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親ががんにかかったら

2011/8/9

【自宅療養編】第5回

病人気分が抜けない父、リハビリ失敗

はにわきみこ

手術は成功、リハビリは失敗

 退院して1カ月。初めて執刀医の面談を受けたときの衝撃は今でも忘れることができません。名前を呼ばれて、診察室に入ると、医師は父の顔色、呼吸の様子をじっと観察し、こう言いました。

 「手術は成功しましたが、リハビリは失敗ですね」

 ずばりと指摘され、父は顔色を失いました。退院後、大手術をした後だから、と私は父にリハビリを強制しませんでした。母だけが「毎日少しずつでも歩かなきゃダメよ!」とハッパをかけていたのですが、本人はどこ吹く風。「外は寒い。風邪を引いたら困る」「食べてすぐだとトイレに行きたくなる」「雨が降ってきたから外には行かない」…。父には、“歩きに行かない理由”が山ほどあったのです。

 やはり、大勢の患者を診てきた医師の目はごまかせません。

 「待合室からここまで歩いてくるだけで、息があがっていますね。毎日自分の足で歩いていたら、もっと体力が付いているはずです」

 適切な治療をすれば社会復帰できるし、元通りに生活できる、と医師は自信を持って治療をしてくれました。なのに、復帰の最終段階に必要なリハビリの努力が全く足りていないと指摘されたのです。

 「奥様や娘さんが運動しても、あなたの体力が付くわけではありません。あなた自身が、自分で歩かなくては、元気になれないのですよ。せっかく大変な手術が成功したのですから、がんばって。毎日しっかり歩いてください」

 リハビリをサボっていたのがばれた父は、バツが悪そうでした。

 振り返れば、医師は、自宅療養に電動ベッドを導入することにも反対していました。布団の上げ下ろしや、掃除、洗濯などの日常生活もリハビリ効果があるから、積極的にやりなさい、と。父はすべてを母に任せ、自分は安静を決め込んで、寝てばかりいたのです。

 ズバリと指摘されたことで、私も考えが変わりました。もう、安静にしていてはダメなのだ。父が積極的に体を動かす気持ちになれるよう、何か方法を考えなくては、と反省した一幕でした。

ポイント

・安静は筋力と体力の低下につながり、逆効果
・自分の体を鍛えられるのは、自分だけ

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