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2008/6/17

医師に聞くべき質問 応用編 手術中の病理診断とは

 
 卵巣がん監修:京都大学婦人科学産科学講座教授 小西 郁生  
 
◆こんな質問をしてみましょう
 手術中に病理診断を行うことがあるとお聞きしました。私の場合も行っていただけるのでしょうか。

 手術中に腫瘍の一部を院内の病理部門に提出し、「術中迅速病理診断」を行うことがあります。卵巣腫瘍の場合は手術の前にがんかどうかの最終決定がなされていないので、従来、この術中迅速診断は非常に重要な検査でした。しかしながら、現在では、手術前に、超音波検査、MRI 、CTといった画像診断や血液検査による腫瘍マーカー測定によって、ほぼ悪性か良性かの区別がつくようになっています。特に、卵巣がんが隣の子宮にも及んでいたり、お腹全体に広がっているような場合は、悪性(がん)という診断は明らかですので、そのまま予定の手術を進めていくことになります。この場合、迅速診断を行うことは、手術前の診断を確認する意味やがんのタイプ(組織型)を調べる意味をもっています。

 ところが、手術前には良性の卵巣腫瘍と予想していたのに、摘出した腫瘍の中を観察したところ異常な所見がみつかり、これを迅速診断に提出して、ここで初めてがんと診断される場合がまれにあります。そのような場合には、予定していた手術よりも広い範囲の手術を行う場合もありますし、いったんは予定どおりの手術にとどめておいて、最終的な病理診断を慎重に検討して、もう一度手術を行う場合もあります。

 また反対に、悪性と予想していたのに、迅速診断ではじめて良性(がんでない)とわかることもあります。いずれにしても、手術の前に「迅速診断で予想と違った結果がでた」場合の手術の変更の可能性を担当医とよく話し合っておくことが大切です。

 もう一つ知っていただきたいことは、迅速診断の信頼性です。術中に調べることができるのは腫瘍のごく一部ですので、迅速診断が最終的な病理診断と異なる場合もまれにあるのです。例えば、がんであっても迅速診断で良性や中間型と判断される場合もありますし、また中間型であっても迅速診断では悪性にみえる場合もあるのです。ですから、これから妊娠・出産を希望しておられて妊孕能温存手術を予定されている場合には、迅速診断の結果を非常に慎重に考慮する必要があり、通常、子宮や反対側の卵巣は残しておいて最終病理診断を待つということになると思います。

(まとめ:福島 安紀)

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