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2009/12/1

自分の親ががんであると知ったとき

 『台所に入った瞬間、私は何かが違うと感じました。お母さんがとても静かなのです。そして私に自分ががんであると告げました。私は気が遠くなるように感じました。私は涙をこらえるのがやっとで、怖くてしかたがありませんでした。私は自分の部屋へ駆け込んで、長い間ずっとベッドに座り込んだままでした。私は親友に電話しましたが、もうどうしていいか分からなくなっていました。』--親のがんを経験したSarah, 16歳

 あなたは今、人生でもっとも大切な家族の一人ががんになったと知らされました。ショックを感じたり、呆然としていたり、怒りを感じたり、恐れを抱いたりしていることでしょう。それとも人生は不公平だと感じていますか?平静な気持ちでいられないことは確かでしょう。

まず、こんな事実に目を向けてみましょう:

がんを経験した人はたくさんいます。現在、米国ではがんを経験した人たち(サバイバー)が約1000万人生活しています。がんを発見したり治療したりする方法は、科学者たちの研究によって日々進歩しているのです。決して希望を失うことはありません。

あなたは独りではありません。今は、世界の中でこんな気持ちになっているのは自分だけだと思っているかもしれません。確かに、あなたとまったく同じ気持ちを持つ人なんていません。しかし、親ががんになった子どもたちは他にもたくさんいることがわかれば気持ちが楽になるでしょう。あなたと同じような気持ちの人たちと話すこともあなたのためになるかもしれません。あなたは決して独りではないことを忘れないでください。

あなたの責任ではありません。がんはさまざまな原因で発生し、その多くは医師でもすべてが分かっているわけではありません。そういった原因のどれ一つとして、あなたの行動や考えたこと、言葉とは関係ありません。

バランスが大切です。ティーンの多くは親のがんをいつも気にしています。それから目をそむけようとする人たちもいます。バランスをとることが大切です。親の事を気にかけながらでも、あなたが大切にしている人たちとの関係や活動を今まで通り続けることができます。

知識は力なり。がんやがん治療についてもっと知りましょう。現実以上に悪いイメージをもっている場合もよくあります。

 『僕は元々のんきで楽天的でした。でもお父さんががんになってからは、ちょっとしたことにでも腹が立つようになりました。学校の生活指導の先生は僕に、お父さんやお母さんががんである子どもたちのグループに参加するように言いました。同じような経験をしている仲間に会うことでとても気持ちが楽になりました。』--親のがんを経験したAaron, 14歳

 親のがんに直面したとき、いろいろな気持ちを持つでしょう。親ががんになったティーンの多くは、今、あなたが感じているのと同じような気持ちになります。以下にそんな感情の例を挙げています。あなたの気持ちを話せるような人はいますか?

今日感じていることをすべてチェックしてみましょう。

恐怖感
・私の世界が壊れてしまう。
・親が死んでしまうのではないか。
・他の家族にもがんがうつるのではないか(がんがうつることはありません)。
・家にいるときに親に何かあったら、何をしたらいいか分からない。

 親ががんになった人はみな恐怖感を持ちます。あなたが恐れていることがすべて現実になるとは限らず、実際には起きないこともありますし、時が経つにつれて消え去ってゆく恐怖感もあります。

罪悪感
・親が病気なのに、自分だけ元気なことに罪悪感を覚える。
・笑ったり、楽しく過ごすことが悪いことのような気がする。

 親が重病であるのに、自分が楽しむなんてできないと思うかもしれません。しかし、あなたが楽しく過ごすことは、親をおろそかにしていることにはなりません。むしろ、あなたが楽しんでいるのを見て、お父さん、お母さんは喜ぶことでしょう。

