このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん

2009/3/31

先輩患者からのアドバイス 子宮がん検診では子宮体がんは分からない

 
 廣川シオミさん  
 
 不正出血が長く続いた後に高熱を出して緊急入院。子宮体がんとの診断を受ける。ただし、病期も1期と早期で、悪性度も低いタイプのがんであったため子宮と卵巣を切除する手術のみで完治した。後遺症としてホルモンバランスの変化による更年期症状に悩まされたが1年程度でその症状も落ち着いた。

 子宮体がんの手術を受けたのは49歳(2000年)のときでした。実は、その2年くらい前から、ときどき不正出血がありましたが、たまたま同年代の友人2人が同時期に不正出血を経験していて、「朝起きたら血の海のなかだった」とか、「病院に行ったら閉経前に大量の出血があると言われた」などと聞かされ、私の場合も更年期の症状の1つだろうと軽く考えていました。

 しかし、その後も月経時に出血がなかなか止まらなかったため重い腰をあげて、職場近くの総合病院に行きました。待つこと2時間、診察時間は10分足らず。しかも、検査は別途予約が必要とのことでした。その日は止血をしてもらい職場に戻りました。診察時に医師からがんの可能性があるので検査を受けるようにアドバイスされたのですが、毎年子宮がん検診を受けていましたし、医師のアドバイスにも緊急性が感じられなかったので検査の予約をしないまま病院を出ました。

 1999年に父が胃がんで入院し、仕事をしながら看病のため病院へ通う毎日を送っていました。そのようななか再び出血がひどくなりましたが、父が危篤状態になったのでまずは父の状態が一段落してから病院に行こうと思っていました。しかし、父が亡くなる前日に40度の高熱が出て、自宅近くの病院に緊急入院することになりました。最初に診察をした内科医に「貧血がひどいが、心あたりはないか」と聞かれ、不正出血が続いていたことを話しました。すぐに婦人科に回され、検査を受けることになりました。

 高熱と貧血で安静状態が数日続き、ようやく熱が下がり始めたころ、医師から「検査の結果、がんが見つかった」と聞かされ本当にびっくりしました。

子宮がん検診では子宮体がんは分からないなんて
 毎年欠かさず子宮がん検診を受けていましたし、前年に受けた子宮がん検診でも異常はありませんでしたので、よもや自分が子宮がんになるなんて思ってもいませんでした。

 医師からは、子宮がんには子宮体がんと子宮頸がんの2種類があり、2つのがんは検査方法が違うこと、子宮がん検診で検査できるのは子宮頸がんのみであると説明がありました。子宮体がんの場合は子宮内膜の組織を採取して検査(細胞診)を行いますので、検査には痛みが伴います。痛みには個人差があるようですが、私の場合、痛みがひどく検査終了後しばらく悶絶しました。

 通常の子宮がん検診では子宮体がんは見つかりません。最近、ようやく子宮頸がんと子宮体がんが区別され認識されつつありますが、子宮がん検診を受けていても決して安心せず、不正出血やおりものなど、何か変だなと思う症状がある方は、ぜひ検査を受けてください。子宮頸がんと同様、子宮体がんもステージ1になるまでにかなりの時間がかかるそうです。不正出血が始まった段階で検査を受ければより早期に発見できます。

 誰でもそうだと思いますが、「がん」という言葉はあまりにもインパクトが強く、告知されるとすぐに死を連想してしまいます。直前に父が胃がんで亡くなっていたこともあり、私も最初に「余命はどのくらいですか」と尋ねました。その時、担当の女医さんがにっこり笑って「余命のことは心配しなくて大丈夫」と言ってくれました。ひとまず命を落とすことはないのだと安心はしたものの、当時、私のがんの知識は皆無に等しく、また入院・手術の経験もなかったので不安は広がるばかりでした。がんの治療はやはり国立がんセンターが一番だと思い、知人に国立がんセンター中央病院を紹介してもらいました。

 国立がんセンターでの検査の結果、ステージは1でした。主治医からは、「がんの顔つきはいいが将来転移の心配を無くすために卵巣も一緒に取った方がいいだろう」と説明を受けました。たぶん、高分化型(グレード1)の体がんだったのだと思います。再発リスクもなかったため、手術後の抗がん剤治療は受けていません。入院中に心に残ったことは同室の先輩患者が手術を前に不安そうにしている私に「麻酔をかけて気がついたら手術が終わっているし、痛みもないから大丈夫」と声をかけてくれたことです。その言葉にとても勇気づけられました。手術後私も後輩患者に同じように声をかけたことを思い出します。

 退院するにあたり、主治医から「再発の可能性はほとんどないが、他の場所にがんを作らないよう気をつけて」と言われ、半年に一度の検査も5年が経過したところで終了しました。子宮がなくなっても通常の子宮がん検診で内壁のチェックができるので定期健診などで子宮がん検診を受けるようにアドバイスがあり、今でも毎年子宮(頸)がん検診を受けています。

 術後の後遺症としては、寝汗、関節痛など更年期障害に類似した症状がありましたが、1年ほどで落ち着きました。年齢的に閉経が近い時期だったので、子宮を失ったという喪失感はありませんでした。

 がん治療で苦しみ再発の恐れを抱えていらっしゃる方と比べて、私のがん体験はあまりに軽度で参考にならないのではないかと思います。ただ、がんになってみて検査がいかに大切かということを実感しました。痛みがあるなど緊急の事態にならないと病院へ行くことを後回しにしてしまいがちです。また、かつての私がそうだったように、友人の話を自分にあてはめ検査を受けない方もいらっしゃるかもしれません。また、忙しさを理由にされる方もいらっしゃるでしょう。子宮体がんの場合、不正出血時に検査を受ければ早期に発見できますし、幸いにがんでない場合は安心して生活できます。どうぞ検査を受けるチャンスを逃さないで!

(まとめ:小板橋 律子)

この記事を友達に伝える印刷用ページ