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2009/12/22

治療後の生活

●治療後の生活はあなたやあなたの家族にとってどんな感じでしょう?

 あなたの親が最後の治療を終えたとき、あなたにはさまざまな気持ちが入り混じっていることでしょう。治療が終わったという喜びをはじめ、親が治療にかかりっきりになっていた間に得た自由や、新たな責任といったものを失ってしまうような気持ちもあるかもしれません。戻ってきた親がまだ病人のように見え、あなたが期待していたほど元気に見えなかったり、その後のがんの再発を心配したりしているかもしれません。今のあなたにとっては、世界はまったく変わってしまったように感じられ、生活の中にもっと大きな意義を求めているかもしれません。こういう気持ちはみんなが持つものです。

 親ががんになる前の生活のように、すべてが元通りになるわけではありません。“以前の生活”を取り戻すまでには時間がかかりますし、あなたが願うようなものにはならないかもしれません。

 治療後の生活について、次のようなことを他のティーンたちは言っています。このなかに、あなたと同じようなティーンはいますか?

 Calabは“新しい普通の生活”についてこんなことを言っています:

『ママの放射線治療と抗がん剤治療が終わったら、僕のまわりが今までとまるっきり変わっちゃった。兄さんはママを車で治療のために病院に送る役だったし、僕は夕食の準備と妹のジェイダの宿題を毎晩手伝っていたんだ。でも、ママがすっかりよくなって、ジェイダは僕にあまり頼らなくなった。僕がジェイダのヒーローだったのはほんのしばらくだけだった。もちろん、ママの治療がうまくいってうれしいよ。でも、元気になったママんとの生活はなんだか……変な感じ。ママは、慣れるのには時間がかかるって言ってる。』--親のがんを経験したCalab,15歳

 Sarahはもっと生活を楽しんでいます:

『正直言うと、私はママが病気になるまでは自分の服装や、一緒に出歩く友達のこと、小さな妹にやさしくしないこと・・・とにかくたくさんのことでママと言い争いをしていたの。ママががんになって、私と妹はもっとしっかり協力し合うようになったの。ママは私たちがうまくやっていることが分かって私のことを見直したみたい。私はマニキュアを塗ることや、素敵な服なんてどうでもよくなったわ。今は、うちの学校にある、親が病気になった生徒たちのためのサポートグループに行ったりもしてるのよ。』--親のがんを経験したSarah,17歳

 Jakeはお父さんが家に帰ってきたことを喜んでいます:

『抗がん剤の最後の治療が終わったとき、僕は生まれて初めて、パパが泣いてるのを見たんだ。お医者さんはパパのがんはすべてなくなっただろうって言ったよ。パパは気持ちを高ぶらせて、自分が生きていることをとても感謝していた。そのときママも弟も気が変になるくらい大喜びしていたっけ。僕だってパパがよくなってすごくうれしかった。以前はパパが元気でいることは当然だと思っていたけど、今ではとてもありがたいと分かった。』--親のがんを経験したJake,16歳

 治療後の生活は、あなたの家族にとってどのように感じられますか?

●治療の効果がなかったら?

『ママの治療がもう効かなくなったと聞いてとてもつらかった。そしてママと私は毎日を最大限に大切にしてゆくことに決めたの。二人でずっと話し続ける日もあれば、ただ座って手を握り合っているだけの日もある。でも私は毎日、私はどれだけママのことを愛しているか伝えているの。愛には恐れなどない、絶対に。それが分かったの。』--親のがんを経験したEmily,16歳

 治療の効果がなかった場合、家族はさらなる問題に直面します。親が死ぬかもしれないと耳にすることはとてもつらいことです。でも、親ががんだと聞かされたときには、同じように多くの感情を抱いたことでしょう。

 この冊子では、すべてに答を出すことや、あなたがどのような気持ちになるかを示すことは出来ません。でも、明日が見えないようなとき、他のティーンは次のようなことをして乗り越えてきました。

・残された時間を最大限に有意義に過ごしましょう

 家族で特別なことをしましょう。家では親との時間を作りましょう。もし親が入院中ならば、できるだけたくさん電話をしたり見舞いに行きましょう。手紙を書いたり絵を描いたりするのもいいでしょう。そしていつも“愛してる”の言葉を忘れないように。
できれば一緒に特別な時間をもつようにしましょう。もし以前は親とうまくいっていなかったのなら、あなたが彼らを愛していることをちゃんと伝えましょう。

・予定を立てて物事を進める

 悪い知らせがあると、自分抜きでまわりが動いているような、まるで自分が別の世界にいるかのような気持ちになることがあります。ですから、規則正しく、予定にしたがって生活することは大切です。毎朝同じ時間に起きましょう。学校にもきちんと行き、友達にも会いましょう。

・孤独に感じたら誰かに相談しましょう

 相談できる人たちがいることを忘れないでください。家族だけではなく、ソーシャルワーカーやカウンセラー、サポートグループの人たちも力になってくれるでしょう。

さらにサポートやアドバイスが必要な場合
がんの団体も、人生のなかでもっともつらい時期を過ごしているあなたを手助けしてくれます。「自分でもっと調べたい場合」の章に、問い合わせ機関の一覧があります。

・もしもあなたの親が亡くなってしまったら、これを読んでください...

親は記憶の中で生きています

 あなたの親は、あなたの生活の一部として生きています。楽しかった頃の記憶を大切にしましょう。亡くなった親がしたことや話したことでおかしかったことなどを思い返してもかまいません。笑ったり微笑んだりすることで、親と一緒だった特別なあの日に、ほんの少しだけ戻ることができるでしょう。

心の痛みは時間とともにやわらいでゆきます

 心の痛みがはじめは強過ぎて、もう幸せなんてくるわけがないと思うかもしれません。でも時間が心を癒してくれます。あなたが悲しみを忘れても、それは亡くなった親を忘れたわけではありません。それは、あなたが受けた心の傷が癒されつつあるということなのです。

みなそれぞれの方法で悲しみをあらわします

 ティーンはさまざまなやり方で親の死を悼みます。泣き叫ぶ人、静かにひとりで過ごす人、友達に会って話をする人、強い怒りをみせる人・・・。どのような方法であっても、ほとんどの場合それで日常生活を保つことができます。死を悼む正しい方法などありません。それぞれの方法で亡くした人を悲しんでよいのです。

あなたの親はあなたが幸せでいてほしいと思っていたはずです

 新しいことを始めましょう。考えていることを文章にしてみましょう。そして、小さな変化を取り入れてみましょう。それは、人生に新たな意味を与えてくれるでしょう。

人生は変わります

 以前と同じではなくなったとしても、人生は再び豊かで満たされたものとなるでしょう。それを信じてください。

(監修:東京大学大学院家族看護学分野 上別府 圭子)

"The U.S. National Cancer Institute dose not currently endorse any foreign-language translations of NCI information by other organizations or individuals, and no such endorsement should be inferred."

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