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2010/9/21

喪失、悲嘆、死別(7)

 米国の社会では、悲嘆の過程にある大人の多くが引きこもって人との会話を避けるようになります。しかし子供はというと、周りの人々に(ときに見知らぬ人物にさえ)話しかけてその反応をうかがい、自分が取る反応のための手がかりを得ようとします。ときに子供はややこしい質問をしてくることがあります。例えば、「おじいちゃんは死んだんだよね、でも、いつ帰ってくるの?」といったような質問です。こういった質問は、現実を調査し、その死について語られる内容が変わっていないかを確かめるための手段なのです。

●悲嘆の過程にある子供が抱くその他の疑問

 子供の悲嘆では以下の3つの疑問が表出されます。

◎私のせいで死んでしまったの?
◎私も死んじゃうの?
◎だれが私の面倒をみてくれるの?

◎私のせいで死んでしまったの?

 子供はしばしば自分が呪術的な力をもっていると信じています。母親がいらだちのあまり「あなたのせいでお母さんは死にそうよ」などと言って、その後実際に亡くなってしまった場合には、その子供は実際に自分が母親の死を引き起こしてしまったと考えてしまうことがあります。また子供は、けんかの中で「死んでしまえ」などと言う(あるいは思う)ことがあります。そうして相手の子供が実際に亡くなるようなことがあると、残された子供は自分の考えが実際にその死を引き起こしてしまったと考えてしまうことがあります。

◎私も死んじゃうの?

 子供にとって他の子供の死は特につらいことです。その死は(親や医師の手によって)防げたかもしれないと考える子供は、自分も死んでしまうのではないかと考えるようになることがあります。

◎だれが私の面倒をみてくれるの?

 子供は両親や他の大人に養育という点で依存しているため、悲嘆の過程にある子供は、大切な人の死んだ後には誰が自分の面倒をみてくれるのだろうと心配になることがあります。

●悲嘆の過程にある子供の治療

 子供の悲嘆過程をより楽なものにするためには、死について隠し立てをしない誠実な態度をとり、直接的な言葉を用いて説明し、亡くなった人の追悼行事に子供を参加させるのが有効となってきます。

[死についての説明]

 死について何も話さないこと(すなわちその話題に触れてはいけないと示すこと)は、子供が喪失への対処法を学習することの助けにはなりません。死について子供と話し合う場合も、説明はわかりやすく直接的である必要があります。それぞれの子供の理解の限度に応じた詳しい説明によって、真実が伝えられなければなりません。また、子供の疑問には正直にかつ直接的に答えなければなりません。さらに、その子自身の安全性について安心させる必要があります(自分も死んでしまうのではないか、残った親もどこかへ行ってしまうのではないかなどと心配していることが多いのため)。子供の疑問にはきちんと答え、その答えを子供が確かに理解できるように努めることも必要です。

[正しい話し方]

 死についての話し合いでは、「がん」、「死んだ」、「死」などの正しい言葉を使うべきです。言い回しや言葉の置き換え(例えば、「どこかに行った」「眠りについた」「いなくなってしまった」)は、子供に混乱や誤解を与えることがあるので決して使ってはなりません。

[追悼行事の計画]

 誰かの死に際して、子供を追悼行事の計画や式典に参加させることは可能ですし、またそうすべきです。こうした行事に参加することで、子供は(大人も)愛する人のことを記憶に留めておくことができます。これらの行事に参加することを子供に強制するのはよくありませんが、行事の中で子供が最も出たいと思う部分だけにでも出席するよう促すべきです。子供が葬儀、通夜、告別式などへの出席を望む場合は、前もって何が起きるのかをきちんと説明しておかなければいけません。残った親は悲嘆にくれるあまり子供に対して十分な配慮ができない場合もあるため、悲嘆の過程にある子供に関しては、親しい大人や親族がその面倒をみていくことが助けとなっていきます。

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