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2008/7/15

医師に聞くべき質問 応用編 乳房を人工的に再建する手術とは?

 
 乳がん監修:京都大学乳腺外科学教授 戸井 雅和氏  
 
乳房を再建する手術(乳房再建術)があると聞きました。乳房再建を望む場合、どのような手術がありますか。それぞれのメリットとデメリットを教えてください。また、乳房再建術をこの病院で受けることができますか。

 乳房再建術は、乳房切除術を受け失われた乳房を、乳頭も含めて人工的に再建する手術です。乳房再建術は大きく分けて「インプラント法」と「自家組織移植法」があります。

 インプラント法では、シリコンなどの人工物(インプラント)を乳房の中に入れます。インプラント法としては、乳がんの手術と同時に、ティッシュエキスパンダー(組織拡張器)とよばれる装置を挿入し(一期再建)、皮膚と大胸筋を拡張させた後に、エキスパンダーとインプラントを入れ替える(二期再建)という2段階の治療法が一般的です。

 インプラント法の長所は、手術が比較的簡単で体への負担が少ない点です。ただし、シリコンを埋め込んだ場合、見た目は自然でも、触った場合に不自然さが残る、乳房が下垂(たれる)しないため、年と共に左右の形が揃わなくなる、インプラントが変形・破損する危険性があるなどの欠点があります。加えて日本では、人工物を利用した乳房再建術は、医療保険の対象外となっているため、インプラント法を選んだ場合、乳房再建の費用はすべて自己負担する必要があります。

 一方、自家組織移植法では、自分自身の背中や腹部の組織を手術で取り、その組織を乳房に移植します。そのため、インプラント法に比べて手術の身体的な負担が大きく、背部や腹部に手術の傷跡が大きく残るという欠点があります。ただし、自分の組織を移植するため、再建した乳房は触った感覚もかなり自然な状態となります。自然であるが故に、年と共に再建した乳房は下垂(たれる)しますし、変形・破損の危険性もありません。また、日本では、自家組織を用いた乳房再建術は、医療保険の対象となっています。

 院内に形成外科がある病院であれば、形成外科との連携の下、乳房の手術と同時、もしくは、時間を置いてから、乳房再建術を受けることが可能です。乳房再建術を希望する場合、その希望を伝え、再建の手術をどのようなスケジュールで行うかまでの見通しを立てたうえで、乳がんの手術を受けるといいでしょう。

 また、既に乳がんの手術を終えている場合でも、乳房再建術を受けることは可能です。形成外科医に相談してみましょう。ただし、放射線治療を受けた場合、皮膚が萎縮するため乳房再建術が難しくなります。そのため、乳房再建術を希望する場合は、乳房温存術ではなく、乳房切除術をまず選択することをお勧めします。

(まとめ:小板橋 律子)

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