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2010/7/13

人生の最後の数日間から数時間(6)

倫理的問題

 終末期のケアや治療に関する選択は、患者さんに決断する能力が残っている間に行っておくべきです。

 終末期の諸症状に対する治療法についての決定だけでなく、そうした治療を中止するかどうかや中止する時期を決めておくことも、患者さんにとって有益となります。可能な限りすべての治療を受けたいと希望する患者さんもいれば、一部の治療法だけを望む患者さんや、一切の治療を望まない患者さんもいます。これらの決定事項は、前もって事前指示書(リビングウィルもその一種)という書面にすることができます。事前指示書とは、一定の種類の法的書類を総称した用語で、ある人が自分の意思を表明できなくなったときに受けたいあるいは受けたくないと望む治療法やケアを記載するものです。

 また、自分で意思決定ができなくなったときに代わりにそれを行う人として、患者さんが医療代理人を指名することもできます(医療委任状)。事前指示書を作成しておけば、栄養サポートや心肺蘇生、人工呼吸器の使用、鎮静薬の投与などを行うかどうかなど、最後の数日間に家族や医療提供者が下さなければならない非常に重要な決断を容易にすることができます。

●栄養サポート

 最後の数日間の患者さんに対する栄養サポートの目標は、がん治療を行っている期間における目標とは異なります。

 がん治療を行っている間は、栄養サポートを行うことで健康状態を改善させたり、治癒を促進させたりすることができます。最後の数時間における栄養療法の目標は、積極的ながん治療を受けている患者さんや回復過程にある患者さんの場合の目標とは異なります。最後の数日間になると、飲食に関する願望がなくなることがしばしばあり、出された食べ物や水分の摂取を患者さんが拒否することもあります。また、栄養チューブを留置するための手技や、この種の栄養法に伴って起きうる諸問題が、患者さんの負担となる場合もあります。

 最後の数日間における栄養サポートについて計画を立てておくことが有益となります。

 終末期ケアの目標は、苦痛を未然に防ぎ、症状を緩和していくことにあります。栄養サポートが原因で生じる苦痛の程度がその有益性を上回る場合には、それ以降から終末期の栄養サポートは中止されることがあります。栄養サポートを行うかどうかについては、その患者さんのニーズと最善の利益が決定の指針となります。患者さんが栄養サポートに関する意思決定と計画を行っておけば、医師と患者さんの家族は、自分たちが患者さんの希望に沿ったことをやっていると確信することができます。

 栄養サポートには一般に2種類の方法が用いられます。

 患者さんが物を飲み込むことができない場合には、一般に以下の2種類の栄養サポートの方法が用いられます。

◎経腸栄養法では、胃または腸に挿入したチューブが用いられる。
◎非経腸栄養では、静脈内に挿入した静脈内(IV)カテーテルが用いられる。

 どちらの栄養サポートにも有益な点とリスクがあります。

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