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2010/12/7

工夫しよう!尿漏れ対策

 婦人科のがんで広汎子宮全摘出術を行った場合、膀胱神経に障害を受け排尿障害になることがあります。

◆くしゃみや重いものを持ったとき、ちょっとちびる腹圧性尿失禁

 尿とりパッドが安心です。尿漏れ量にあわせてデオドラント効果のあるものを選ぶといいですよ。

 それから、尿道を締める筋肉を鍛える骨盤底筋体操(肛門をキュッと締めて5〜10秒キープを5〜10回、1日10セットを行う/図1)も効果的。

◆気づいたときには満タンで我慢できない切迫性尿失禁

 デスクワーク中に何度もトイレに行くと、サボっていると思われてイヤですよね。それで私、我慢してトイレにあまり行かなかったら膀胱炎になってしまいました。膀胱炎予防のために大量の水を飲んだら、今度はトイレが頻回! その悪循環で仕事どころじゃなくなりました。

 また、会社帰りの車中で急な尿意におそわれ、さあ大変!でも周りは田んぼ……、そして自宅トイレの前で無念のお漏らし……。後始末をしながら、泣けました。

 てなわけで、頻尿は薬で治療できるものもあるからドクターに相談しましょう! それから、排尿日記(排尿・尿漏れの時間と状況、排尿量、尿意の有無・強弱、飲水の量、気づいたことを記入する)をつけると排尿のリズムがわかり、尿漏れ防止対策になります。

◆尿意がない・出ない・出にくい・途切れなどの排尿困難

 尿意がないとき、尿意があるのに尿が出ないときは、定期的にトイレへ行くことで膀胱炎や腎盂腎炎を予防し、膀胱の機能回復を助けます。

 膀胱に残尿量が多いときは自己導尿と内服薬、排尿日記をつけ、医師の管理下で治療します。私は、医師から「完治するかどうかわからない」と言われ、「一生、自己導尿か……」と落ち込んだけれど、根気よく治療して自己導尿も薬も卒業することができました。

 自己導尿は一般のトイレでは落ち着かなくて失敗ばかり。だけど多目的トイレで快適導尿! もしも導尿用カテーテル(写真A)をかける場所がないときは、予備のトイレットペーパーの芯に立てればOK!(図2参照)

 それから「勘」で尿導部にカテーテルを入れられない場合は、ビニール袋を足元に敷いてバッグを置き、手鏡の柄をファスナー部に差し込み、あわせてペンライトも同様に固定すれば、手元が見えないイライラは解消!(図3参照)

 おしっこが出にくいときは、シャワートイレ機能を利用し、陰部に刺激を与えたり、下腹部を軽くマッサージするのも効果がありますよ。出にくい・途切れるからといって、力みすぎは膀胱の筋肉を悪くするので要注意。

 患ってみて、はじめてわかる排尿のありがたさ。とかく、“おしも”の話は恥ずかしさが先立ってひとりで悩んでしまいがち。失敗してもそれを笑い話に変えられる、そんなカッコイイ女になりましょう!

◆退院して家庭で導尿する場合の工夫

 私の場合、自宅でも導尿をしていました。まず、便座のフタを閉じて、フタの上に手鏡を置き、そこをまたぐかたちで片足をフタの上に載せて(ロック系の方がアンプに片足を載せる、もしくは裕次郎の波止場でのポーズとか)行っていました。自己導尿の保管ビンは口の細いコップなどを利用したり、タンクの吸水パイプに引っ掛けたり。

 導尿中のシャワートイレは、ノズル部分を常に清潔にしてあれば問題ありませんが、不特定多数の人が使う場所では雑菌が繁殖している場合があるので注意が必要です。

 自己導尿を卒業しても、落ち着かないトイレだとほとんど出なかったり、消音装置の時間内に終わらなかったり、力むと別のものが出たり! いろいろあるけど、ゆったりと構えるのが一番かもしれません。

 排尿障害はがん治療の置き土産みたいなモンです。自己導尿をはじめてやったときは情けない気持ちでいっぱいでしたが、立ちション感覚も味わえて、それなりに楽しかったです。

(及川みか&shiyoh)

●広汎子宮全摘出術……子宮の周りにある卵巣、卵管、リンパ節、膣の一部などを一緒に摘出する術式。
●骨盤底筋体操……子宮がん経験者だけでなく、加齢や出産などで軽い失禁が起こる人にも有効。骨盤底筋とは子宮や腸・膀胱を支えている筋肉で、この筋肉を強化して尿漏れなどを起こりにくくする。
●腎盂腎炎……膀胱に入った細菌が、腎臓・腎盂まで侵入し炎症を起こすこと。広汎子宮摘出手術を受けた患者が患う可能性が高い。死に至る可能性があるため早めの処置が必要。
●自己導尿……自力で尿が出せない場合、管を膀胱に挿入して尿を排出する医療行為を自身で行うこと。
●導尿用カテーテル……導尿用の管のこと。試験管のような容器に消毒液を入れて、そこに浸して保管する。

あったらいいな〜「採血マイスター制度」

 抗がん剤にはいろんな副作用があるけど、私がいちばん泣いたのが血管炎。これは今でも痛い!

 自分の腕のことを「血管が浮き上がる力強い腕!」だと思っていたのですが、中身をあけると意外に血管が細かったんです。「あれ?」と異変に気がついたのは3回目の抗がん剤治療のあと、自宅でお風呂に入っていたとき。ふと左手を見たら、なんだか血管が周りの肉より凹んでいるんです。まるでハワイのキラウェア火山のマグマ跡! 「何これ?」

 見た目も変だったので、半そでTシャツは着られませんでした。5年経った今でも押すとまだ痛いので、ハンドバッグなどは腕にかけられません。

 そのころから、「採血、いっぱ〜つ」だった私が、何度も失敗されるようになりました。血を抜いたり、造影剤(画像診断をしやすくする薬)入れたり、人より血管を使うことが多いっていうのに、針は入っても血が出てこなかったり、出たと思ったら途中で止まってしまったり。だいたい3回はやり直し。手術をした側の腕の血管はもりもりだけど使えないし……。

 技師の方に「抗がん剤やったので、血管細いです。採血難易度、超高いですよ」と言っても、苦手な人ほど挑戦してくるし……。まあ、練習台になる人が必要とは思うけど、患者にとっては、とってもストレスなんですよね、血管探しって。

 そんなとき、「あったらいいな〜」と思うのが〈採血マイスター制度〉。マクドナルドじゃないのですが、採血の上手下手で名札に金のシールを貼ってほしいのです。あれは絶対に才能だと思うので、どうでしょうか? 私、追加料金支払ってもいいですっ!

(桜井なおみ)

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