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2009/1/27

医師への質問 応用編 分子標的薬の副作用が心配

 
 肺がん監修:
京都大学医学部附属病院呼吸器外科教授 伊達 洋至
  
 
 分子標的薬を用いた治療が必要ですか。分子標的薬は副作用が怖いイメージがあるのですが、実際、どのような副作用があり得るのでしょうか。また、分子標的薬の効果は、どれほど期待できるのでしょうか。

 がんが増殖したり転移したりするときには、さまざまな分子(タンパク質や遺伝子)が関わっています。分子標的薬は、そういった特定の分子を標的にすることでがんを叩く薬です。肺がんの分子標的薬については、ゲフィチニブ(商品名「イレッサ」)が、2002年に発売されて以降、間質性肺炎などの副作用で死亡者が出たという報道が繰り返されました。そのため、分子標的薬に対して悪いイメージを持たれている人もいるかもしれません。

 確かに、副作用として、間質性肺炎や皮膚障害などが出る危険性はあります。しかし、肺障害の発生頻度は5%程度であり、副作用の発生頻度として他の薬剤と比較して特別に高いというものではありません。また、最近では、分子標的薬を適切に評価する研究が進み、どういう人に分子標的薬が効くかが解明されてきました。ゲフィチニブに関しては、EGFR(上皮細胞成長因子受容体)が一部変異したタイプの患者さんに限定して投与すれば、効果が見られる患者さんの割合(奏効率)が70〜75%と、一般的な抗がん剤の2倍以上を期待できることがわかってきています。

 加えて、ゲフィチニブに続く分子標的薬として、エルロチニブ(商品名「タルセバ」)という新しい分子標的薬も使われるようになってきています。

 理解しておくべきことは、分子標的薬は手術不能な患者さん全てを劇的に治癒させ、かつ副作用がゼロという夢の薬ではないということです。他の薬剤同様に、効果に限界もあれば、副作用もあります。あなたに適した薬かどうか、また、効果の限界と副作用について担当医によく聞いたうえで、治療を受けるかどうか判断してください。

(まとめ:福島 安紀)

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