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2009/12/1

がんの治療

 『父が痛みに耐えている姿を見るのは最悪で、ある日、僕は父にどんなにつらく感じているかを聞きました。すると父は「見た目ほど悪くないよ」と答えました。父にとって大変な時期ですが、それでも僕が思っているほどではないと分かり、とてもほっとしました。』--親のがんを経験したAshley, 15歳

 親ががん治療を受けている間にどのようなことが起こるのかを知っておくとよいでしょう。この章ではさまざまな治療について、その効果や副作用について説明します。この章を読んだ後、いろいろな疑問がでてくるかもしれませんが、そのときはあなたの両親に話したり、看護師またはソーシャルワーカーなどに相談することができるかどうかも聞いてみましょう。

●どのような治療がなされるのですか?

 がん治療の目的はがん細胞を取り除くことです。どんな治療が行われるかは以下に挙げるような条件によって変わってきます:

・がんの種類。
・どこにがんが広がっているか。
・患者の年齢や体の健康状態。
・患者の病歴。
・新たに診断されたがんか、それとも再発か。

 がんは100種類以上存在し、それぞれで治療の仕方が違います。

 治療計画であるプロトコールにしたがって治療が行われます。しかし全く同じ種類のがんで同じ治療を受けたとしても、人によって治療に対する反応が違うため、同じ効果がみられるわけではありません。

●治療による副作用は何ですか?

 がんの治療に副作用が伴うのは、治療の対象が成長の速い細胞だからです。というのも、成長が速いのはがん細胞だけでなく、消化管や髪の細胞などの正常な細胞も、同じように成長が速いのです。治療薬は、がん細胞と正常な細胞を区別することができません。そのため抗がん剤治療(がん治療の一つ)で、吐き気が生じたり、髪の毛が抜けたりするのです。

 副作用には、胃のむかつきなどのように、治療後すぐによくなるものもあれば、倦怠感などのように、治療が終わってもしばらく続くものもあります。

あなたの親が受ける治療の予定を記入してみましょう:

下の表を使ってがんのさまざまな治療法についてもっと調べてみましょう。

治療一覧表

この表は六つのがんの治療法について、その方法と副作用について示してあります。あなたの親は複数の治療を受ける場合もあります。治療法によって、日帰りでできるもの、入院が必要な場合があります。

治療法 目的 方法
治療によって起きるかもしれないこと(副作用)
外科手術
(単に手術ともいいます)
固まり(しこり)を作るがん(固形がん)の全部もしくは一部を取り除く 外科医が手術でがんを取り除きます。手術中は麻酔で眠っています。
・手術後の痛み
・疲労感
・手術された部位や手術の範囲によっては、その他の副作用。
放射線治療
(放射線療法ともいいます)
がんを死滅させ、腫瘍を小さくするために高エネルギーの放射線や高エネルギーの粒子を使用 身体の外から機械で放射線を照射するか、体内のがん細胞の近くに導入した放射性物質からの放射線を用います。
・疲労感
・皮膚の発赤や水疱
・照射された部位や放射線の線量によっては、その他の副作用も。
化学療法
(抗がん剤治療ともいいます)
薬剤によってがん細胞を破壊 薬剤は錠剤や注射(注入)、静脈内(IV)ルートを通して投与されます。ほとんどの場合、一定の期間で投与と休薬を繰り返します。
・嘔吐や胃の不快感
・下痢や便秘
・脱毛
・倦怠感
・口内炎
・手足の感覚がなくなったり、ひりひりしたり、熱感を感じる
幹細胞移植
骨髄移植(BMT)または末梢血幹細胞移植(PBSCT)
骨髄または血液の幹細胞を用い、高用量の化学療法や放射線治療で破壊された幹細胞を補う 幹細胞移植は患者自身もしくは提供者の幹細胞を用います。ほとんどの場合、幹細胞の提供者は家族です。患者には静脈から幹細胞が注入されます。
・化学療法や放射線治療と似た副作用。中にはより強い副作用となる場合もあります。
ホルモン療法 ホルモンを補充したり、阻害、もしくは取り除く治療。ホルモン療法は、ある種のがん細胞の成長を遅くしたり、止めたりする場合に特に有効です。 ホルモン療法は、錠剤や注射、皮膚に貼り付けるパッチなどで行います。特定のホルモンを作る器官を切除するための手術が行われる場合もあります。
・ほてり
・疲労感
・体重の変化
・気分の変化
生物学的療法
(免疫療法ともいいます)
生物学的療法はがんと闘う身体内部の防御機構(免疫系)を利用します。
錠剤や注射、点滴などで薬剤が投与されます。
・悪寒/発熱
・筋肉痛
・虚弱
・吐き気や嘔吐
・下痢

 前表に示した治療以外にも、がんの状態や治療効果を調べるための検査を受けるでしょう。よく行われる検査については、この冊子の巻末にある「別表A」を参照してください。

●注意すべきこと

 治療により感染を受けやすくなる場合があります。これは感染を防ぐ白血球が治療により影響を受けるために起こります。感染を起こすとあなたのお母さん、もしくはお父さんはもっとつらい状態になります。そこであなたの親は人混みや、風邪や水ぼうそうなどの病気に感染している人を避けなければなりません。
ここで、あなたがすべきことは:
・細菌がつかないように水と石鹸で手を頻繁に洗う。
・あなたが病気や風邪の人の近くにいた場合は、そのことを親に話す。
・あなたが病気のときは親から離れる。

●経過

 治療の効果を待ちきれないでしょうが、主治医は一つの治療を行ったあと、複数の治療を行う場合があります。親の調子がいい日もあれば悪い日もあるでしょう。治療は何カ月も、何年も続くことがあります。こんな気持ちの浮き沈みは誰にとってもつらいものです。

 今は、がん細胞の増殖を止め、あなたの親の病気をよくするための時期だということを忘れないでください。どんな人たちがあなたの親の治療をしているかをもっと知りたい場合は、この冊子の巻末にある「別表B」を参照してください。

(監修:東京大学大学院家族看護学分野 上別府 圭子)

"The U.S. National Cancer Institute dose not currently endorse any foreign-language translations of NCI information by other organizations or individuals, and no such endorsement should be inferred."

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