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親ががんにかかったら

2011/10/4

【自宅療養編】第12回

支える家族の心身のケアも忘れずに

はにわきみこ

母の乳がん後のケアにリンパマッサージ

 母については、ストレスだけでなく、体の不調も気がかりでした。わが家は、父母ともにがん経験者です。母が乳がんの治療を受けたのは2005年8月。父のがん発覚時は既に術後4年を迎える時期でした。これまで再発はみられていませんが、不自由さが残っているのも事実です。退院後の父の生活を支える母にとって、右手のリンパ浮腫が大きな問題になっていました。

 母の乳がんの手術後に担当医はこう言いました。「再発を防ぐためにリンパ節を切除しています。そのため、恐らくリンパ浮腫が起こるでしょう」。しかし、どう対策を取ればいいのかのアドバイスはありませんでした。

 リンパ液には老廃物や不要になった細胞を運び出す役割がありますが、血液と違って、流れに勢いがありません。リンパ節を取ってしまうと、リンパ液をプールして次の“関所”へ移動させるための機能がなくなってしまいます。重力で体の末端へと降りたリンパ液は、体の中央部へ戻ることが難しくなります。そのため、切除したリンパ節から末端までがむくんで、太くなってしまうのです。母の場合は、右乳房のがん部位と、右脇下のリンパ節を切除したため、右腕全体にリンパ浮腫が起きていました。
 
 退院後、母はしばらく市販のマッサージ器を利用していましたが、やがて面倒になり、使わなくなっていきました。父のがんが発覚し、治療が始まった頃、母は右手のリンパ浮腫のつらさを訴えるようになりました。思えば、母もまた、がんサバイバー。歳をとって体力は衰えているし、治療後の不自由さに苦しんでいます。父とは別に、母へのサポートも必要なのだ、と痛感しました。

 そこで、リンパ浮腫のマッサージを施す治療施設を一緒に訪れ、弾性ストッキングの必要性を診断してもらいました。必要性が認められれば、弾性ストッキングの代金は、加入している公的医療保険(母の場合は市町村の国民健康保険)に療養費として申請し、払い戻しが受けられます。これはとてもありがたいことでした。

 母が最も喜んだのは、静かな心安らぐスペースで、専門家による施術をゆっくり受けられたことです。毎日毎日、父の面会や家事に明け暮れる母にとって、温かみのある人の手で癒されることは、大変な安らぎです。普段の心労を忘れ、自分の体をいたわることだけ考えればよい、貴重な時間。母はこの2カ月に1度の通院を心の支えにしていました。

 施術は保険適用外で自費扱いですが、約2時間しっかり施術をしてもらい、心身ともに楽になるのなら、と母は1万5000円という金額に納得していました。なお、治療目的のリンパマッサージは、美容やリラックス目的のものとは内容が異なります。目的にあった治療院を見つけることが大切です。

ポイント

・リンパ浮腫には、弾性ストッキングやマッサージで症状軽減
・施術は癒し効果抜群、同時にセルフケアを学ぶ

【参考サイト】
1)弾性ストッキングの療養費申請について。以下は例として、港区の国民健康保険加入者向けの案内。
港区ポータルサイト
http://www.city.minato.tokyo.jp/
トップページ>くらし・手続き>国民健康保険>国民健康保険の給付
「リンパ浮腫治療のための弾性ストッキング等の療養費申請について」

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