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2010/9/14

喪失、悲嘆、死別(6)

●子供の悲嘆と発達段階

 発達段階が異なれば、死や死に近い出来事に対する子供の理解も異なってきます。

乳児

 乳児は死について認識していませんが、喪失や別離で生じる感情によって少しずつ気づいていきます。乳児を母親から引き離すと、動きが緩慢になる、おとなしくなる、微笑や声かけに反応しなくなる、身体の変化(例えば、体重減少)、活動性の低下、睡眠時間の減少などといった現象が生じてきます。

2〜3歳

 この年齢の子供では死と眠りの区別がついていない場合が多いのですが、3歳にもなると不安を経験するようになります。そうした子供は会話をしなくなってしまい、完全に苦痛を感じているようにみえます。

3〜6歳

 この年齢の子供は死を眠りの一種だと理解しており、死者は生きているけれども、生き方が制限されているだけだと考えます。つまり、生と死の区別が完全にはついていないのです。子供はたとえ埋葬が終わった後でさえも故人は生きていると考えているため、その故人に関する質問をしてきます(例えば、どうやって食事するのか、どうやってトイレに行くのか、どうやって呼吸するのか、どうやって遊ぶのか)。幼い子供は肉体に死が訪れることを知っていても、それは一時的なもので、元に戻すことができ、終わりではないと思っています。子供の考える死には、呪術的思考が組み込まれている場合もあります。例えば子供は、そう思うことで他人を病気にしたりあるいは死なせたりすることができると考えていることがあります。5歳未満の子供では、悲嘆が原因で食事や睡眠、排尿、排便などの機能に支障が生じてくることがあります。

6〜9歳

 一般にこの年齢の子供は、死に対して強い興味を抱き、死んだ人の体には何が起きるのかを尋ねてきたりします。死は、生きていた人間の体から人格や魂が離れていくことと認識されていて、がいこつやお化け、死の天使、子取り鬼などはその結果生まれたものと思われています。この年齢になると、死のことを人生の終わりを意味する恐ろしいものと考えるようになるのですが、一方では、高齢の人ばかりに起こる(つまり自分達には起こらない)ものともとらえています。悲嘆の過程にある子供では、学校を怖がる、学習面に問題を抱える、反社会的な行動や攻撃的な行動を取る、過剰に健康を心配する(例えば、自分が病気であると想像するあまり実際に症状が現れてくる)、引きこもる、などの問題が生じてきます。もしくは、異常なまでに人にくっついたり、まとわりついたりするようになる場合もあります。男の子では、悲しみを素直に表現する代わりに、攻撃的で破壊的な行動を示す(例えば、学校での行動化)のが通常です。片方の親を失った場合は、悲嘆のためにもう一方の親も子供を情緒面で支えてやれないため、子供は亡くなった親と生きている親の双方に見捨てられたように感じることがあります。

9歳以上

 9歳になるまでには、死は避けられないということを理解し、死を罰としてはとらえないようになります。12歳になるまでには、死は人生の終わりを意味するもので、また誰にでも起きるものであることを理解するようになります。

悲嘆と発達段階

年齢死の理解悲嘆の表現
乳児から
2歳
まだ死を理解できない。寡黙、不機嫌、不活発、不眠、体重減少。
母親との分離により変化が生じる。
2〜6歳死は眠りのようなもの。たくさんの質問をする(どうやってトイレに行くの?どうやって食事するの?)。
摂食、睡眠、排尿、排便の問題。
捨てられることへの恐怖。
かんしゃく。
死者は何らかの方法で生きて活動し続けている。たから?言ったから?大嫌いだ、死ねばいいのにって言ったから?)。
死は一時的なもので、終わりではない。
死者は生き返ることができる。
6〜9歳死を人格または魂の離脱と考える(がいこつ、お化け、子取り鬼)。死への好奇心。
特定の質問をする。
学校を過度に恐れることがある。
死は終わりを意味するもので、恐ろしい。攻撃的な行動を取ることがある(特に男児)。
病気を想像して心配になる。
死は他人には訪れるが、自分には訪れない。見捨てられた気持ちになることがある。
9歳以上人は皆いつか死ぬ。感情の高ぶり、自責感、怒り、羞恥心。
自分の死についての不安が増大する。
気分の変動。
死は終わりを意味するもので、変えられない。拒絶されることを恐れ、友達と違うことを嫌がる。
自分もいつか死ぬ。食習慣の変化。
睡眠の問題。
退行行動(屋外活動への興味の喪失)。
衝動的行動。
生きていることへの罪悪感(特に兄弟姉妹や友人の死について)。

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