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2010/10/5

性的能力(セクシャリティー)および生殖の問題(1)

はじめに

 がんの性的副作用とがん治療の性的副作用に関する患者さん向けのこの章は、がんの専門家によって医療従事者向けに作成された要約を編集したものです。本稿を含め、がんの治療、検診、予防、支持療法および現在米国で行われている臨床試験についての信頼できる情報が、米国国立がん研究所(NCI)から得られます。より良い治療法が多くのがんに対して開発されてきた結果、より長い無病生存期間(治療後に再発なく過せる期間)を経験する患者さんが多くなってきました。さらに、がん自体やがんの治療に伴う副作用もより多く発生するようになってきています。

 この患者さん向けの要約では、性欲や身体的、精神的な性機能障害などを含めた性的能力(セクシャリティー)のあらゆる面に関して、がんとがんの治療が及ぼしうる影響について記載されています。

がんの患者さんにおける性機能障害とその種類

 性的能力(セクシャリティー)とは、個人の身体面、精神面、対人関係、行動面が関与する複雑な性質のことです。したがって「正常」な性機能という言葉には、幅広い意味が含まれるという認識をもたなければなりません。究極的な意味での性的能力(セクシャリティー)とは、患者さんとそのパートナーで構成されるカップルごとに、性別、年齢、個人の態度、宗教的価値観、文化的価値観などに応じて定義されるものです。

 様々な種類のがんや多くのがん治療が、性機能障害の原因となりえます。乳がんまたは婦人科がんの治療を受けたことのある女性の約半数が長期間にわたって性機能障害を経験しているということが、研究から明らかとなっています。前立腺がんの治療経験のある男性では、治療の種類に応じて勃起不全の問題が様々な程度で発生してきます。

 個人の性的反応への悪影響は様々な形で生じてきます。身体的な原因と精神的な原因の両方が重なって性機能障害が引き起こされるということもしばしば見受けられます。がんの患者さんで最も多くみられる性的問題は、性欲の減退、男性では勃起の達成と持続の問題、女性では性交時の痛みとなっています。また男性では、射精できない、射精中に膀胱への逆流が起きてしまう、オルガズムを達成できないなどの事態が生じてくる場合もあります。女性では、痛みによる性器感覚の変化、感覚の喪失や麻痺、オルガズムの達成が難しくなるなどの問題が生じる場合もあります。大抵の場合、男女ともそれでもオルガズムを達成できるのですが、薬物投与や不安のためにその到達までの時間に遅れが生じることがあります。

 性的問題は、がん治療のその他の身体的副作用の多くとは異なり、無病生存期間の最初の1〜2年以内には解決されないため、普段の生活への復帰を妨げる要因となります。がんからの回復過程にある患者さんには、医療専門家と性的問題に関する心配事について話し合っておくことが重要です。

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