このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん

2010/8/24

喪失、悲嘆、死別(3)

予期悲嘆

 予期悲嘆とは、患者さんやその家族が死を予期したときに生じる正常な喪のことをいいます。予期悲嘆では、患者さんの没後に家族が経験するものと同じ症状が数多く現れてきます。この悲嘆には、予期されている死に関する思考や感情、文化的・社会的反応で、患者さんとその家族が感じるもの全てが含まれます。

 予期悲嘆では、抑うつ、死にゆく人に対する極度の心配、死に対する準備、その死がもたらす変化への適応などが起こってきます。予期悲嘆には、この喪失という現実に家族がゆっくりと時間をかけて慣れていくことを可能にするという効用があります。また、死にゆく人に対してやり残していたことを済ませておくことも可能になります(例えば、「お別れの言葉」、「愛の言葉」、「許しの言葉」を伝えるなど)。

 予期悲嘆は必ず生じるわけではありません。また予期悲嘆とはいっても、死の後に経験する悲嘆と同種のものを死の前に経験するということではありません。人が経験する悲嘆には決まった量はありません。そのため、死の前に悲嘆を経験したとしても死の後の悲嘆の期間が短くなるわけではありません。

 不測の死に続いて生じる悲嘆は、予期悲嘆とはその性質が異なってきます。不測の喪失が起きると、それがその人の対処能力を超えてしまう結果、正常な活動を継続する能力を維持できなくなる場合があります。また、喪の過程にあっても喪失という衝撃を完全に認識することができない場合もあります。さらに、その喪失が起きたことを頭では理解していても、精神的、情緒的にその喪失を受け入れることができない場合もあります。不測の死に遭遇すれば、喪の過程にある人には世の中が理不尽で不条理であるかのように感じられることがあります。

 一部には、予期悲嘆などめったに起こらないと考えている人もいます。人は、まだ生きているうちに愛する人の死を受け入れてしまった場合、その死にゆこうとしている人を見捨ててしまったかのような気持ちになることがあります。また喪失を予期することは、しばしば死にゆく人への愛着を強めることにつながってきます。予期悲嘆は家族にとっては助けとなりますが、死にゆく人にとっては過度の悲嘆を経験することにつながり、患者さんが内にこもる原因となってしまう場合もあります。

悲嘆の各段階

 死別の過程は、以下の4つの段階に分けられるといわれています。

1.精神的打撃と麻痺状態
遺族はその死をなかなか信じることができず、呆然としたり現実感覚の麻痺した状態に陥ったりする。

2.思慕と探索
遺族は分離不安を経験し、喪失という現実を受け入れることができない。遺族は失った人を探して連れ戻そうと試みますが、それが不可能だと分かると今度は挫折感や失望感を感じます。

3.混乱と絶望
遺族は気分の落ち込みを感じ、将来の計画を立てることが困難になる。すぐに気が散ってしまうために、遺族は集中して何かに取り組むことができなくなってしまいます。

4.立ち直り

書籍の購入はこちら

がん情報サイト

この記事を友達に伝える印刷用ページ