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がん治療の素朴な疑問

2012/2/14

Part.1

医師への質問の仕方、ベストな方法は?

はにわきみこ

固武Dr:はにわさんの本(「親ががんだとわかったら」)を読んで、すごく細かく詳しく知りたくて、すべて了解の上で手術を受けたいのだな、と感じました。すごく知りたい患者さんと、知りたくない患者さん、両極端なのですが、はにわさんの場合は「詳しく知りたい」タイプですね。

 すごく知りたいんだけれど質問せずに我慢している方もいらっしゃるし、手術前の時点で質問そのものにまで思いが至らない方も少なくないです。

 それはひとえに、患者さんの性格や考え方によります。

 一般的には、初めて医師から説明を聞いたときに、直感的にわからないと思ったことを質問して、ある程度納得が行くまで、説明してもらうのがよいのではないでしょうか。そんなに、「あれもこれも事前に調べてから面会に臨まなければ」、と構えることはないと思います。

 頭が真っ白になってしまって、と言われる方も多いですね。我々は、慣れているので、同じような説明になる部分も多いわけです。患者さんによって毎回全く違う説明の仕方をするわけではないので。

 ただ、お話ししながら、この方はどこまでご理解されているか、ということは常に気にしています。

はにわ:この人はどれぐらいわかったかな?というのを、その場で判断されているのですか?

固武Dr:説明後の反応が、とてもつっこんだ質問だった場合などは「ああこの方は事前にすごく勉強してきたんだな」と分かります。その場合は、詳しく聞きたいんだなと思って、説明を詳しくしていきます。

 一方、「そうですか。よろしくお願いします」と言われれば、説明は終わりで、最後に資料をお渡しする、ということで面談終了となりますね。

 これは患者さんあるいはご家族がどれくらい聞きたいと思っているか、あるいは納得感のレベルの違いだと思います。「自分の体のことだから納得がいくまで聞きたい」と思う方もいれば、「お任せします」と思う方もいます。我々も患者さんに納得していただくことが大切だと思っていますので、納得いただけるように説明し、質問にお答えしたいと思っています。

 ただ、最近は、我々医師側も一生懸命、説明しなければいけない時代になっています。以前だったら「こんなに時間がかからなかった」、というほど、時間をかけて、チャートなども示しながら説明しています。また以前よりもずっと説明の質が良くなってきていると思います。

はにわ:患者は手術が初めての体験で、不安を感じることも多いです。医療側は毎日何年も行っているもので、慣れているでしょうし、質問されても「大丈夫ですよ」と軽く説明して終わるということはありませんか。

固武Dr:疑問があれば、お答えしますよ。自分の行ってきた治療の実績や、大丈夫だと答えるそのバックグランドをご説明すれば、安心していただけると思います。

 たとえば、よく資料なんかで書いてある、「大腸のがんの部分を取り除いてホッチキスでとめる」と表現されている「自動吻合機(じどうふんごうき)」ですが、手術直後だけでなく、その後、縫った部分に狭窄(せまくなる)が起こらないか、出血のリスクはないか、など、調査したデータがありますからそうしたデータをもとに説明することになるでしょう。

 私は自動吻合機が進歩していくのを目の当たりにしていることもあり、「心配することはない」というのが正直な気持ちです。ただ、患者さんが知りたい、というのであれば、もちろん説明します。

はにわ:手術を決断する前に、「どのような手技があるのか不安です」という人もいますよね。主治医の決定に対し「本当にそれでよいのか」と思っている方もいると思います。術式の内容を聞いて、セカンドオピニオンを受けたいと思うケースもありますよね。

固武Dr:手術の微細なことをひとつひとつ質問されると、時間が足りない面がありますね。

 ただ、はにわさんのケースのように、事前に自分たちで勉強して、ある程度理解している。その上で、「胃は全摘出になるのか」「開腹か腹腔鏡か」「切除後の再建方法は」など細かな疑問が生まれるのは当然でしょう。そういった場合はなぜその術式を選んだのか、お答えします。

 医師が選択した方法に対してなぜその方法を選んだのか、メリットデメリットを説明したか、という部分は大切ですので、説明を受けるとよいでしょう。

 私の手がける大腸がんの場合、重要な要素の1つに「肛門を温存するかどうか」というのがあります。取った方がいいのか、ぎりぎりまで残すのか。病状にもよりますが、一長一短があります。

 主治医はどちらかの方法を提示するわけですが、本当に自分にはそちらの方法が適しているのか、セカンドオピニオンを受けたいと思われることもあると思います。これは、私は、患者さんの「ベストな治療を受けたい」という真摯な思いだと感じています。手術を受けたら、受ける前の状態に戻すことは出来ません。自分が納得できるように行動するのがよいのではないでしょうか。

はにわ:担当医に聞きたいことをメモしていったけれど、いざとなると、口に出せなかったというお話も聞きます。私も、手元にメモしておいた質問があったのに、ショックで聞くことができなかったという経験があります。質問の紙をお渡しできれば安心です。でも、患者さん全員がそうやってきたら、ドクターは大変ですか?

固武Dr:そんなことはないですよ。患者さんがきちんと理解してくれたかどうか、というのが一番気になるところですから。事前にしっかり質問を書き留めて、渡すという方法はいいのではないでしょうか。納得して治療を受けてもらうのが一番ですから。

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