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2008/4/15

医師に聞くべき質問  排尿機能や性生活への治療の影響は?

 
 前立腺がん監修:京都大学医学部泌尿器科学教室教授 小川 修  
 
◆こんな質問をしてみましょう
 それぞれの治療法を受けた場合、排尿機能や性生活にはどのような影響が出ますか。

 手術を受けた場合には、半分以上の患者さんが一時的に尿失禁を経験することになりますが、1年以内に徐々に改善していきます。治療経験の豊富な専門施設では治療を必要とするような尿失禁が残る患者さんは非常に少ないと考えられます。

 前立腺を広範囲に摘出すると勃起と射精ができなくなり、ほとんどの患者さんで性機能が障害されます。そのため、がんの広がり具合によっては、勃起神経の一部を温存して性機能を残す手術も行われています。しかし、神経温存手術ではがんを取り残すリスクがあること、温存しても必ずしも機能が残るとは限らないことも知っておきましょう。取り残しのリスクを減らし、勃起機能の回復を図るために、神経の移植を行っている施設もあります。

 海外では、手術件数の多い病院のほうが、術後合併症が少なく在院日数が短いといった報告があり、日本泌尿器科学会の『前立腺癌診療ガイドライン』にも、「前立腺全摘除術は症例数の多い施設で受けるべきである」とされています。そのため、治療を受けようとしている医療機関において、毎年どれほどの件数の前立腺がん手術が行われているかは、一度確認してみましょう。担当する泌尿器科医の経験にもよりますが、毎年20件から30件程度の手術を行っている医療機関であれば、治療件数が多いと判断できます。

 一方、密封小線源療法(内照射)でも前立腺が腫れて尿が出にくくなるといった合併症が発生しています。放射線の外照射法では、頻尿、頻便、血尿が出る人も少なくありませんが、ほとんどは放射線照射中あるいは直後に起こる急性反応で一時的なものとされています。勃起機能不全などの性機能障害は手術に比べると少ないものの、数年たってから現れるものを含めると5〜40%という報告があります。また、数年後に直腸出血などの晩期障害が出現する場合があります。

 ホルモン療法の場合は、排尿障害が起こる危険性はないものの、男性ホルモンを低下させる治療法であるため、性機能障害(性欲の低下や勃起機能障害)が起こります。また、顔面紅潮、異常な発汗や熱感などの更年期様症状が出現する可能性もあります。さらに、長期の治療により貧血や骨粗鬆症のリスクが増加します。

(まとめ:福島 安紀)

◆参考サイト・がん情報サービス・がん関係の臨床試験(泌尿器)

・Minds医療情報サービス 前立腺癌

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