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2008/7/15

医師に聞くべき質問 応用編 術前薬物療法のデメリットは?

 
 乳がん監修:京都大学乳腺外科学教授 戸井 雅和氏  
 
手術の前に抗がん剤治療を受けると乳房温存が可能になると聞きました。そのため、手術の前抗がん剤治療を受けることを考えていますが、手術の前に抗がん剤治療を受けるデメリットは何ですか?

 手術前に行う薬物療法を術前補助薬物療法(術前薬物療法)といいます。日本乳癌学会による乳がん診療ガイドライン(薬物療法、2007年版)によると、術前化学療法は術後化学療法と同等の生存率が得られる治療法となっています。

 術前薬物療法は、がんを小さくし、かつ、全身に散らばっている可能性のあるがん細胞を退治するために行われます。最初の診断において、がんが大きすぎるために乳房の温存は難しいといわれた場合でも、術前薬物療法により腫瘍が小さくなれば、乳房を温存できる可能性が出てきます。そのため、乳房の温存を希望する場合は、術前薬物療法は重要な選択肢です。

 術前に化学療法を行う(術前化学療法)と7〜9割で腫瘍の大きさが半減することが知られています。また、4割程度の患者さんでは、しこりが触っても分からなくなっています。手術後に比べて手術前に抗がん剤投与を受けた方が、しこりの大きさが小さくなることを実感できる、体力があるため抗がん剤の副作用に耐えやすいなどのメリットがあるといわれています。

 このように良いことが多いようにみえる術前薬物療法ですが、その一方で、薬物療法が効かなかった場合は、がんが大きくなってしまうというデメリットがあります。薬が効くかどうかは、投与してみなければ分からない場合もあるためです。

 薬が効く可能性の高さ・低さは、あなたのがんの状態によっても異なってきます。そのため、術前薬物療法が効く可能性がどれほどなのか、主治医とよく相談したうえで、選択してください。

(まとめ:小板橋 律子)

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