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2008/8/26

医師への質問 応用編 人工肛門以外の選択肢は?

 
 大腸がん監修:京都大学消化管外科教授 坂井 義治  
 
直腸がんと診断されて、人工肛門になりますと言われました。肛門が無くなるなんて、嫌でたまりません。人工肛門にならなくて済む、他の手術法はないでしょうか。もし他に選択肢がない場合、その後の生活はどうなるのでしょうか。

 直腸がんが肛門に非常に近いところに生じた場合、肛門の開閉に関与している肛門の筋肉(肛門括約筋といいます)も含めてがんを切除する必要があります。肛門括約筋を切除すると、肛門の開閉ができなくなりますので、肛門の代わりの便の出口(=人工肛門)を作る手術が行われます。人工肛門(ストーマ)とは、腸管の一部をお腹の壁を通して外(皮膚)に出して、肛門に代わって便の出口としたものです。

 ただし最近では、技術の進歩や色々な研究の成果によって、肛門を残すためのさまざまな手術法が工夫され、「内肛門括約筋切除術(ISR、intersphincteric resection)」という手術が、一部の医療機関で行われています。

 ISRは、肛門括約筋のうち、腸管に近い側にある内肛門括約筋(平滑筋という筋肉でできていて、意識せずに収縮・弛緩します)を直腸とともに切除し、大腸と肛門を縫い合わせる手術です。肛門括約筋の一部は残りますので、手術の後も肛門からの排便をコントロールできます。

 しかし、肛門括約筋の一部が失われるので、肛門の機能が落ちて、知らないうちに便やおならが漏れてしまったり、排便を長時間我慢できなくなったりすることがあります。また、がんのある場所や進み具合によっては、がんを取り残す可能性が高くなるので、この手術をお勧めできない場合もあります。

 肛門を温存したい場合には、ISRを行っている医療機関を探し、セカンドオピニオンを得てもいいかもしれません。ただし、ISRのデメリットもよく理解したうえで選択してください。

(まとめ:小又 理恵子、小板橋 律子)

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