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2010/10/19

性的能力(セクシャリティー)および生殖の問題(3)

■化学療法に関係する因子

 男女ともに、化学療法には性欲の喪失や性交回数の減少が伴います。吐き気や嘔吐、下痢、便秘、粘膜炎、体重の変化、抜け毛などといった化学療法でよくみられる副作用は、個人の性的な自己イメージに悪影響を及ぼし、自分には魅力がないという感覚を生じさせることがあります。

 女性では、化学療法によって膣が乾いてしまい、性交時に痛みが生じ、オルガズムを達成する能力が低下してしまうことがあります。年配の女性では、化学療法が卵巣がんのリスクを高めてしまう場合があります。また、化学療法によって卵巣からのエストロゲンの生産が突如として停止してしまう場合もあります。エストロゲンが欠乏してくると、膣が萎縮して薄くなって弾力性を失ってしまったり、膣の乾燥やほてり、尿路感染症、気分の変動、疲労などが起こったり、いらだちやすくなったりしてきます。片側または両側の卵巣を摘出する手術を受けたことのある乳がんの若い女性でも、エストロゲンの欠乏に関係する症状が現れてくることがあります。

 こうした症状を抑える治療法としてエストロゲン補充療法がありますが、この治療法には乳がんを再発させてしまう危険性があるため、こうした女性では非常に高い頻度で性的問題が発生しています。

 しかしながら、その他の種類のがんの女性にとっては、エストロゲン補充療法は多くの性的問題を解決する手段となるのが通常です。また、骨髄移植の後に起こる移植片対宿主病(移植された骨髄や末梢血幹細胞が移植を受けた人の組織に対して起こす反応)のある女性では、瘢痕(はんこん)組織ができて膣が狭くなるために性交が妨げられる場合があります。

 男性では、骨髄移植の後に、移植片対宿主病や神経の損傷によって性欲の喪失や勃起不全などの問題がより多く発生するようになります。また、化学療法の副作用によって精巣でのテストステロンの生産が阻害されるという事態も時折みられます。この場合には、性機能を回復させるためにテストステロンの補充が必要となることがあります。

■放射線療法に関係する因子

 化学療法と同様に放射線療法でも、疲労や吐き気、嘔吐、下痢などの性的感情を減退させる症状が副作用として生じてきます。女性では、骨盤への放射線療法によって膣の内側の表面に変化が起きることがあります。この変化のために膣の中が狭くなり、さらに瘢痕(はんこん)組織が形成され、結果として性交時の痛みや不妊症、その他の長期的な性的問題が生じてきます。そのため女性には、こうした副作用についてあらかじめ医師と話し合っておき、また膣拡張器の使用についても尋ねておくべきでしょう。

 男性では、放射線療法によって勃起の達成と持続に関する問題が生じることがあります。放射線療法後に性的問題がなぜ起こるかについては正確には分かっていません。考えられる原因としては、神経の損傷、陰茎への血流障害、テストステロンの減少があります。性的変化は、放射線療法終了後の6カ月間から1年間にわたって非常にゆっくりと生じてきます。がんになる前に勃起不全の問題を抱えていた男性では、がんの診断と治療の後に性的問題が発生するリスクが非常に高くなります。男性の性的問題のリスクを高める危険因子としては、この他にも喫煙、心臓疾患の病歴、高血圧、糖尿病などがあります。

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