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2008/10/21

医師への質問 応用編 手術療法と放射線療法それぞれのメリットとデメリットは?

 
 子宮頸がん監修:京都大学婦人科学産科学講座教授 小西 郁生  
 
 子宮頸がんIIb期で手術を勧められました。欧米では、放射線治療でも治る確率は手術と同じという報告があると聞きました。手術療法と放射線療法それぞれのメリットとデメリットを教えてください。

 Ib期〜II期の子宮頸がんに対しては、国によって治療法に差があるのが実情です。欧米の研究では、Ib期〜II期がんで、手術療法(広汎子宮全摘出術)と放射線療法(腔内照射と外部照射)とでは治療成績に差がないという結果が出ています。さらに、近年では放射線療法と同時に抗がん剤治療を行う同時化学放射線療法がよりよい成績を示したことから、IIb期の患者さんの多くが同時化学放射線療法を受けています。

 一方、日本では、欧米に比べて古くから広汎子宮全摘出手術が導入され、多くの医師の努力で術式の改良がなされ、レベルの高い広汎子宮全摘出手術を受けることができます。『子宮頸癌治療ガイドライン 2007年版』(日本婦人科腫瘍学会編)でも、Ib期〜II期の患者さんには手術が標準治療として推奨されています。

 手術療法の最大のメリットはがんを取り除くことができると同時に、がんの広がりを正確に知ることができることで、デメリットは神経障害による排尿障害や排便障害などの後遺症が発生するリスクがあることです。一方、放射線治療のメリットは、日常生活が比較的保たれた状態のままで治療を受けることができ、手術療法でしばしば見られる排尿障害や排便障害はきたさないこと、また高齢者や合併疾患のある患者さんにも負担が少ないことです。デメリットは、がんの種類によって放射線が効かない場合があること、晩期障害といってかなり経ってから突然、直腸出血などの後遺症が表れるリスクがあることです。

 実際に、手術療法と放射線療法のどちらが適しているかは、年齢や合併疾患の有無、個人の価値観によっても異なります。あなたにどちらが適しているかは、それぞれの治療のメリットとデメリットも含めて、婦人科医と放射線治療医の意見をよく聞いて相談するとよいでしょう。

(まとめ:福島 安紀)

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