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親ががんにかかったら

2011/9/27

【自宅療養編】第11回

「家庭菜園」でリハビリ作戦に新展開

はにわきみこ

自然に触れるのんびり時間が潤いに

 父と母が暮らす私の実家がある町は、都心の会社へ通勤する人のためのベッドタウンとして開発が進みました。私が生まれた頃は、田畑も多く田舎の風情がありましたが、現在では、駅前の工場跡地に巨大マンションが屏風のように立ち並んでいます。車を走らせると、まだ自然は残っていますが、住宅地には家、また家。窓を開け放して風を通していた頃が信じられないほどの密集ぶりです。

 自然あふれる野山で育った父にとって、この居住環境は窮屈に感じられるのでしょう。現在私が暮らしている埼玉の山間部に来ると、父は実に楽しそうな顔になります。

 山があり、川のせせらぎが聞こえ、空はどこまでも広い。夏は蝉が鳴き、秋はトンボが飛ぶ。交通量は少なく、猫は外に出て山で遊ぶ。そんな場所に来ると、心身ともに、ほっとするようです。

 治療中の病室や、退院後に外出もせず自室の中で過ごすことは、父にとって「鬱々とした閉塞感」があるのだと思います。

 実を言えば、私が田舎暮らしを選んだ理由も、自然の中でのびのび過ごすことが魅力的だったため。父がこの場所を気に入って訪ねてくる気持ちがよく分かるのです。

 幸い、この家の持ち主である私のパートナーも理解を示してくれています。「お父さん、うちに来ると、とっても楽しそうだよね。畑仕事や庭仕事をしてくれるのもありがたいし、もっと頻繁に来てもらったら?」と。そう、今の父にとって、娘の住む家がパラダイスなのです。

 人によって何が快適か、どんな環境であればリラックスできるのかは、異なります。まずは、本人が本当に好きなこと、好きな場所について、しっかり理解することが大切です。その再現を手伝うことが、私たち子世代ができる手助けではないかと思います。

 親族の住む田舎を訪ねる旅、景色のいい郊外をドライブ、形は何でもいいと思います。私たちの父母世代は、ふんだんに自然があった時代に育っています。その心地よさを味わえる環境に連れ出すことが、リハビリに役立つことは間違いありません。

ポイント

・本人がほっとする環境を探し、提供しよう
・外に出て太陽の光を浴び、気持ちを明るく

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