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親ががんにかかったら

2011/4/19

【発覚&手術編】第4回

治療法決定の道のり〜精密検査からセカンドオピニオンまで

はにわきみこ

 さてこの日、父は自分が食道がんであることを再確認するより、「禁煙命令」にショックを受けていました。なにしろ、先生からズバリ言われてしまったのです。

 「食道がんはたばこが原因です。原因となるたばこをやめないのなら、治療の意味がありません。今日からたばこをやめてください」と…。

 社会人になってからずっと、たばこを1日1〜2箱吸い続けてきた父ですが、この日でたばこと“お別れ”です。病院からの帰り道、ドラッグストアに寄って禁煙グッズを購入、禁煙生活をスタートさせました。ちなみに父の場合、たばこのない口寂しさを紛らわすには、飴が1番効果的だったようです。

同席すべきタイミングは担当医との面談
 その後も、上部消化管X線造影、上部内視鏡検査、頸部超音波検査と、検査が続きました。1日で終わればよいのですが、そういうわけにもいかず、それぞれ予約が取れた日時に病院に行かなければなりません。

 耳が遠くなってきている母と、患者である父を2人だけで病院に行かせるのは心配になり、私と妹のどちらかが都合を付けて病院に付き添いました。

 精神的なフォローのためには、病院に行く日は常に付き添った方がよいのはもちろんです。とはいえ、妹は会社勤めですし、私にも仕事があり、負担に感じたのも事実。振り返ってみて、検査だけの日は無理して付き添わなくてもよかったかな、と思います。その代わり、仕事を休んで同席してよかった、と思ったのは、検査結果を踏まえて主治医から治療方針、治療の選択肢について説明がある面談です。というのも、主治医との面談の機会は限られており、面談の後で両親から話を聞いて分からないことがあっても、何度も面談の時間を設定してもらうわけにはいかないからです。

 わが家の場合、その面談が設定された日は、私も妹も仕事を休んで駆け付けました。もちろん事前に解説書を読み、治療法の「予習」をして面談に臨みました。短い面談の時間内に、もれなくしっかりと話を聞くためには欠かせない努力です。

 様々な検査を経て、父のがんの状態がはっきりしました。1番驚いたのは、食道がんに加えて胃がんも見つかったことでした。

 がんの進行度(ステージ)を示す指標には、「TNM分類」が使われます。T(原発巣の大きさと進展度)、N(リンパ節転移)、M(遠隔転移)をそれぞれ数字の組み合わせで表現し、最終的に4段階で表されます。父の場合は、食道がんがT3N0M0(ステージII)、胃がんがT1N0M0(ステージI)とのこと。

 主治医からは、「胃がんを併発しているので、胃を引っ張り上げて食道の代わりにする手術は行えません。食道、胃をすべて切除し、腸を使って再建する外科手術が第1選択になります」と説明がありました。さらに「抗がん剤が患部縮小に効果的と考えられるので、手術前に2クールの抗がん剤治療を予定しています。明日、内科の担当医から抗がん剤治療についての説明をしますので、受診してください」と言われました。

 食道、胃をすべて切除し、腸を使って再建、という大手術を宣告されたというのに、父は意外にもすっきりとした顔つきでした。どういう治療になるか分からない時期が精神的につらかったようです。やるべきことが決まったら、それに向けて全力で取り組む、という迷いのなさを感じました。

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