合には、化学療法実施日およびその後2日目まで制吐剤を投与することが推奨される[28]。

急性嘔吐に対しては5HT3受容体拮抗薬+dexamethasone✚✚✚[44]

遅発性嘔吐にはdexamethasone✚✚✚[44]

5日間のシスプラチン分割投与などの場合は、下記の薬剤の使用が推奨される[28]。

5HT3受容体拮抗薬+dexamethasone+aprepitant✚✚✚

新たに開発された経皮吸収のグラニセトロン(2012年3月現在日本未承認)では連日の化学療法においても経口剤との非劣性が示されており、これを用いることも有用である[29]。

(6)予防投与を行っても嘔気・嘔吐が出現した場合

初回の予防治療が失敗した場合、医師は病状、投薬状況などを再評価し(たとえばオピオイドや抗生剤の使用、脳転移の可能性、消化管閉塞、高カルシウム血症、放射線治療の影響など)、それらに問題がない場合には、もう一度抗がん剤の催吐リスクの評価を行ったうえで、催吐リスクに応じた適切なレジメンを決めるべきである。他には、下記の薬剤を試みてもよいかもしれない[28]。

・lorazepam 1-2 mg/回 1日1-3回✚

・alprazolam 0.4-0.8 mg/回 1日1-3回✚

・olanzapine 5-10 mg/回 1日1回✚

・metoclopramide 20 mg/回 1日2-4回などドパミン受容体拮抗薬の追加✚

olanzapineとメトクロプラミドについては、2013年に二重盲検ランダム化比較試験の結果が報告された[71]。高度催吐リスクの化学療法を受け、標準的な制吐療法を行っていたにもかかわらず嘔気・嘔吐を発症した患者に対し、メトクロプラミド10mg×3回/日投与群とolanzapine10mg×1/日投与群で比較した。投与後72時間で、olanzapine投与群では70%で嘔吐がなかったのに対し、メトクロプラミド投与群で嘔吐がなかったのは31%であった(p<0.01)。同様に、嘔気が抑えられた割合も68%対23%と、有意にolanzapineが有効であった。

これらの結果から、突発的な嘔気・嘔吐へのレスキューとして、olanzapineを利用することをまず試みてもよい。ただし、本邦においてはolanzapineを制吐剤として利用することは保険適用外である。また,5mgでもふらつきや眠気が出ることもあり、少量から開始して投与量の調節を適宜行うべきであることに注意が必要である。


他には、現在使っている5HT3受容体拮抗薬を、他の5HT3受容体拮抗薬へ変更することが有効であることもある。高度催吐リスクの抗がん剤治療を受けオンダンセトロン+デキサメタゾンでは嘔気・嘔吐が出現してしまった患者に対し、同じ治療を継続する群とグラニセトロン+デキサメタゾンで治療する群に無作為に分類して治療したところ、治療継続群 vs. 治療変更群において、嘔吐制御率5% vs. 47%と大きな差が認められ、このことは5HT3受容体拮抗薬が完全な交叉耐性をもっていないことを示唆している[53]。しかし、それらを行っても改善に乏しい場合や重篤なCINVが出現・遷延する場合には、治療の延期や投与量の調整なども考慮すべきである。

(7)予期性嘔吐

予期性嘔吐への対応として最も大切なことは、急性および遅発性嘔吐をしっかりと予防することである。予期性嘔吐が起きた場合には行動療法による系統的脱感作を行うこともすすめられる[28, 54]。また、予期性嘔気・嘔吐の予防に、ロラゼパム、アルプラゾラムの有効性が報告されており、これらの薬剤を使用することもすすめられる[55, 56]。

