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2010/11/22

疲労・全身倦怠(1)

はじめに

 疲労に関する患者さん向けのこの章は、がんの専門家が医療従事者向けに作成した要約を編集したものです。本稿を含め、がんの治療、スクリーニング、予防、支持療法、および現在米国で行われている臨床試験についての信頼できる情報が米国国立がん研究所(NCI)より提供されています。疲労は、がんと診断された人とがんの生存者の人において最もよく聞かれる訴えの1つです。この短い要約では、疲労とその原因および治療法について記載されています。

概要

 疲労・全身倦怠はがんの患者さんの14〜96%に認められ、がんに対する治療を受けている患者さんでは特に多くみられます。疲労のメカニズムは複雑で、その原因には生物学的なものや心理的なもの、それに行動面の要因などがありえます。疲労を表現するのは難しく、がんの患者さんでは、疲れた、力が出ない、へとへとだ、疲れ果てた、元気が出ない、体が重い、だるいなど、様々な表現が用いられます。医療専門家のほうも、疲労を表現するのに無力症、疲労、倦怠、虚脱、運動不耐、活力の低下、脱力など、様々な専門語を使用します。

 疲労は、エネルギーの不足が原因となって苦痛や種々の機能の低下が引き起こされる状態と表現することができます。具体的な症状は身体面、心理面、および情緒面に及びます。効果的に治療するためには、がんとがん治療に関係する疲労を他の原因による疲労と区別する必要があります。

 疲労には急性のものと慢性のものがあります。急性疲労とは、急に発生してすぐに消失する偶発的な症状を伴った正常な疲れのことです。健康な人では休息によって疲労感を軽減し正常レベルの機能を取り戻すことができますが、がんの患者さんではこうした回復能力が低下しています。慢性疲労は長期間続きます。慢性疲労症候群とは、遷延または再燃する長期間続く消耗性の疲労のことです。この病態は、がんの患者さん以外でも診断されます。治療や疾患に関係する多くの要因が疲労の原因となりえますが、がんの患者さんに疲労が生じる正確なプロセスはまだ解明されていません。

 疲労は、がんの患者さんの生活において非常に重大な問題にもなりえます。患者さんの自己に対する感情、日常生活における活動や人間関係、そしてがん治療を継続するかどうかなどに影響を与える場合もあります。一部のがん治療を受けている患者さんでは、失業したり、友人と疎遠になったり、睡眠時間が長くなったりすることもあり、ときには、疲労が原因となって身体活動ができなくなる場合もあります。疲労のある患者さんが身体的な不自由のために休暇を必要としたり完全に仕事を辞めなければならなくなった場合には、経済的な困難が生じることもあります。失業によって、健康保険を失ったり、医療が受けられなくなったりすることもあります。疲労とその原因を理解することは、効果的な治療法の決定や患者さんの疲労への対処において重要となります。疲労の程度を測定する検査法が開発されています。

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