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知っておきたい緩和治療

2012/2/22

知っておきたい緩和ケア Vol.2

がん患者の局所の強い痛みには神経ブロックや放射線治療が有効です

福島安紀=医療ライター

モルヒネを局所に持続投与して痛みを軽減する方法も
 さらに、進行がんでオピオイド鎮痛薬の投与では鎮痛効果が得られない人やオピオイド鎮痛薬の副作用のコントロールが難しい人は、痛みの強い部分の近くにカテーテル(管)を埋め込み、モルヒネなどのオピオイド鎮痛薬を持続投与する「持続硬膜外ブロック」、「持続くも膜下ブロック」を受ける選択肢もある。

 直接、痛い場所にオピオイド鎮痛薬が投与されるので、モルヒネの量が内服薬と比較して、持続硬膜外ブロックの場合には1/5〜1/10、持続くも膜下ブロックの場合には1/50〜1/100で済むという。MRI検査を受けるときや放射線治療のときに痛くて横になれないなどという人に、一時的に持続硬膜外ブロックを行う方法もある。

 「こういったブロック治療は、オピオイド鎮痛薬による薬物療法が効かない人に検討されることが多いのですが、オピオイドでコントロールできる状態でも神経ブロックを受けたいという患者さんもいます。例えば、下半身の痛みが強い進行がんの患者さんで、『詩集を完成させたいけれどもオピオイドの内服薬では頭がぼーっとしてしまい感性が鈍る』と、持続硬膜外ブロックを希望された方がいました。神経ブロックも痛みの治療の選択肢の一つとして、知っておくとよいのではないでしょうか」と井関氏は指摘する。持続硬膜外ブロックによって、娘や息子の結婚式や大事な会議に出席できるようになる人もいる。

 ところで、神経ブロックは針を使う治療だが、血管を刺してしまうなどといった合併症はないのだろうか。

 「サドルブロックを除けば全て、X線やCTガイド、エコーで透視しながら神経の位置を確かめて行う治療なので、出血の心配はほとんどありません。サドルブロックも、針を進めて髄液が返ってきたところで神経破壊薬を注入するので、間違えて別のところに刺す心配はない治療法です。もちろん、注射が嫌いという人には向かない治療なので、患者さん自身が神経ブロックを希望していることが重要です」と井関氏。なお、神経ブロック(高周波熱凝固法を含む)は、抗凝固薬を服用している人や血小板が減少している人が受けることはできない。

 問題は、がんの痛みの治療として神経ブロックを行う医療機関が限られる点だ。神経ブロックによるがん疼痛治療を実施している医療機関の情報は、日本ペインクリニック学会のホームページの指定施設案内(http://www.jspc.gr.jp/06_renrakusaki.php)が参考になる。

 「がん治療の担当医と神経ブロックを行うペインクリニシャンが話し合って適応を決めることが大切なので、神経ブロックを希望する方は、まずは担当医に相談してほしいと思います。神経ブロックを行っている病院を受診する際にも、必ず担当医の紹介状を持参するようにしてください」と井関氏は話している。

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