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親ががんにかかったら

2011/9/27

【自宅療養編】第11回

「家庭菜園」でリハビリ作戦に新展開

はにわきみこ

 難航した父のリハビリ作戦は、「家庭菜園」という場を得て新たな展開を見せ始めました。1円にもならないことは大嫌いな父ですが、野菜という“成果”が得られるなら、話は別です。土を触ると、自然からパワーをもらえます。土いじりが好きで、環境が許すなら、挑戦してみてはいかがでしょうか。

“成果”が出る家庭菜園に夢中

 私が小さい頃、父は、近所の人と共同で借りた畑に家庭菜園を作り、熱心に手入れしていました。毎朝、会社に行く前の30分を使って、雑草を抜いたり、水をやったり、肥料を与えたり。父は昔から体が丈夫で働き者でした。

 やがて、借りていた畑は住宅地に変わり、実家の周辺から緑が減っていきました。会社員生活が定年を迎えた後は、庭仕事という新しい職を得たこともあり、父の畑への情熱はいったん下火になっていました。

 しかし、私が田舎暮らしを始めたことを機に、父の畑への情熱が再燃。私とパートナーが長期にわたって家を留守にする際、父母に泊り込みの留守番を頼みます。すると、帰るたびに、父母のおかげで裏庭に畑が整備されていたり、新しい鉢に花が植えてあったりするのでした。がんの治療中は、こちらに遊びに来ることも、畑仕事もあきらめざるを得なかった父ですが、退院して体力を取り戻す時期ならば、話は別です。父が好む田舎の環境と、やりがいを感じる畑仕事は、本人が前向きに取り組める絶好のリハビリテーションになりました。

 実は私も以前、知人に土地を借りて畑作りに挑戦したことがあります。でも、住まいと畑が離れているのがネックだったのか、あっという間に畑を放置してしまい、荒れ放題に。そういえば、私は、裏庭に植えたバジルですら、虫に食われて全滅させていました。

 つまりは、「家庭菜園には適性が必要」だと思うのです。

 父のように上手な人が畑作業をするのを見ていると、簡単に思えますが、実際はそうではありません。何事についても言えることですが、作業を楽にするコツを体得するまではつらいですし、続けるためには情熱が必要です。あっさり家庭菜園をリタイアした私としては、「誰にでも」薦めるわけには行きません。

 ただ、父のように“昔とった杵柄”がある場合は、十分に有効です。仕事への復活が果たせない今、父は畑に夢中です。なんといっても、成長の早い野菜なら数週間で“成果”が得られますし、芽が出て伸びていく様子を楽しめるのがよいのでしょう。体を動かして汗をかくので、夜もぐっすり眠れます。無農薬で育てた安心な野菜ですから、食べるのも楽しみです。家庭菜園への取り組みは、リハビリとして実に効果的といえます。

 それ以上に、父の精神面への効果がうれしいのです。実家では毎日ごろごろしているだけ、という父が、畑をいじっているときは、イキイキとしています。

 本格的な畑でなくても構いません。緑のカーテンとしてゴーヤや朝顔を育てるなら、プランターでもできます。植物には毎日何かしら変化がある。それを見て暮らすことは、心に潤いを与えてくれます。たとえ運動量としては少なくても、リハビリメニューに加える価値は十分にある、と私は思います。

ポイント

・植物を育てることは、日々の張り合いに
・野菜を育てれば、食べる楽しみ、配る楽しみも手に入る

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