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親ががんにかかったら

2011/7/26

【自宅療養編】第3回

募る不満、“術後のタブー”はいつから解禁?

はにわきみこ

父にとっての「術後3大がっかり」とは

 さて、こうした調理の工夫を母が重ねている間、父はどのような心境だったのでしょうか。

 どうやら父は、「退院したら、すぐに元の生活に戻れる」「手術までしたんだから、俺はもう治ったんだ」と思っていたようです。そんな父にとっての「術後3大がっかり」とは、

(1)食べたいものが食べられない
(2)日課だった晩酌ができない
(3)体力が落ちて仕事をする元気がでない

 だったようです。本人は治ったつもりでも、体の回復には時間がかかります。いきなり元通りの食事や生活習慣に戻るというのは無理な話なのです。

 まずは、食事指導の際に、最低でも1カ月間は、天ぷらや揚げ物、油っこい食べ物は控えるよう言われたことが不満でした。「抗がん剤の影響で肝機能が弱っているし、再建した内臓にはアルコールの刺激は強すぎる。だからお酒はまだ飲めない」と言われたことも、なかなか納得できずにいました。

 がんと診断された直後にタバコを止めざるを得なかったことだけでも、十分なペナルティーを受けたと感じていたのかもしれません。

お酒、揚げ物…タブー解禁はどのように?

 では、こうした“術後のタブー”は、いつから解禁できるのでしょうか。揚げ物を食べるにしても、段階を踏んで、ほんの1片、ほんの1口を食べてみることから慣らしていく必要があります。

 父と母は、退院後、1カ月以上外食を避けていました。家で食事を制限している反動で、外食に出掛けたときに父が欲求をコントロールできなくなることを、母は恐れたのです。家族そろって食事をする場面でも、父の分はあらかじめ大皿から取り分け、食べ過ぎないように注意を払いました。

 父が、念願のアルコールを口にしたのは、手術から3カ月後。私の住む家で食事会をした折、1口ビールグラスに7分目ほど(50〜60mLほど)のビールを飲んだのが最初でした。

 ビールを口にした父は、瞬時に顔が赤くなり、食が進まなくなりました。ビールの炭酸でお腹が一杯になってしまい、もう他のものが食べられないのです。そして酔いが回るのも早かったようです。「もう今までと同じペースで酒を飲むのは無理だ」と父が自覚した場面でした。

 ちなみに、手術から2年が経過した今、父は食卓でお酒を要求しなくなりました。飲みたいという欲求と、飲んだ後の体調を秤に掛けた結果なのでしょう。飲みたいけれど飲まない。本人の決意に敬意を表する今日この頃です。

ポイント

・食のタブーに挑戦するときは「ほんの1口」から
・胃を切った人はアルコールが回りやすいので注意

【参考サイト】
1)柏の葉料理教室・テーマ・レシピ集(pdf)
http://www.ncc.go.jp/jp/ncce/division/seminar/cooking.html

2)がん情報サービス(国立がん研究センターがん対策情報センター)
http://ganjoho.jp/public/
がんとつき合う>食生活とがん>食事と栄養について>手術を受けたあと「1.胃の手術のあと(6)アルコール」

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