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親ががんにかかったら

2011/10/4

【自宅療養編】第12回

支える家族の心身のケアも忘れずに

はにわきみこ

 がんで大きな手術を受けた人がいると、周囲は、その患者の大変さばかりに目が向いてしまいます。しかし実際は、がんの当事者だけでなく、そのそばでサポートする人もまた、心身の疲れを感じているものです。わが家の場合、一番苦労しているのは、母でした。その母をケアすることは、娘である私の役割だと感じています。

癒しフェアで涙した母

 がんの治療が成功しても、元の暮らしに戻るには時間がかかります。父の場合は、退院後はすっかりご隠居モードになり、外に出ることがめっきり減りました。それに伴い、母にはストレスが蓄積。猫でさえ、限られたスペースの中では仲良くできずケンカが起こります。父の在宅時間が増えたことで、母は、テリトリーが侵食されたように感じたのでしょう。

 良かれと思って作る減塩料理には文句を言われ、リハビリをがんばるようハッパをかけても、ぬかに釘。「俺はもう治ったんだから好きなものを食べさせろ」と言う割に、仕事はせず病人のように寝てばかり、という態度の矛盾。母から見ると、父の一挙手一投足すべてがイライラの原因でした。

 そんな折、2011年の夏に東京の渋谷で、東日本大震災の復興支援チャリティーイベントと銘打った「癒しフェア」が開かれることを知りました。あらゆる施術やセラピーが、すべて500円または1000円という破格値で体験できるというのです。私は、母に日常の苦労を忘れて、外出を楽しんでもらおうと思い、「一緒に行こう」と誘ってみました。普段、母は、父と別行動を取りたいと切望しつつも、父を置いて家を空けることに罪悪感があり、なかなか実行に移せずにいます。でも、娘に誘われて仕方なく、であれば正当な理由になります。

 癒しフェアでは、カラー診断で自分に似合う色を教えてもらったり、自律神経の働きを整えるという耳ツボセラピーを受けたり、体を深部から温めるという器械を試したり、2人でさまざまなブースをめぐりました。その中で、衝撃だったのは、母が試した占いブースでの出来事です。

 セラピストでもあるその占い師は、私と同世代。誕生日のデータを基にカードを選び、性格を診断、アドバイスをします。

 占い師は、母に、こんな言葉をかけました。「お母さんはこれまで自分がやりたいことを我慢してきましたね。でもそろそろ、自分の意見を言ったり、やりたいことを始めたりしてもいい頃ですよ」。それを聞いた母が、さめざめと涙を流したのです。その姿に私はとても驚きました。

 しがらみのない立場の人だから言えること、また、他人からのアドバイスだから素直に聞ける、ということは確かにあります。「たとえ肉親でも、いえ、肉親だからこそ、助けられない心の疲れがある。それを癒すのが私の仕事です」という占い師の言葉は、納得できるものでした。

 もちろん、セラピストなどのアドバイザーに依存しすぎて、お金を浪費するのは問題です。でも、上手に付き合えば、日常のストレスが取り除かれ、日々の元気を取り戻す効果があるかも、と感じた一幕でした。

ポイント

・長期間にわたるストレスは、徐々に人から元気を奪う
・占い、マッサージ、エステなど、心がほっとする楽しみ方を

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