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2010/12/7

疲労・全身倦怠(3)

がん治療

 疲労は、放射線療法や化学療法の実施後によくみられる症状です。これは、貧血が原因となる場合もあれば、細胞で作られる毒性物質の集積が原因となる場合もあります。放射線療法の場合、損傷した皮膚組織の修復に多大なエネルギーが使われるために疲労が生じます。

 いくつかの要因のなかには化学療法による疲労に関係しているものもあります。がんの診断や治療に対する心理低反応として、気分の変化や睡眠パターンの異常をきたす人もいます。吐き気や嘔吐、慢性疼痛、体重減少も疲労の原因となりえます。

 疲労については以前より放射線療法との関連性が指摘されてきましたが、その関係性については依然よく分かっていません。普通、治療が終了すればこうした疲労は軽くなりますが、全ての患者さんが通常のレベルまで回復するわけではありません。高齢の患者さん、進行期の患者さん、併用療法(例、化学療法と放射線療法)を受ける患者さんでは、長期の疲労が発生するリスクがより高くなります。

 生物学的療法はしばしば疲労の原因となることがあります。このような状況では、疲労はインフルエンザ様症候群として知られる一群の副作用の1つとして現れます。この症候群ではほかにも、発熱、寒気、筋肉の痛み、頭痛、漠然とした不快感などがみられます。はっきりした思考ができないといった問題を訴える患者さんもいます。患者さんが感じる疲労の種類やパターンは、用いられる生物学的療法の種類によって異なります。

 がんの患者さんの多くは診断または治療のために手術を受けます。疲労は手術後に生じる問題の1つでもありますが、手術による疲労は時間とともに改善されていきます。しかし、他のがん治療による疲労とあいまって悪化する場合もあります。

貧血

 貧血は、がんによる疲労とがんの患者さんの生活の質(QOL)に影響する重要な因子にもなりえます。貧血はがん自体やがん治療が原因で起こることもあれば、これら以外の医学的原因が関係している場合もあります。

栄養学的要因

 患者さんの食事から補給される量以上に体がエネルギーを必要としている場合には、しばしば疲労が生じてきます。がんの患者さんでは、次の3つの主要な因子が関与しています。正常に食べ物を消化する能力の異常、体のエネルギーの要求量の増大(腫瘍の増殖、感染、発熱、呼吸困難などが原因で起こる)、食べ物の摂取量の減少(食欲減退、吐き気、嘔吐、下痢、腸閉塞などが原因で起こる)。

精神的な要因

 がんの患者さんの気分、信念、態度、ストレスに対する反応などが疲労の発生に寄与する場合もあります。全ての患者さん(がんだけでなく他の疾患の患者さんも含む)の中の疲労のある症例のうち、約40〜60%は、疾患などの身体的原因以外の要因が原因となっています。不安とうつ病は、疲労の原因となりうる最も一般的な心理的障害です。

 うつ病は、患者さんを無力な状態にする疾患で、がんの患者さんの約15 〜 25%が罹患するとされています。患者さんがうつ病(興味の低下、集中力の欠如、精神的、身体的な疲れ、絶望感など)に陥ると、身体的な原因による疲労が悪化し、通常よりも長引く可能性があり、さらに、身体的な原因が解消されてからも続いていく場合もあります。がんの診断のほか、患者さんの身体的、精神的、社会的、経済的な状態への影響に関連する不安や恐怖は、情緒的ストレスの原因となります。がんと診断されたことによる苦痛は、疲労を誘発する条件を全て満たしているといえます。

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