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知っておきたい緩和治療

2012/2/22

知っておきたい緩和ケア Vol.2

がん患者の局所の強い痛みには神経ブロックや放射線治療が有効です

福島安紀=医療ライター

内臓痛、手術後の痛みにも神経ブロックが有効
 「特に高い治療効果が知られているのが、膵がんなどの上腹部腹腔内臓器による腹部・背部痛の痛みに対して行われる腹腔神経叢ブロックです。X線やCT、エコーを使って透視しながら、腰の辺りにある腹腔神経叢ブロックに背中の方から針を刺し、局所麻酔薬の投与で効果を確認してから神経破壊薬を注入します」(井関氏)

腰背部に神経ブロックをしているところ。神経まで針を進め、神経破壊薬などを注入する(写真提供・井関雅子氏)

 腹腔神経叢ブロックの有効性は75〜85%。立ちくらみ、下痢などの合併症が出る場合もあるが、オピオイド鎮痛薬が減量できることで便秘などの副作用が減り食欲が出る人もいる。

 また、直腸、前立腺、精嚢、膀胱後半部、子宮頸部などの骨盤内臓器の痛みには、やはりうつぶせに寝た状態で、第5腰椎から仙骨上部前面にある上下腹神経叢に針を刺し、神経破壊薬を注入する「上下腹神経叢ブロック」が有効。直腸がんで外陰部に腫瘍がある人には、背中から針を刺し、せき髄液が出る部分であるくも膜下に神経破壊薬を注入する「サドルブロック」が有効で、痛みが取れ座れるようになるという。

 肋間神経周辺の腫瘍や肋骨転移、舌がんなど頭頸部に腫瘍があって三叉神経の付近に痛みがある人には、高周波熱凝固を使った神経根ブロックが有効だ。高周波熱凝固法は、ほかの神経ブロックと同じようにX線やCTガイドなどで透視しながら肋間神経や痛みのある神経根まで針を進め、低電流の熱を与えて神経を凝固(変性)させる治療法だ。この治療は、神経破壊薬の使用に比べて、狭い範囲で神経変性が生じるため、より安全に知覚神経遮断が施行できる。先に局所麻酔薬を注入するので、熱凝固による熱さや痛みを感じることはない。

 痛みの治療で神経ブロックが適応になるのは、進行がんの患者だけではない。乳がん、肺がん、食道がんなどの手術による痛み、しびれ、違和感にも神経ブロックは有効だという。

 「命が助かったのだから、痛みぐらい我慢しなければと思っている患者さんもいるかもしれませんが、手術後の痛みは早く神経ブロックで治療すると、痛みの慢性化が防げることが少なくありません。神経ブロックは術後すぐに行うことも可能ですから、乳がんの手術後退院したけどまだ痛いという人や、食道がん、肺がんでしびれて感覚が低下しているような人は、早めに担当医に相談してみるとよいでしょう」と井関氏は強調する。

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