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がん治療の素朴な疑問

2012/2/28

Part.3

他病院を紹介されることとは?

はにわきみこ

家族「他の病院を紹介しますの意味は?」
医師「他の病気がある場合、最も適した病院を選ぶ必要があるのです」

【POINT】
・がん専門病院の得意分野は「がん治療」です。
・心臓病など他の病気を併せ持つ人は総合病院、大学病院が向いていることがあります。
・治療の成功率を高めるため、ふさわしい病院への紹介が行われるのです。



栃木県立がんセンター 研究所長 兼 大腸外科部長の固武健二郎氏

はにわ:どの病院を選ぶといいのか? は病気が分かったときから、患者が思い悩むところです。最初に行った病院で「他を紹介します」と言われたら、「この先生がダメなんだったら、もうダメだ。他に方法はないんだ」と不安になってしまうのです。他の病院を紹介することには、どんな意味があるんでしょうか。

固武Dr:がん専門病院が得意なのは、「がん患者さん」です。ただ、時にがんだけでなく、他の病気も抱えている方の場合は、総合病院、大学病院など、多くの診療科が総力を挙げて治療できる環境の整っている病院へご紹介することがあります。

はにわ:総合病院がよいのは、どんな持病をもっている場合ですか?

固武Dr:大学病院に紹介することが多いのは、心臓病の方ですね。血管に狭窄(きょうさく=狭くなること)があって、何かあった場合には心臓に対する処置をしなくてはならないとか。こういうときは、循環器科の充実している総合病院が適しています。最近は、がんセンターも循環器科を整えて、循環器医がサポートしてくれるようになってきていますが。

はにわ:それが分かっただけでも大きな発見です。患者と家族は「どの先生でもいいから、助けてください!」という気持ちです。だから、「別の病院を紹介します」と言われたら「見捨てられた?」とか「そんなに悪いのか?」とか「先生に嫌われてしまった?」って勘違いしてしまうことがあると思います。でも、今のようなお話を先に分かっていれば、「あ、そういうことか。必要に応じて適した病院へ紹介される」という意味なんだ、と冷静に受け止めることができます。

固武Dr:私の担当している領域でいうと、大腸がんは高齢者の病気になってきています。そうすると、年に1〜2件は持病のためうちの病院で手術するにはリスクが大きい、という例があります。
そういった場合、手術前の検査の段階で麻酔科からストップがかかることが多いですね。

はにわ:麻酔科ですか?

固武Dr:手術中に患者さんの全身的な状態を管理するのは麻酔科医です。麻酔科からみて手術をすることのリスクが高いケースあるのです。
ですから、麻酔科医が持病などのために手術中の患者さんの安全を確保できないと判断すれば、ストップがかかります。不測の事態にも対応できる総合病院、大学病院を紹介することになります。

はにわ:それは手術の成功率を高めるための判断なんですね。麻酔とは、手術の間中、入れ続けるものなのですか?

固武Dr:その通りです。でも、手術の間に痛みを取るための麻酔をかけるだけでなく、手術の前後の全身状態を管理することも麻酔科の役割なんです。そのために、その患者が安全に手術を受けられるかどうかをあらかじめ評価しますし、手術前には患者さんに会って「こういう麻酔をします」と説明をします。

 この病院では、手術の翌日に一般病室に戻りますが、手術が始まるところから一般病室に戻るまでの間を、麻酔科医が管理しています。手術の前、手術中、手術後までですね。

 手術中も、血圧が下がった場合には手術を一時ストップさせたり、出血が一定量を超えた場合には「もうこれ以上手術をしないでくれ」と言う権利を、麻酔科医は持っているのです。手術をするのは外科医ですが、麻酔科医には手術中の患者の状態を見守る重要な役割があるのです。

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