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知っておきたい緩和治療

2012/3/7

知っておきたい緩和ケア Vol.3

精神的な苦痛も治療で軽減できる痛みです

福島安紀=医療ライター

 「気分が憂うつで何も手につかない状態が続いている」、「病気のことを考えると不安で眠れない」―−。がん患者とその家族の多くが、告知後や治療中、療養中に経験するのが精神的な苦痛だ。その対処法と治療法について、日本サイコオンコロジー学会代表理事で埼玉医科大学国際医療センター精神腫瘍科教授の大西秀樹氏に聞いた。


埼玉医科大学国際医療センター精神腫瘍科教授の大西秀樹氏

 「がんの告知後は、超早期でがんが見つかった人も含めほとんど誰もが、ショックで頭が真っ白になったり落ち込んだりして、不安感が強く憂うつになります。でも、多くの人は2週間ぐらいすると少し気持ちが落ち着いて、どのような治療を受けるのかなど次の対処法が考えられるようになっていきます」。埼玉医科大学国際医療センター精神腫瘍科教授の大西秀樹氏はそう説明する。

 精神医学的な治療が必要になってくるのは、がんの告知後、あるいは再発の告知後や病状の悪化を告げられた後、2週間過ぎても、「眠れない」、「食欲がない」、「不安感が強い」、「何も手につかない」、「体がだるい」などの症状があるとき。「そういった症状がある場合には、適応障害やうつ病である場合があるので、まずは、本人やご家族が、担当医やがん診療連携拠点病院の相談支援センターに相談してみてください」と大西氏。

 適応障害とは、病気という事実や病状を受け入れられずさまざまな心身の症状が出て、社会生活に支障をきたす状態のことだ。適応障害、うつ病、意識障害の一種である「せん妄」まで含めると、がんの治療中、こうした精神医学的な病気になる人はがん患者全体の約半数もいるという。緩和ケア病棟に入院中の患者では、精神医学的な有病率は6割近くにも上る。

適応障害とうつ病の治療法
 適応障害の治療は、心療内科、精神科、精神腫瘍科の医師や臨床心理士などによる心理療法が中心だ。「適応障害はうつ病に移行することがあるので、きちんと治療することが大切です。我々、精神科医や臨床心理士は、患者さんの話を否定したり批判したりせずによく聞き、共感するようにしています。家族や親しい友人にも話せないつらい思いを吐き出すことで、気持ちが少し楽になって元気になっていきます。中には、経済的な悩みや仕事のこと、子供のこと、介護中の親や配偶者のことが気がかりで強い不安感が出ている人もいるので、そういう場合は、ソーシャルワーカーなどの支援を受けると、不安が軽減されることもあります」と大西氏は話す。

 一方、うつ病になる人も少なくない。がんの治療中にうつ病になる人は6%、再発乳がん患者でうつ病になる人は10%以上とのデータもある。

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