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親ががんにかかったら

2011/4/26

【発覚&手術編】第5回

患者を支える家族の心、癒しの工夫

はにわきみこ

 父の役に立っているという満足感はありましたが、それは、仕事で得る充実感とは違うものです。仕事を減らしているので収入は減っています。ふと気を抜くと、「いつまでこの状態が続くのかな」という不安がよぎります。この不安を打ち消すために、考え込む暇なく動いていたのかもしれません。

 そんな折、旅行仲間であり中学時代の同級生のTさんが、私をランチに誘ってくれました。場所は父が入院している病院近くのショッピングモール。「お見舞いに行く前に、ご飯を一緒にどうかと思って」と。

 Tさんは、お母さんを早くにがんで亡くしています。親の看病について「自分の気が済むまでやった方がいい。そうでないと一生後悔するから」と教えてくれたのも彼女でした。同じ思いをしてきた先輩に、心境を語っていくと、心が軽くなっていくのが分かりました。

 患者の妻、兼、看病のリーダーである母。私は、その母を支えるのサブリーダー。私は母ほどつらくない、私は母を元気付ける立場、と思ってきました。でも、私自身もまた、人からのねぎらい、励ましを欲していたのです。自分自身も、友達と会ってガス抜きすることが必要なんだ、と感じました。

 もう一人、看病仲間にSさんがいます。父のがんが発覚したとき、Sさんのご主人はがんの再発が分かったばかりでした。2人でお茶を飲もう、と顔を合わせ、情報を交換しつつ励まし合う―。その時間がどれほど私を勇気付けてくれたことか。

 人は感情の生き物。そして女性はおしゃべりで心をつなげていく生き物。

 大変なときだからこそ、その絆を強くして、元気をチャージしていかなくては、と思うのです。

はにわきみこさんの著書『親ががんだとわかったら ― 家族目線のがん治療体験記』(発行:文藝春秋 価格:本体1238円+税)は、がんナビの「書籍紹介」で掲載しています。こちらから購入することができます。

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