このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん

2010/9/7

喪失、悲嘆、死別(5)

子供と悲嘆

 以前は、子供は大人の縮小版で、大人と同じように行動するものと考えられていました。しかし現在では、子供と大人では喪の過程に違いがあるということが分かっています。

 死別を経験した子供の悲嘆反応は、大人のものとは違って、絶え間なく続く強い感情や行動として現れることはありません。子供の悲嘆は、短時間に限られた散発的なもののようにみえることもありますが、実際には大人の悲嘆よりも長く持続しているのが通常です。これは、子供には強い感情を経験する能力が限られているためと説明されています。子供は成長の過程で繰り返し喪に向かわねばなりません。死別体験は長期間継続する過程であるため、子供時代に死別を体験した人は、キャンプや卒業、結婚、子供の誕生などの人生の重大事のたびに、その喪失について繰り返し考えさせられることになります。

 子供の悲嘆は年齢や性格、発達段階、過去の死にまつわる経験、故人との関係などに影響されます。また、死をめぐる状況や、死の原因、その死の後も家族が互いにコミュニケーションを取って家族が家族であり続けられるか、などの要素も悲嘆に影響を及ぼします。さらに、その後の養育の必要性、誰かに感情や思い出を共感してもらえる機会の有無、両親のストレス対処能力、他の大人との安定した関係などもまた、子供の悲嘆に影響を及ぼす要因です。

 喪失に対する子供の反応は、大人のものとは異なります。子供の場合、悲嘆の過程にあっても大人のように感情をあらわにしない場合があります。内にこもったり故人のことをくよくよ考えたりせず、何かの活動に没頭する子供もいます(例えば、ふと悲しそうにしていてもその次の瞬間にはもう遊んでいるなど)。そのため他の家族は、子供が死をきちんと理解していない、あるいは、もうその死を乗り越えたものと考えてしまいがちです。しかしこれはそうではなく、圧倒的な力をもつ物事から自分自身を守ろうとする、精神的な防衛反応なのです。また子供の悲嘆の期間が短いのは、大人のように自分の思考や感情について深く考えることができないからです。子供はまた、悲嘆に関する感情を言葉で表現することもうまくできません。そのため子供は、その代わりの手段として、行動で訴えようとします。悲嘆の過程にある子供では、遺されたことや死に対する怒りや恐れといった強い感情が、行動として現れてくることがあります。また感情や不安に対処していく手段として、遊びの中に死を取り入れることがしばしば見受けられます。こうした遊びは子供にはよくみられるものであり、子供が安心して感情を表現できる良い機会となっています。

書籍の購入はこちら

がん情報サイト

この記事を友達に伝える印刷用ページ