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2010/6/22

人生の最後の数日間から数時間(3)

●咳

 終末期に生じる慢性の咳によって患者さんの不快感が増強することがあります。咳を繰り返すことよって、痛みが生じたり、睡眠が妨げられたり、疲労感が高まったり、息切れが悪化したりする可能性があります。終末期には、その原因を特定し治療するのではなく、咳という症状自体を治療するという選択がなされる場合もあります。以下のような薬を使用することによって、患者さんの状態をできるだけ快適にすることが可能です。

◎オピオイド薬(咳を止める)
◎副腎皮質ステロイド(腫れたリンパ管を元に戻す)
◎抗生物質(感染症の治療)
◎気管支拡張薬(慢性閉塞性肺疾患による喘鳴や咳を軽減する)
◎利尿薬(うっ血性心不全が原因の咳を軽減する)

 また、一部の薬(高血圧や心不全に対して用いられるACE阻害薬など)は咳を引き起こすことがあるため、医師はすでに使用されている薬の種類に注意を払います。

●死前喘鳴

 咽頭や上気道の内部に唾液などの液体が溜まると、喘鳴が聞かれるようになります。

 咳払いができないほどに衰弱した患者さんでは、咽頭や気道の内部に唾液などの液体が溜まってくると、ゴロゴロといった音(喘鳴)が聞かれるようになります。喘鳴には2種類のものがあります。死前喘鳴は、咽頭の後方部分での唾液の貯留が原因で起こります。もう一種の喘鳴は、感染や腫瘍、身体組織内での水分の過剰などが原因で、気道内に液体が貯留することによって生じます。

 口腔内の唾液の量を低下させたり、上気道を乾燥させたりするために、薬を投与することもあります。喘鳴のある患者さんのほとんどは薬を飲み込むことができないため、これらの薬は通常、皮膚に貼るパッチ剤か点滴剤として投与されます

 薬を使用しない喘鳴の治療としては、患者さんの姿勢を変える、水分の摂取量を少なくするなどの方法があります。

 ベッドの頭側を起こす、枕で患者さんの体を支える、患者さんを横に向かせる、などの方法が喘鳴の軽減に有用となりえます。喘鳴の原因が咽頭後方部分に貯留した液体である場合は、口から吸引チューブを入れて余分な液体を優しく除去することが可能です。喘鳴の原因が気道内に貯留した液体である場合は、吸引による液体の除去は通常行われません。吸引によって患者さんに身体的および精神的ストレスがかかるためです。

 終末期になると、体が必要とする食物や水分の量が少なくなります。食べ物と水分の摂取量を減らすことで、体内の過剰な液体の量を減らして、喘鳴を大幅に緩和することができます

 死前喘鳴は死が近いことを示す徴候です。

 死前喘鳴は、数時間ないし数日間で死に至る可能性があるということを示す徴候です。喘鳴は患者さんのそばにいる人にとっては衝撃的な出来事ともなりえます。しかし患者さんにとっては苦痛ではないようです。

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