怒り
・お父さんやお母さんが病気になったことに怒りを感じる。
・医師に対して困惑する。
・こんなことをする神様に腹が立つ。
・こんな気持ちになる自分に苛立つ。

 怒りは、表に出しにくい感情の変わりとして現れます。怒りの感情を溜め込まないようにしましょう。

疎外感
・取り残されたような気持ちになる。
・誰もかまってくれない。
・誰もどういう状況か教えてくれない。
・家族の会話がなくなった。

 親ががんになったとき、家族の注意がそちらに向いてしまいがちです。取り残されたような気持ちになっている家族もいるかもしれません。あなたの親は病気を治すことに精一杯ですし、元気なほうの親は病人を支えようと必死です。あなたの両親は決してあなたを放っておこうと思っているわけではありません。立て続けにあまりに多くのことが起こっているためにそうなっているだけなのです。

孤独
・僕のつらさなんて誰も分からない。
・友達は誰も会いに来てくれない。
・友達は僕に、なんて話しかけていいか分からないみたい。

 友達との関係を改善するために役立つ情報が「友達との関係」の章に書いてあります。今は、あなたのそんな気持ちは永遠に続くわけではないということを心に留めておきましょう。

困惑
・病気の親と一緒に出かけることに困惑する。
・みんなから何か聞かれたらどう答えたらいいか分からない。

 親ががんになったことに気恥ずかしさを感じるという多くのティーンは、時間とともにそのような感情が薄れ、気持ちが楽になるといいます。

あなたの感情は正常です
 一つの『正しい』感じ方などありません。あなたは決して独りではありません――同じような状況で、同じことを感じている人はたくさんいます。親ががんになってから、ものの見方が変わったという人もいますし、今までの自分よりずっと強くなれたと言う人もいます。

●自分の感情とうまく付き合う

 『疲れ果てるまで走ったり、キックボクシングをしたりするのが、僕にとっては一番の気分転換だった。』--親のがんを経験したJed, 16歳

 自分の感情を表に出したがらない人はたくさんいます。そんな人たちは自分の感情を抑え込み、さっさと消え去って欲しいと願います。なかには、本当は落ち込んでいても陽気に振舞う人たちもいます。明るく振舞えば悲しみも薄れ、何かに腹を立てることもなくなると考えてしまうのです。無理すればその時は多少気が晴れますが、長く続くものではありません。実際問題として、自分の気持ちを押し込めることで、あなたに必要な手助けを受ける機会を失ってしまうことになります。

試してみよう:

・あなたのことを一番分かってくれている家族や友人と話してみましょう。これはあなたが是非すべきことです。
・あなたの気持ちを日記につけてみましょう。
・同じような状況の人が集まるようなサポートグループに参加したり、カウンセラーと話をしましょう。これらについては「サポートを見つける」の章で説明します。

 今すぐには何もする気にならないかもしれませんが、自分の感情に対処できるようになれば、この経験を通してあなたはずっと強くなれるでしょう。

あなたの場合はどうですか?

 多くの子どもは、病気の親に心配をかけないように、問題を起こさないようにいつもきちんとしていなければならないと考えます。そう思っているなら、いつも完璧でいられる人なんていないことを覚えておきましょう。あなたには息抜きも必要だし、悲しんだり喜んだりする時間も必要です。両親にあなたの今の気持ちを伝えてみましょう。

 『私は、絶対押しつぶされない、この苦難を乗り切ってみせるって自分に言い聞かせていたの。』--親のがんを経験したLydia, 16歳

 『お父さんががんになってから、姉さんはいつもなんだかんだ言って外へ出て行くようになったんだ。ある日、僕は姉さんに文句を言ったんだ。そしたら姉さんは怒るどころか、泣き出しちゃった。姉さんはお父さんが苦しんでいるのを見ているのが耐えられないと言うから、僕も同じだよって話したよ。それから僕らは何でも話し合えるようになった。いいことだと思う。』--親のがんを経験したJamie, 13歳

(監修:東京大学大学院家族看護学分野 上別府 圭子)

"The U.S. National Cancer Institute dose not currently endorse any foreign-language translations of NCI information by other organizations or individuals, and no such endorsement should be inferred."

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