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2009/11/10

自分自身のケア−心と精神のケア

●心の安らぎを探す

 介護の仕事に追われていても、時には心を休めることが必要です。安らぎを感じ、リラックスできることを考えるようにしましょう。1日にたった数分でも邪魔されない時間があれば、介護にうまく向き合い、集中できるようになるものだと介護する人たちは言います。

 どんなにささいなことであっても、毎日、何か自分のことをする時間を15〜30分はとるようにしましょう(下記の「自分のためにできるちょっとしたこと」を参照)。例えば、介護者の中には軽い運動の後は疲れやストレスが少ないと言う人が多くいますから、散歩したり、走ったり、自転車に乗ったり、軽いストレッチなどをしてみましょう。

 リラックスするための時間をとっても、なかなかくつろげないという場合もあるかもしれません。介護者の中には、ストレッチやヨガなどのようにリラックスを目的とした運動を勧める人もいます。その他、深呼吸したり、ただ座っているだけというのもリラックスする方法です。

●前向きになれるものを見つける

 『私は介護によってずいぶん我慢強くなりました。自分自身が抱く感情も、介護している相手の感情も、ありとあらゆる感情を許せるようになりました。私たちは二人とも多くのことに耐えてきたのですから。』--介護経験者のEsther

 介護で忙しいと、前向きな気分になれる瞬間がなかなか見つからないかもしれません。生活の中で何かいいことを見つけるようにすると気分も晴れると、介護する人たちは言います。毎日、介護のやりがいとなることを見つけてみましょう。その他にも、美しい日暮れの景色や、抱擁、または人から聞いたり、読んだりしたおかしな話など、その日に経験した素敵なことを思い出して、気分を前向きにするようにしましょう。

●受け入れる努力をする

 あなたは今、大切な人を失うかもしれない現実を自分なりに受け入れようとしているところでしょう。時間がかかるかもしれませんが、受け入れることができれば、安らぎが得られます。がんによって命の尊さを一層実感するようになれたと思うかもしれません。将来どうなるのか分からなくても、1日1日をもっと大切に生きようと感じることでしょう。

●感謝の気持ちで

 大切な人のそばにいられることに感謝したり、前向きに行動する機会や、今までできるとは思ってもみなかったことで人に貢献する機会を得て、喜ばしく思っているかもしれません。人と人とのつながりを作り上げ、きずなを強めるよい機会が与えられていると感じている介護者もいます。だからといって、介護はたやすいとか、ストレスがないというわけではなく、大切な人のサポートに意味を見出すことで、より介護がしやすくなるのです。

●他の人との関係

 介護者にとって、人間関係が最も大切であるということが調査結果で示されています。患者本人には話せないようなことを聞いてほしいとか、もうどうしたらいいか分からないという気持ちになったときには特に大切です。

 あなたの気持ちや恐れといったものについて、心を開いて話せる相手を見つけましょう。現在の状況とは無関係の人たちと話すことも必要です。ですから、介護者の中には、他の人たちと連絡を取り合えるような自分たちのネットワークを持っている人もいます。もし介護問題に関しての心配事がある場合には、患者の医療チームに相談してみましょう。しっかりとした知識があれば、不安を減らすことができます。

●笑ってみましょう

 大切な人のがんが進行しているときでも、あなたは笑わずに過ごす必要はありません。実際、笑いは健康的なことです。笑うことで緊張がほぐれ、気分もよくなります。面白いコラムを読んだり、コメディー番組を見たり、陽気な友達と話してみる、または昔あった面白いことを思い出してみるだけでもいいでしょう。ユーモアのセンスを失わずにいることが、介護のコツでもあるのです。

●日記を付ける

 がんについて考えすぎず、かつ、必要なことをしっかり考慮することは難しいものです。日記を付けることが、否定的な考えや感情を打ち消すのに役立つという調査結果があります。実際、日記を付けることで、あなた自身の健康状態もよくなるかもしれません。どんなことを書いてもかまいません。一番ストレスのかかったことを書いてもいいですし、心の奥底を書いてもいいでしょう。また、あなたにとって気分の良かったことを書くのもいいでしょう。

 『近所の人が、私に調子はどうかって尋ねてくるので、「元気よ」と返事をすると、それで満足しているみたいです。でも、本当は元気であるはずもなく私に必要なのは、分かってくれそうな人と話をすることであり、自分のことを聞いてもらうことです。なにも答えてくれなくても、話を聞いてもらえれば、それでいいんです。』--介護経験者のKathy

