このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん

新着一覧へ

親ががんにかかったら

2011/5/31

【発覚&手術編】第9回

いよいよ手術!その内容と当日の気持ち

はにわきみこ

花に癒される女3人

 手術開始は、朝9時。手術中は、院内専用のPHS電話を渡されて、電波の届くところで待機することになりました。その時間、何をして過ごせばよいのか...手持ち無沙汰な私たちなのでした。

 まずは、病室に置いていた荷物をまとめます。患者は、手術直後は集中治療室に入り、その後、別の病室に移るためです。

 そうして、売店で買ってきたホットコーヒーを飲んで落ち着こう、とロビーに向かいました。このとき、病室のテーブル上に飾ってあった小さな花を、花瓶ごと手にして移動しました。
 
 ロビーのテーブルを3人で囲んだとき、ふと思い付いて、手に持っていた花をテーブルの真ん中に置いてみました。すると、空間が一気に和やかになり、くつろげるカフェのような雰囲気に変わったのです。

 「へえ〜、小さい花だけど、ちょっとあるだけでずいぶん違うものなのねえ」と、感心してしまいました。待ち時間は長くても、その間、これといってすることもなく、会話もなかなか弾みません。そんな暗いムードを払拭してくれた花の力は、すごいものです。

 そういえば、私の手術の間には、母と妹が折り紙で鶴を折っていたと後から聞きました。千羽鶴を折ることは、患者のためでもありますが、一方で周辺の人々が心の平安を得るための行動、という側面があるのかもしれません。
 
 コーヒーを飲んでボーっとし、病院の食堂で食事をしてボーっとし、待合室に移動して少したったころ、手術終了の知らせが入りました。先生は予告通り、開始から6時間を切るスピードで、手術を成功させてくれたのです。

 「手術は上手くいきました。麻酔が覚めたら会話ができます。お顔を見て励ましてあげてください」

 そう言ってくれた先生の顔色は真っ白でした。長時間におよぶ緊張状態で疲れているのだ、大変な手術をして父の命を救ってくれたのだ、と感謝の気持ちでいっぱいになりました。
 
 集中治療室にいる父は、酸素マスクやチューブにつながれて痛々しく見えましたが、思ったより顔色はよく、話し掛けると反応がありました。ようやく安心した私たちは、親族と友人に電話を掛けて手術成功を報告。日帰り温泉に立ち寄って、1日の緊張をほぐしたのでした。

この記事を友達に伝える印刷用ページ