このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん

新着一覧へ

親ががんにかかったら

2011/7/26

【自宅療養編】第3回

募る不満、“術後のタブー”はいつから解禁?

はにわきみこ

 胃を切除する治療を受けた後、しばらくの間は食事内容に注意が必要です。家庭における料理人は気が休まることがありません。その苦労を楽にしてくれる料理教室があると知り、父母と一緒に参加してみました。

 また、「退院後のアルコールはいつから大丈夫なの? 飲んだらどうなるの?」といった“タブー解禁”の疑問について、はにわ家を例にお答えします。

がん専門病院の料理教室で食事の工夫を学ぶ

 家族が元気な時であっても、食事のメニューを考え、買い物をし、料理を作るのは大変な作業です。そこに加えて「胃を切除した人にふさわしい料理を」という注文がつくのですから、台所を預かる母のストレスは大変なものでした。良かれと思って作った料理に、父は満足しないのです。

 「味がしない」「軟らかすぎる」「食べた気がしない」「量が少ない」など、食べる側は「感想を述べているだけ」のつもりなのですが、作り手には不満がたまります。

「じゃあ、どうすればいいっていうの? あなたの体のことを考えて苦労して作っているのに!」

 母は時折そう言って怒っていました。作り手の苦労が報われない、食べる人の満足にもつながらない。この悪循環をどうにか打破する方法はないものか…。

 そう考えているとき、父が通う、がん専門病院のロビーに貼られたポスターが目に入りました。患者本人とその家族のための、料理教室の案内です。月2回の開催で、参加費は1人500円。私も参加してみたいと、父母と都合を合わせて3人で申し込んでみました。

 料理のテーマは「下痢・便秘のある方のお食事」「消化器術後のお食事」など、毎回変わります。受講してみて「いいな」と感じたのは、調理に入る前に、「がん治療中・治療後の患者の体に何が起こっているのか、それを防ぐ食事の工夫にはどういったものがあるか」という説明が入ることです。担当するのは、がん専門病院で、患者へのメニューを考案している、栄養管理室のスタッフです(配布資料はpdf形式でインターネット上に掲載されています。記事の最後に紹介しましたので、参考にしてください)。

 説明の後、その日のメニューが発表され、参加人数分の料理が目の前で作られます。家庭内の料理担当者だけでなく、患者本人も参加することがポイントだと感じました。なにしろ普段、父は食卓について「めし!」と要求するだけで、母が料理を作る姿を目にすることがないのです。

 何に考慮して、どうやって作られているのかを確認し、完成した料理を参加者全員で試食する―。そのプロセスを経たことで、父もようやくタブーの理由に納得でき、母の苦労に対して感謝の念がわいたようでした。

 また、試食中の会話は、患者同士のコミニュケーションにもなります。お互いが困っていることや、生活の中での工夫など、先輩・後輩の間で交わされる体験談は、思わぬ収穫となりました。

ポイント

・患者自身が、タブーの理由に納得することが大切
・患者と家族向けの料理教室は、楽しく学習できて有意義

  • 1
  • 2
この記事を友達に伝える印刷用ページ