・lorazepam 1-2 mg/回 1日1-3回✚✚✚

・alprazolam 0.4-0.8 mg/回 1日1-3回✚✚✚

1.放射線治療による嘔気・嘔吐とは

放射線治療による嘔気・嘔吐(radiation therapy induced nausea and vomiting: RINV)は化学療法と比較して軽度であることが多いが、重篤な嘔気・嘔吐が発生した場合、治療継続が困難になり、治療効果・根治性への影響や患者のQOLに影響する問題となる。RINVの頻度および重症度は、放射線治療としての要因としては1回線量、総線量、線量率、分割回数、照射野容積、照射部位、患者体位などに影響され、患者側の要因としては性、年齢、患者の全身状態、併用している治療内容、がんの進行度などに影響される[57]。そのなかでも最も重要な因子は放射線の照射範囲であり、ASCOガイドラインでは表3に示すようにリスク分類がなされている[28]。

2.治療薬

1)5HT3受容体拮抗薬

ASCOガイドラインでは各リスクに応じて、5HT3受容体拮抗薬を中心とした治療法が推奨されている[28]。RINVに対する5HT3受容体拮抗薬については比較的小規模な試験のデータが多いものの、上腹部照射を受けた患者に対して、メトクロプラミドやフェノチアジン、プラセボを対象とした複数の比較試験において、5HT3拮抗薬が優れた制吐効果を示している[58, 59, 60, 61, 62, 63]。また、全身照射や半身照射を受ける患者を対象とした試験においても、同様の結果が報告されている[64, 65, 66, 67, 68]。

2)コルチコステロイド

デキサメタゾンについて、上腹部照射を受けた患者を対象としたプラセボ比較試験において、嘔吐完全制御率において70%vs. 49%と、優れた治療効果をもつことが示されている[69]。また、同様に上腹部照射を受けた211人の患者に対し、オンダンセトロン+デキサメタゾン(day1-5:治療群)とオンダンセトロン+プラセボを比較した試験においては、主要評価項目である初期5日間での嘔気・嘔吐のコントロールでは治療群はプラセボと差がみられなかったが、副次評価項目である全治療期間での嘔吐完全制御率において治療群が有意に優れていた[70]。この試験では主要評価項目で統計学的有意差を示せなかったものの、副次評価項目の結果からデキサメタゾンを加えることの意義が評価され、ASCOガイドラインにおいても使用が推奨されている[28]。

3)NK1受容体拮抗薬

NK1受容体拮抗薬については、まだ臨床試験などで十分に評価されておらずRINVに対する効果は不明である。

3.リスク分類に応じた治療

各治療レジメンの根拠となる臨床試験については前項「2.治療薬」を参照されたい。

(1)高度催吐リスク

5HT3受容体拮抗薬(各照射前に投与:用量は表2参照)

+ dexamethasone 4 mg(日本では静注製剤の表記は3.3 mg、製品は同一)経口または静注(1-5回目の照射まで)

✚✚✚[28]

(2)中等度催吐リスク

5HT3受容体拮抗薬(各照射前に投与、治療終了後24時間後まで継続:用量は表2参照)

+ dexamethasone 4 mg(日本では静注製剤の表記は3.3 mg、製品は同一)経口または静注(1-5回目の照射まで)

✚✚✚[28]

(3)軽度催吐リスク

5HT3受容体拮抗薬(予防的投与またはレスキュー投与。レスキュー投与を使用した場合、その後は治療終了まで予防的に使用する:用量は表2参照)✚[28]

軽度催吐リスクの放射線治療に対する制吐療法のランダム化比較試験は行われていない。

(4)最小度催吐リスク

5HT3受容体拮抗薬(レスキュー投与。レスキュー投与を使用した場合、その後は治療終了まで予防的に使用する:用量は表2参照)

または

metoclopramide 20 mg 経口

prochlorperazine 10 mg 経口または静注

✚[28]

4.化学放射線療法について

化学療法と放射線の併用療法の場合は、放射線治療の催吐レベルが化学療法のそれを超えていない限り、化学療法の催吐リスクに応じた予防的治療を行う[28]。

最小度催吐リスクの放射線治療に対する制吐療法のランダム化比較試験は行われていない。

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