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2009/3/24

医師への質問 応用編 子宮体がん治療後に妊娠・出産は可能ですか?

 
 子宮体がん監修:京都大学婦人科学産科学講座教授 小西 郁生  
 
 子宮体がんと診断されましたが、これから妊娠・出産を希望しています。手術以外に、黄体ホルモン療法という治療法があると聞きました。私の場合、その治療を受けられますか。

 子宮体がんは、たとえ早期であっても手術で子宮と卵巣を取り除くのが標準治療です。しかし、妊娠・出産を強く望んでいる方の中で、がんの進行期がIa期、つまり、がんが筋層へ浸潤しておらず、また子宮の外に広がっていないごく初期の段階であり、かつがんのタイプ(組織型)が高分化型の類内膜腺がんの場合は、黄体ホルモン療法が選択肢の一つとなります。

 この妊孕能を温存できる治療法の適応があるかどうかは、専用器具で子宮内膜全面掻爬(内膜を掻き出す)で体がんのタイプを調べ、MRI検査で進行度をよく検討した上で、慎重に決める必要があります。あなたの場合、この治療法を適応できるかどうかを担当医によく相談してみましょう。

 黄体ホルモン療法では、子宮体がん細胞の増殖を抑える高用量の黄体ホルモン(メドロキシプロゲステロン)を4〜6カ月間、経口投与し、投与中および投与後に内膜全面掻爬を行って治療効果を調べます。ホルモン剤の効果がみられなかったり、一度がんが消失しても再発する場合には、この治療法を中止し、子宮と卵巣を摘出する手術を受けることを推奨します。

 黄体ホルモン療法が有効でその後に妊娠・出産された方もおられますが、一方で、再発する割合も高いことが知られています。まれに、手術を受けずに何度もホルモン療法を受けているうちに、がんが進行して死亡される方もおられます。しっかりと経過を観察しなければならない治療法ですので、この治療法の選択にあたっては、黄体ホルモン療法の経験豊富な施設でよく説明を聞いた上で受ける必要があります。

 なお、黄体ホルモン療法では、血栓症という命に関わる重大な副作用が出る恐れもあります。そのため、動脈硬化症や心臓疾患のある人、他のホルモン治療を受けている人は、この治療法を受けることはできません。

(まとめ:福島 安紀)

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