 介護している相手の病気が重くなると、怒りやいらだちはますます募るかもしれません。そういった感情がわいてきたら、抱え込まずに発散させた方がいいでしょう。怒りの本当の原因は何なのか考えてみてください。疲れているからでしょうか?ケアに不満があるからでしょうか?患者が無理を言うように思えるからでしょうか?感情を吐き出す前に、できれば少し時間を置いてみましょう。運動したり、絵を描いたり、あるいは枕をベッドに叩きつけたりして、怒りを表現するのもいいでしょう。

●罪悪感からの解放

 『1日中クタクタになりながら走り回っていると、うんざりして腹が立ってくるのですが、しばらくすると、病気でもないのにそんな風に感じることに自責の念を覚えるのです。でも、それをどうすることもできない状態が何日間か続くことがあります。自分から望んだわけではない、割の悪い仕事のような気になります。』--介護経験者のHao

 もし罪悪感を覚えるようであれば、以下のことをしてみましょう。

・失敗を気にしない。完璧な人間など誰もいません。気持ちを切り替えて、自分の失敗から学び、次に生かすのがベストです。引き続き、自分ができる限りのことをすればよいのです。自分自身にあまり多くを期待しすぎないようにしましょう。

・必要なことに精力を費やす。あなたの時間と精力を費やすに値するものに目を向けてください。その他のことは、とりあえずおいておきましょう。例えば、疲れたら衣類を畳んだりしないで、休めばよいのです。

・自分自身と他者を許す。今、あなたも周りの人も、できる限りのことをしているはずです。どんな瞬間も、いつの日も、新たにやり直す機会となります。

●サポートグループに参加する

 『私が週に1〜2回したいのは、同じ境遇の人やグループと話をすることです。』--介護経験者のVince

 サポートグループは直接顔をあわせて集まるほか、電話や、インターネットを介して集まるものもあります。サポートグループの人たちは、今起こっていることを別の新たな視点でとらえることができるようにしてくれたり、立ち向かっていくためのアイディアを示してくれたりします。そうして、あなたが一人ぼっちではないことを気付かせてくれるでしょう。

 サポートグループでは、自分たちの感情や経験について話し合ったりして、お互いにアドバイスし合ったり、同じような問題を抱えている人の手助けをしたりします。サポートグループに行ってただ話を聞くことを好む人もいますし、参加を全く希望しない、こういった交流を好まない人たちもいます。

 もし、このような外部のサポートを受けたいと思っているのに、地域のサポートグループが見付からなかったら、インターネットで探してみましょう。ウェブサイトのサポートグループのおかげでとても救われたと話す介護者もいます。

●一時休養支援(ショートステイ)を利用する

 『お母さんと私は今、家でお父さんの看病をしているので、どちらかはお父さんのそばにいることにして、毎朝交代でランニングをします。それが唯一、看病のストレスを軽くする方法なのです。』--介護経験者のMeredith

 もっと早くにショートステイを利用すればよかったと言う介護者はたくさんいます。プライドや罪悪感が邪魔をして、なかなか利用できなかったという人もいますし、早く思い付かなかっただけという人もいます。

 短時間のヘルパーをお願いして患者に付き添ってもらえば、その間少し休んだり、友達に会ったり、ちょっとした用事をしたり、好きなことができます。また、患者を抱え上げてベッドや椅子に乗せたりするなど身体的な負担がかかる介護も手助けしてくれます。もし、こういったサービスを受けたいと思ったら、以下のような準備をするとよいでしょう。

・誰かが時々家の中に手伝いに入るということを本人に話しておきましょう。本人に抵抗感があるようなら、ヘルパーに手伝ってもらったほうが患者自身もあなたも助かるということを、友人や他の家族から説得してもらいましょう。

・友人やヘルスケアの専門家(監修者注釈:日本ではケアマネージャー)に紹介してもらいましょう。居住地区の高齢者機関(監修者注釈:日本では地域包括支援センター)からも紹介してもらえるはずです。

・どういった介護業務ができるかをヘルパーに尋ねておきましょう。

 シュートステイの支援は、家族、友人、近所の人、同僚、教区の人、行政、あるいは非営利団体に頼むこともできます。どのような手段をとったとしても、援助や休息を必要とするからといって介護者として失格ではないということを、忘れないでください。

●自分のためにできるちょっとしたこと

毎日、次のようなことをして少し介護を休みましょう。

・昼寝やうたた寝。

・運動。

・趣味を続ける。

・ドライブに出かける。

・映画を見る。

・庭仕事をする。

・買い物に出かける。

・電話や、手紙、電子メールのやりとり。

(監修:聖隷三方原病院緩和支持治療科 森田 達也)

"The U.S. National Cancer Institute dose not currently endorse any foreign-language translations of NCI information by other organizations or individuals, and no such endorsement should be inferred."

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