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親ががんにかかったら

2011/5/10

【発覚&手術編】第6回

周囲への告知とマンパワー確保

はにわきみこ

 親ががんだと分かったら――。病を得たことは良いニュースではありません。誰に知らせておくべきか、あるいは、黙っておくべきか。患者本人と家族の間で、知らせる相手について相談しておくことが大切です。また、入退院など、荷物が多いときや、患者本人の体調が良くないときには、車での移動を考えた方がよいでしょう。車の運転ができる人を確保しておくことをお薦めします。家族間で、上手にスケジュールをやりくりしていきましょう。

親族、友人、仕事先への告知は本人の希望を確認しておく

 父のがん発覚は、父母と私と妹、つまり家族だけの“トップシークレット”でした。果たして誰に知らせるべきなのか?

 隣に住む祖母(母の母)、叔父夫婦(母の弟夫婦)には知らせるべきでしょう。ご近所にも伝えた方が、何かと協力が得られそう―。これが私の発想でした。しかし父母の考えは違いました。

 「知らせることで、余計な心配を掛けたくない」というのが、父母に共通する気持ちだったのです。患者とその妻、という立場に立たされたことだけでも精神的に疲弊しています。だからこそ、他の人から心配されても、その心配に対してお礼をしたり、という余裕がないと言うのです。

 父は自分のきょうだい(姉と妹)にも、病気のことを知らせたくない、と言います。母に確認すると、「お父さんの親族は義理堅いので、こちらにやってきて協力してくれると言うに違いない。でも、泊まるところも用意できないから、できれば知らせたくない」とのこと。

 住む場所の距離、心の距離…。きょうだいと言っても、どう付き合うかは人それぞれなのだと気付きました。

 そこで、手術の前に、父の田舎に家族で旅行することにしました。ちょうどこの年の10月に親族の結婚式に招待されたのですが、恐らくその時期は入院中。そこで「はずせない用事があって、結婚式に出席できない。その代わり、ちょっと早めだけれど御祝いに来た」という理由をつけて田舎を訪問したのです。父が元気なうちに、親族に引き合わせることができてホッとしました。

 とはいえ、さすがの父も、仕事の相手には秘密にしておくことはできません。治療にはある程度の時間がかかりますし、手術が必要となれば今まで通りのスケジュールで仕事をすることは無理だからです。

 父にとっては、近所の理髪店が「職業紹介所」になっていました。理髪店のお客さんから「庭木を切りたい」とか「生け垣を手入れしたい」という要望があれば、父がその仕事を引き受けていたのです。

 抗がん剤治療の合間に、散髪をしに行った父は、自らの病気をカミングアウトしました。「これまでと同じペースで仕事をしていくことはできない」と。

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